リスティング広告の特徴と他の広告との違い

2016年9月16日

リスティング広告とは、Yahoo!やGoogle等の検索結果上への広告掲載を意味します。検索連動型広告とも言います。


検索エンジンは、ユーザーが入力するクエリに関連するページを検索結果で表示します。
この検索結果ページには、リスティング広告枠とオーガニック検索(自然検索)枠が割り当てられています。


SERP内リスティング広告枠とオーガニック枠

※リスティング枠は「広告」ラベルが表示されています。


広告主は検索キーワード単位で検索結果ページ上に広告を表示させる事ができます。
Googleでは、「Google AdWords」、Yahoo!JAPANでは「Yahoo!プロモーション広告」で広告を出す事ができます。





リスティングの特徴 他の広告との比較

リスティング広告は検索連動型広告、ペイドリスティングとも言います。


ここでは、テレビやラジオのCM、新聞、雑誌といった4大マスメディア広告、ウェブにおいても古くから存在するインプレッション保証型のバナー広告と、クリック課金のリスティング広告との違いを解説します。


広告費用の比較

4大メディアに広告を出すメリットは、多くの人に見られる事で認知や信頼を高めていける点です。その分制作費も含めてコストが高くなり、その費用を投下できる企業は当然限られてくるでしょう。


テレビCMを例に言えば、15秒のCMを1回流したからといって視聴者にはなかなか覚えてもらえないかもしれません。その為、何回もCMを流して刷り込みを行う必要があり、回数分のコストが増えていきます。



広告表示のコスト

テレビや新聞の場合は、想定される視聴者層への認知やブランディングに向いています。
新聞雑誌では記事や紙面の広告枠、テレビの場合はスポットなら15秒の枠を購入できます。
(参考:http://adweb.nikkei.co.jp/paper/ad/ 日本経済新聞の広告スペース料金は529,000円~40,530,000円。)


有名ウェブメディアの場合は、期間やインプレッション保証の広告枠を購入できます。
(参考:http://promotionalads.yahoo.co.jp/netad/price.html Yahoo!Japanの枠掲載型は200万円~/1週間。インプレッション保証型は、1,250万円/1週間。)


これらの広告は期間、広告表示の場所、回数などの条件で費用が異なり、広告を表示する為の枠を買うという事になります。簡単に言えば、広告を表示させる為に費用をかける事になります。この場合、その広告が想定していたより人に見られなかったなんて事もあるでしょう。



クリック課金のコスト

ウェブ広告には、バナー広告、リスティング広告、アフィリエイト広告などがあります。
これらの課金方式には、期間、インプレッション、クリックによる課金があります。(他にもアフィリエイトでは購入や資料請求といった成果による課金モデルもあります。)
※インプレッションは広告の表示回数の事を言います。


リスティング広告はPPC(Pay Per Click)広告とも呼ばれますが、PPCはクリック課金方式の事を意味します。
※クリック課金方式を採用しているバナー広告もあります。


リスティング広告の場合は、クリック課金の為、広告が表示されるだけでは費用が発生しません。広告が表示され、クリックされて初めて費用が発生しますので低予算からでも始める事ができます。
また、クリックされても成果まで結びつかないキーワードを見直し、場合によってはすぐに広告を停止する事ができます。この点は他の広告と違ってコントロールのしやすさがメリットになります。



広告のターゲット層

ターゲットの母数で言えば、現時点では新聞やテレビCMはウェブ広告よりも多くの人々の目に触れます。(今後はどうなることでしょう。)
ウェブ広告はインターネットを見たり、問い合わせしたりといった事ができるITリテラシーが一定以上ある層へ広告を届ける事はできますが、テレビや新聞を主な情報源としている層には届かないかもしれません。


より広くアプローチしたい企業にとっては、4大メディアは無くてはならない存在です。広い層へ認知できるテレビCMの場合は広告する商材も生活必需品が多いかもしれませんが、ITリテラシーの高い層に向けたニッチな商材の場合は費用対効果の面でロスの少ないウェブの方が向いています。


リスティング広告の場合は、キーワードやデバイス(PC スマホ)、地域、時間帯などの要素を設定する事でより細かくターゲットを絞り込む事ができます。更にキーワードごとに検索ユーザー向けの広告文を変える事もできます。


デメリットとしては時間、地域、広告文、ランディングページなどの要素を自由に最適化できる分、作業が複雑化していき、運用に手間がかかるようになるという点です。



広告からのアクション

ウェブ広告はクリックした先には、商品やサービスを訴求するランディングページがあり、ゴールとなるアクションにスムーズにつなげる事ができますが、マスメディア広告の場合には、電話をかける、ウェブに訪れるなどのアクションを起こしてもらう必要があります。


ウェブの場合はGoogle アナリティクスなどの解析ツールを設定しておく事で、ゴールまでのプロセスを数値で測定する事ができます。その為、成果のでないキーワードを除外したり、逆に効果的なキーワードの予算を増やしたりと、柔軟に運用する事ができます。




リスティングとSEOの違い

自然検索で上位表示されれば、あなたのウェブサイトやブランドを見つけてもらえるかもしれません。
SEOでは、検索ユーザーが探している情報をコンテンツに含める事でそのコンテンツが検索される機会を増やす事ができます。


その中でも競合コンテンツよりも役に立つ情報便利な情報専門的な情報オリジナルの情報を公開することで検索ユーザーやGoogleの評価を高めていく事ができます。


具体例「ダイエット」のキーワードで解説

検索ユーザーは、はじめに問題点の解決方法を探します。例えばダイエットの場合は、まず最も効率的にダイエットできる方法を探します。
「ダイエット 方法」、「ダイエット 簡単」などのインフォメーショナルクエリが該当します。


これらのクエリは、広告費をかけても良いのですが、クリック課金では採算が合わない場合も多い為、役に立つコンテンツを用意して自然検索のトラフィックを獲得していき、その中で信頼を得てブランドや社名を覚えてもらうようにします。これがSEOに当たる部分です。


そして、コンテンツの中で運動と食事が重要という事がわかっていくと、「ダイエット食品」や「ダイエット マシン」などで検索します。
これらのキーワードは購入段階に近いトランザクショナルクエリとなりますので、購買を後押しするLPとリスティング広告が効果的です。


リスティングとSEOを効果的に活用していくには、まず検索クエリの種類を理解する必要があります。


検索クエリは大きく3つに分類できる

検索クエリはトランザクショナル、インフォメーショナル、ナビゲーショナルクエリがあります。



リスティング広告向き トランザクショナルクエリとは?

トランザクショナルクエリとは、何かを買う、申し込むなどのアクションに繋がるタイプのクエリです。


具体的には、「○○ 価格」、「○○ 通販」、「○○ 体験版」のようなクエリが該当します。
情報収集を終えた商品やサービスの選定段階の比較的購入に近いクエリとして分類されます。購買に近い(時間がかからない)為、リスティング広告向きのクエリです。



SEO向き インフォメーショナルクエリとは?

インフォメーショナルクエリとは、何かの意味や方法を調べるタイプのクエリです。
具体的には、「○○とは?」、「○○ 方法」、「○○ 壊れた」のようなクエリが該当します。


情報集段階で使用されるクエリですが、すぐには購入に結びつきにくい為、広告には向いていないクエリです。この段階のユーザーに対して、意味や解決方法をコンテンツ上で提供する事で、信頼獲得や商品認知につなげていく事ができます。つまりインフォメーショナルクエリはクリックで費用の発生しないSEOが適しています。



ナビゲーショナルクエリとは?

ナビゲーショナルクエリとは、特定のウェブサイトを探す際に使用されるクエリです。
具体的には、「Facebook」、「YouTube」、「Amazon」などのブランドワードが該当します。


商品やサービス、ウェブコンテンツの利用者にブランド名を覚えてもらい、次回からそのブランド名で検索してもらう流れを作れると理想的です。
ファンを増やしていく事で、ナビゲーショナルクエリで検索される機会も増えていくでしょう。


SEOとリスティングの特徴

SEOとリスティングはどちらも検索ユーザーとの接点を作る事ができますが、アプローチの仕方が異なります。それぞれの特徴と検索クエリの種類を理解して、ケースバイケースで施策を行いましょう。 状況によっては、検索結果の表示枠を最大限確保する為に両方行った方が良い場合もあります。



用意するコンテンツの違い

自然検索の場合は、客観的で検索ユーザーの役に立つコンテンツが評価されます。
そのうち顧客となる可能性のある潜在層に対しては、詳しく、わかりやすく、専門性の高い競合よりも優れたコンテンツ(問題解決や信頼できる情報など)を提供して、検索エンジンと訪問者の信頼を獲得します。競合コンテンツよりも優れていれば結果的に順位が改善していきます。


信頼を獲得できれば自社の商品やサービスの内容も知ってもらうことができ、結果的に購買まで結び付けていく事もできます。


リスティング広告の場合には、購買意欲の高い層に対して、スムーズに商品やサービスの魅力を伝え、ゴールに導くランディングページが必要となります。
商品やサービスのメリットを訪問者に訴求する為セールスに特化したコンテンツが向いています。


一方で、このタイプのコンテンツは客観性を保ちにくく、自然検索の順位では不利になります。一つのページでSEOとリスティングの両方で成果を出す事は難しい為、役割を分けてコンテンツを作成していきましょう。



費用の違い

オーガニック検索枠は広告ではありませんので、クリックされても費用はかかりません。
リスティングの場合には、CVはある一定数あっても、予算に合わない効率の悪いキーワードは露出を抑える事もありますが、そのようなキーワードでもSEOで上位をキープできればクリックによる課金も無くトラフィックを獲得できます。


リスティング広告の場合は、広告を停止すればトラフィックも減りますが、SEOで上位表示されれば比較的長い期間でトラフィックを維持できます。



CTRの違い

少し古い記事とはなりますが、広告と自然検索枠のCTRを調査したデータがあります。
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2012/01/13/11922 ※元のデータやウェブサイトは既にありませんがウェブ担当者フォーラムの記事に掲載されています。


これによると、クリックされた場所は自然検索枠が8割で広告枠は2割となっています。海外のデータの為、そのまま国内に当てはまるとは限りませんが広告とわかってクリックするユーザーは既に購買意欲が高いと言えそうですし、情報収集段階で広告をわざわざクリックするユーザーは少ないはずですので当然かもしれません。


トランザクショナルクエリでSEOコンテンツを作成して上位表示されても、ファーストビューにオーガニック枠が表示されずにCTRが低くなる場合もあります。
費用に直接結びつくクエリであれば、リスティング広告を併用して目視率を高める必要性はあるでしょう。



検索結果に表示されるまでの期間とコントロールのしやすさ

SEOは検索エンジンのアルゴリズムによって順位付けが行われる為、明確な指標や確実性はありません。
Googleのヘルプにも記載されている通り、コンテンツを作成したからといって、確実に上位表示されるわけではありません。


“Google で最上位に掲載されることを保証するのは不可能です。”
https://support.google.com/webmasters/answer/35291?hl=ja


更に作成したコンテンツが検索結果に掲載されるには、検索エンジンのクローラーに巡回され、インデックスされなければなりません。その為、明確に上位表示の時期を言い当てる事はできません。


あるキーワードをターゲットに作成したコンテンツが上位表示されずに過去に作成したコンテンツの方が上位表示されるといった事もあり、コントロールするには試す時間と知識が必要となっていきます。
リスティング広告の場合は基本的にはすぐに検索結果に掲載され、キーワードごとに広告文やLPを変更したり、地域や時間帯によってコントロールしたりなど柔軟に運用していく事ができます。



都市伝説 広告を出すとSEOの順位も上がる?

SEO都市伝説の一つに、「Adwordsで広告を出すと自然検索の順位が上がる」というものがあります。


リスティング広告を出す事で自然検索の順位に影響する事はありません。
この点については、GoogleのMatt Cutts氏が明確に否定しています。
https://www.youtube.com/watch?v=7aV5DmL_eog




Yahoo!JapanとGoogle 2大検索エンジンの特徴

国内の検索エンジンシェアは、GoogleとYahoo!Japanで9割以上と言われています。
Yahoo!Japanは、2010年12月1日にGoogleのエンジンを採用していますので、検索アルゴリズムに関してはほぼGoogleが独占状態となっています。


検索結果画面に表示される内容

検索結果画面に表示される内容については両検索エンジンで大きな違いがあります。
Yahoo!の検索結果は、Googleのランキングをもとに検索クエリによっては辞書サービスやNaverまとめ、Yahoo!ニュース、Yahoo!知恵袋、ヤフオク!、Yahoo!ショッピングなどが追加されます。


Googleの検索結果はGoogleニュース、Googleショッピング、画像検索なども含まれますが、機能性を重視したシンプルなデザインです。2016年2月20日に右側広告を廃止し、広告表示の件数の数が少ないというのも特徴です。


利用者層の違い

Googleは比較的ITリテラシーが高いユーザーが多いと言われています。情報収集の際には使いやすいGoogleを利用するケースが多いものと推測されます。
Yahoo!Japanの場合は女性ユーザーの利用者比率が若干多いと言われています。


販売するサービスや商品によっては、Yahoo!とGoogleの検索トラフィック比率は変わってくる為、Googleアナリティクスで計測して傾向を掴んでおきましょう。
ビジネス向けの場合はGoogleが多く、コンシューマー向けはYahoo!が多いといったケースもあれば、GoogleとYahoo!で広告の成果に大きく差が出る場合もあります。




Yahoo!、Googleの提供するリスティング広告サービスの特徴

Googleの場合はGoogle Adwords、Yahoo!Japanの場合はYahoo!プロモーション広告でリスティング広告の申込みします。
どちらも検索連動型広告以外にも、提携メディア、ネットワークに広告を掲載する事ができます。


Yahoo!プロモーション広告

Yahoo!プロモーション広告は、検索連動型広告の「スポンサードサーチ」、Yahoo!ニュースやヤフオク!などYahoo! JAPANのコンテンツページの他、さまざまな提携サイトのコンテンツページに広告を表示できる「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク」があります。


申込みURL : http://promotionalads.yahoo.co.jp/


Google Adwords

Google Adwordsでは「検索連動型広告」と、AdWords 広告の表示対象となるウェブサイトや動画、アプリで構成される「ディスプレイネットワーク」があります。


申込みURL : https://adwords.google.com


リスティング広告の費用

リスティングはキーワードごとに入札形式で上限クリック単価を決める事ができます。
実際のクリック単価は変動しますが、「実際のクリック単価 × クリック数」がリスティング広告で発生する費用となります。



広告の掲載順位と広告ランクの関係

広告掲載順位が高ければ高い程、多くの人の認識されやすく、クリックされやすい傾向があります。
通常のオークションであれば入札単価のみで順番が決定しますが、これでは予算豊富な企業が有利な仕組みとなってしまいます。
その為、Adwordsの広告掲載順位に関しては、広告の品質も考慮されます。


キーワードごとに、次のような基準で広告ランクが決定されます。

入札単価・広告の品質・広告フォーマット=広告ランク



広告の品質

広告の品質は、過去のクリック数とインプレッション数を考慮した広告の推定クリック率、広告と検索の関連性、関連性の高い独自のコンテンツを持ち、情報の透明性、ナビゲーションなどの利便性、操作性を考慮したランディングページの品質といった要素で決まります。
※Yahoo!のスポンサードサーチの場合も、品質インデックスといった広告の品質を判断しています。



広告フォーマット

電話番号やサイト内ページへのリンク、サイトのドメインを広告見出として表示するといった設定が含まれます。


広告の掲載順位は競争者と比較してこの広告ランクの値が高い方から順位付けされます。
つまり、入札単価を安く設定したとしても、広告の品質が他よりも優れていれば順位で上回る事もあるという事になります。



入札単価(上限クリック単価)と実際のクリック単価

GoogleのAdwordsでは、実際のクリック単価がどのように決まるかについての説明があります。
https://support.google.com/adwords/answer/1722122?hl=ja


実際のクリック単価はほとんどの場合に上限クリック単価を下回ります。

“ほとんどの場合、実際のクリック単価は上限クリック単価を下回ります。というのも、AdWords のオークションでは、広告の掲載順位やフォーマット(サイトリンクなど)の表示を維持するために最低限必要な金額のみ請求されるからです。”
https://support.google.com/adwords/answer/2464960


広告ランクで一つ下の競争相手のランクを上回る為に最低限必要な金額が費用となります。
競争の激しい上に成果に結びつくキーワードは、入札単価も高騰していくため、品質と上限クリック単価はバランス良く見ていく必要があります。
尚、Yahoo!のスポンサードサーチの方では、実際のクリック単価の算出方法については公開されている情報はありませんでしたが、入札単価が実際のクリック単価となる事はほとんど無いようです。




まとめ

リスティング広告とSEO、他の広告を比較しながら解説してきました。
それぞれの特徴を理解して状況にあった施策を行いましょう。
どの施策に関しても、実際に行ってみると奥が深く、専門的な知識が必要となります。


SEOに関しては、このブログで扱うテーマの一つです。
SEOの基本的な知識や取り組み方については、「SEO (検索エンジン最適化)とは?必要な知識のすべて」で解説しています。また、これからSEOを始める方向けに「初心者向けSEOガイド」を公開していますのでご活用ください。
SEO、リスティングともに重要なキーワード選定については、「SEOキーワード選定のコツと1ページで意識するキーワード数」の記事で解説しています。


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野澤洋介
野澤洋介

この記事を書いた人

アレグロマーケティング代表

SEOツールのプロジェクト担当者でもあり、自社のSEO担当でもあります。
SEOは考え方はシンプルですが、いざ実践するとなかなか思うようにいきません。
当ブログでは、読者の方に成功も失敗も合わせて情報を共有し、同じような悩みを解決できればという思いで運営しています。

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