📅 展開開始時期
- 2025年6月中旬頃より、Google検索において 「AI Mode」 タブが米国内の全ユーザー向けに順次展開され始め、7月8日はインドでも公開されています。以前は Search Labs の招待が必要だったものが、今では シークレットモードやログアウト状態でも利用可能となり、完全に一般公開モードとして実装されました
Google CEO サンダー・ピチャイ氏は、「AIモードは今のところ別タブだが、将来的にはAIモードの要素がAI Overviewsや通常の検索結果に統合される」と明言しました。
🎯 アクセス方法
- 「Search Labs」からの招待なしでもSNSセッションやシークレットモードで、「AI Mode」タブが表示されるように。
- 多くのユーザーが「シークレットモードでも使えるようになった」と報告しており、ログアウト状態でもアクセスが可能な状態です。
Search Times
🛠 検索体験はどう変わる?
- AI Mode機能の段階的統合
- 現在は「AI Mode」タブからアクセスする形ですが、ピチャイ氏は「うまくいった要素はAIによる概要や従来の検索UIに取り込んでいく」と説明。
- “検索+AI”の一体化
- “メイン検索”にAIが自然に組み込まれ、別モードではなく“普通にAI付き”の検索体験がユーザーに提供されるという構想です
🔍 “AI Mode”と“AI Overviews”の違い
AI Overviewsは日本ではAIによる概要と表記されています。
- AI Mode:会話型Q&Aや追跡クエリ、複数検索結果の統合対応。これから多くがメイン検索に移植される。
- AI Overviews:回答の要約版として、検索トップに自然に配置されている。
👉 将来的には、「AI Overviews→AI Mode→通常検索」だった流れが“段階的に融合されたUI”へ進化していくと見られます
📉 AI OverviewsによるCTRの影響 ─Great Decouplingの兆しか?
📉 背景
- AI Modeと併せて普及が進む AI Overviews(AIによる概要) が、従来のオーガニックリンクのクリック率(CTR)を大きく下げるという調査報告が複数出ています。たとえばAhrefsでは上位ページのCTRが平均で34.5%減少と報告されています。
- 一方、Google側は「AI Overviews整合性をCTR減少だけで評価すべきではない」と反論し、「ウェブ全体では活況を維持している」と述べています。
🧠 Great Decouplingとは?
- 表示数(Impressions)は増加する一方、クリック数が減っているという現象を「Great Decoupling(大分離)」と呼びます。
- この状況は、閲覧体験とクリック行動が“分離”され始めたことを意味し、SEO評価のあり方に大きな転機をもたらします。
デスクトップとモバイルで「引用数が大きく異なる」
🧭 観察された差異
- デスクトップ版では多い引用(ソースリンク)、モバイル版では少ない引用という傾向が確認されています。
- 実際に同一クエリでも、ブラウザやデバイスによって引用リンクの数が異なるケースがありました:Safariで13件→Chromeでは14件→Chrome再読込では7件など、動的に変動する構造です 。
🔍 初期調査の補足
- Search Engine Landでも報告があり、モバイルでのAI Modeはデスクトップに比べておよそ50%引用が少ない傾向があるとされています。
Mobile vs desktop divide: Mobile AI Mode consistently shows ~50% fewer citations than desktop. Definitely optimizing differently for smaller screens.
🧠 なぜこの差が生じているのか?
- 画面サイズ・UXの制限
モバイルでは表現可能なUI空間が限られているため、引用を絞る設計に最適化されている可能性があります 。 - デバイス固有のAI Modeモデル
Jes Scholz氏の発言によれば、Chrome版とGoogleアプリ版で別設計のAI Modeが動作している可能性があり、結果に違いが生じやすいようです。 - 動的な再評価設計
同じブラウザでもリロード時に引用数が変わるなど、AI Modeのレスポンスは動的かつ再生成されるため、再現性が自然に低い構造となっているようです 。
📊 Search ConsoleにAI Modeデータが統合
- Google公式発表により、AI Modeでのクリック、インプレッション、検索順位がSearch Consoleに統合されました。
- AI Modeで得られた流入は「Web Search」パフォーマンスレポートに統合され、「AI Mode専用の集計」は存在せず、元の検索データと一元化されます。(https://x.com/glenngabe/status/1934680075154124887)
📊 どのように計測される?
指標 | 説明 |
---|---|
クリック | AI Mode内の外部リンクをクリックすればカウントされます。 |
インプレッション | 表示されたら「見られた」として計測。通常の検索と同様です。 |
順位 | 各要素の表示位置に応じて個別に算出。カルーセルや画像パック付きです。 |
フォローアップ質問 | ユーザーがAI Mode内で質問を重ねると、それが新しいクエリとして扱われ、すべてのデータが別集計になります。 |
✍️ 効果と課題
搭載パフォーマンス
- 一部SEO専門家によると、一部の推計では、この割合は検索の1%以上とされており、そのうちのクリックはほぼ1ヶ月間記録されていないとの報告も。
- 現在はパフォーマンス分析が難しく、「通常タブ・スニペット・AI Overviews・AI Mode」が混在する中で、正確な流入解析が困難との声もあります。
SEO運用上の課題
- 報告・分析の粒度が落ちたことで、流入元やポジションの明細が見えづらくなったという懸念があります。
- Google公式は、各リンクの「順位は最上位(標準のSERPルール)」でカウントされると説明していますが、詳細な可視化には限界があるとのことです。
⚙️ SEO対策への転換点
a. 総流入・指標設計の再検討
- 従来の「CTR=評価指標」は古い考え方。今後はCVR(コンバージョン率)、滞在時間、収益など“質”中心の評価へシフトが必要です。
b. AI引用対応のコンテンツ構造化
- FAQ形式、段階的要約、How-To、リスト構造など、AI ModeやAI Overviewsにピックアップされやすい構成を強化します。
c. ブランド系・購買意図クエリの強化
- 調査によると、ブランド名でのCTR低下は顕著ではない傾向があり、ブランド・購買系キーワードへの注力が有効と見られています。
d. フォローアップ需要への対応設計
- AI Modeでの追従質問に応える関連記事・リンク設計を導入し、サイト内巡回を促進する構造が有効です。
🔭 今後の展望
- 米国内展開が成功すれば、他国・地域への展開や**Deep Search、多段階対話(Project Mariner)**などの機能統合が想定されます。
- Search Consoleや他分析ツールでは、AI Mode専用セグメントやフィルター機能の追加が期待されています。この変化に先駆けた分析体制構築が戦略的優位性となるでしょう。
📝 総まとめ
- AI Modeは単なる“別タブの新機能”ではなく、Google検索の新たな標準UIとして融合され始めているフェーズです。
- CTR減少=悪ではなく、クリック品質やコンバージョン貢献を重視する時代へと進化しています。
- 今後は、
- 検索⇄AI対話の統合に対応した構造化コンテンツ
- 質重視の評価設計
- フォローアップ対応UX
がSEO成功の肝となります。