無料の被リンクチェックツールを活用して調査(一部有料ツール含む)
世の中のほとんどのウェブサイトでは、被リンクの数や質を調べる意味はありませんが、過去にスパムを行ってしまったウェブサイトや競争が熾烈なカテゴリに属するウェブサイトの場合は、定期的にリンクの品質チェックが必要となる場合があります。
例えば、被リンクを調べる理由としては、以下のようなケースが考えられます。
- 「サイトからの不自然なリンク」の警告通知が届いた為、以前購入した被リンクを削除したい
- 作成したコンテンツの成果の一つとして獲得している被リンク状況を調べたい。
- 競合サイトの被リンクを調査し、自身のコンテンツ作成の参考にしたい。
この記事では上記のような状況における被リンクの調査方法、改善施策、リンクデータの活用方法を解説します。
この記事のトピック目次
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「手動ペナルティ」と「アルゴリズムによる評価」の見分け方
スパムを行ってしまっている場合には、まず前提知識としてスパムの基準を再度認識しておく必要があります。
スパムリンクには、購入したリンク、相互リンク、ブログスパム、コメントスパム、フォーラムスパム、ゲストブックスパムなどがあります。
スパムリンクが一本だけでも「手動ペナルティ(手動による対策)」となる?
John Mueller氏の発言では、一本のリンクによって手動による対策が行われる事は無いそうです。身に覚えがなければあまり神経質になる必要は無いかもしれません。
That sounds like a mistake or something changed on the site. Manual actions aren't based on a single link, so probably the problem is relevant even if the example is a mistake.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) 2018年8月14日
Googleのスパム基準については、品質ガイドラインをきちんと読んでおく事で理解できます。
このガイドラインに違反するウェブサイトをGoogleが発見した場合には、そのウェブサイトの評価を下げ、最悪検索結果から排除します。(表示されなくなります。)
Googleがスパムに対して対処する方法は以下の2種類あります。スパムを取り締まる「ペンギン」やコンテンツの質を判断する「パンダ」といったアルゴリズムが有名です。
- 「手動ペナルティ」と呼ばれるGoogleのスタッフが実際に判断して対処する方法
- 「アルゴリズムによる評価」で自動的に対処する方法
手動ペナルティの確認方法
「手動ペナルティ」の場合は、Search Consoleにウェブサイトを登録していれば「不自然なリンクに関する警告」メッセージが届きます。
以下の手順で確認できます。
- Search Consoleにログインし、該当のウェブサイトを選択します。
- 左メニューの「手動による対策」を選択します。
以下のように表示されていれば、手動によるスパムでは無いという事になります。

スパムリンクの手動ペナルティを解除する手順
以下の手順で対応します。
- スパムサイトの運営者に削除依頼
リンクを張っているサイトの運営者に対して、自社サイトへのリンクを張らないように通知します。
ブログ等の運営者の場合、ゲストブログを悪用されてスパムリンクを張られている事もあるため、運営者によってそれらのリンクを外してもらう事ができます。
もし運営者に要望を出しても対応してもらえないようであれば、次の方法で対処します。 - リンクの否認
「リンク否認ツール」を使ってリンクを無効化します。もし同じサイト上の複数のページから大量にリンクを張られているのであれば、ドメインレベルでリンクの否認を行う事ができます。 - 再審査リクエスト
スパムリンクが一掃された事を確認した上で、「再審査リクエスト」を行います。
「リンク否認ツール」の使い方と「再審査リクエスト」の方法は、このページの後半で解説します。
アルゴリズムによる評価
以前はリンクに関してガイドラインに違反するようなスパム行為を行っていた場合、ペンギンによってウェブサイト全体の評価が落ちてしまうことがありました。
現在ではリアルタイム更新となり、ウェブサイトの評価を下げるのではなく、スパムによる評価を減らす(おそらく無視する)といったきめ細かい対応がされるようになりました。
とはいってももちろんスパムを行えば手動による対策によってウェブサイトの評価を落としてしまう事もあります。自身のウェブサイトが品質ガイドラインに違反するようなスパムを行っていないか確認し、スパムを行ってしまっている場合は一つ一つ改める必要があります。
競合によるネガティブSEOの疑いがある場合(自社でスパムリンクは行っていない)
ペンギンアップデートにより、ガイドラインに違反するような低品質のリンク、不自然なリンクをアルゴリズムによって判別できるようになると、これを攻撃の手段として競合相手に悪用されることがありました。(ネガティブSEOとも言われます。)
しかし現在のペンギンでは、スパムリンクそのものの価値を無効化するといった処理が採用されている為、ネガティブSEOに関して心配する必要はありません。
低品質なリンク、スパムリンク調査方法
自社ウェブサイトに張られた被リンクを調べるには、Search Consoleを活用しましょう。
以下の手順で確認できます。
Search Consoleで被リンクをチェック
Search Consoleにログインし、左メニュー内の「リンク」をクリックします。
次に画面右上の「外部リンクをエクスポート」ボタンをクリックし、「最新のリンク」をクリックします。

ページ単位で外部被リンク元のページをチェックする事ができます。
ちなみにSearch Consolでは、関連するリンクのサンプルを表示しますが、リアルタイムの情報を表示しているわけでは無いそうです。
Are you placing links -_- ?
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2017年10月23日
GSC shows a relevant sample of the links, it's not meant as a real-time monitor.
Search Consoleと被リンクチェックツールを併用する
Search Consoleではリンク自体の品質までは確認できません。リンクの品質を判定する被リンクチェックツールも参考にすると効率的です。(当然Googleの判断する質とは判定基準が異なりますので、参考値として活用します。)
ここではSE Rankingの「被リンク監視ツール」を使った品質チェック方法をご紹介します。
SE Rankingでは、Search Consoleでレポートされる被リンクデータを自動でインポートする事ができます。
インポートされた被リンクデータは、リンクの品質、リンク元ページ、リンク先ページ、アンカーテキスト、nofollow / dofollowまで表示され、フィルタ抽出機能で絞り込んだうえでエクスポートする事ができます。
※nofollowの意味については、「ページランクを渡さないnofollow属性とは?」で解説しています。

低品質のリンクで絞込み抽出する
「SE Ranking」にログインし、プロジェクトを作成した後、上部の「被リンク」アイコンをクリックします。
画面右側の「フィルタ」で、「MOZ DA」をクリックして0-40を選択し、次に「Nofollowステータス」をクリックして「dofollow」を選択して絞込を実行します。
※MOZ DAとは100点の範囲で示されるMOZ Domain Credibilityを意味します。ウェブサイトがDA:0の評価の場合は信用性が最も低く、DA: 100の評価は信用性が最も高い事を意味します。*MOZ (Domain Authority)

以下のように低品質リンクのみを表示させる事ができます。

低品質リンクが多いからといって問題というわけではありません
通常のウェブサイトであれば高品質な被リンクと低品質な被リンクの両方が混在しています。
品質の高いリンクを獲得した際には、リンク元のコンテンツを確認してSNSで共有したり、被リンクを獲得しやすいコンテンツの傾向を把握するという使い方が多いかもしれません。
自身のページを削除した際にも念のためにチェック
過去に作成したページの情報を他のページに統合して、統合された方のページを削除した場合には、必ずこのツールを使って被リンク状況もチェックしておきましょう。もし、そのURLが被リンクを獲得しているようであれば、統合先のURLに301リダイレクトを設定する事で、訪問したユーザーやページの評価を統合先のURLに転送する事ができます。
リンク否認ツールの使い方
「サイトへの不自然なリンクを理由に手動によるスパム対策が実施されている」というメッセージが Google から届いた際、まずその被リンクの削除依頼をリンク元のサイト運営者に出します。それでも、スパムリンクがなくならない場合に使用します。
自身でスパムを行ってしまっていて、まだ手動ペナルティの通知が来ていない状況でも使用できます。
その他にネガティブSEOの恐れのあるスパムリンクに対して使用する事もできます。
※リンク否認機能で誤ってスパムではないものを登録してしまうと、元に戻す際に時間がかかる場合もあり、場合によってはリンクの評価は元に戻らないケースも想定されるようです。確実にスパムリンクのみを除外しましょう。
- リンク否認ツールへアクセスします。
- 対応が必要なサイトを選択し、「非承認のリンク」をクリックします。
- ページが切り替わります。「リンクの非承認」をクリックします。
- プレーンテキストで一行ごとにリンク元のURLを記述し、テキストファイルとして保存します。
※ドメイン自体を否認するには、「domain:ドメイン名」としてdomain:で区切ります。
※ドメイン1つにつき1ファイルですので、複数ドメインある場合は、個別にテキストファイルを作成する必要があります。 - 再びSearch Consoleの画面でファイルを選択から、先ほど保存したリンクを記述したファイルを選択して、送信します。
リンク否認ツールの操作手順
Matt Cutts氏のアナウンスでは、「リンクの否認」は「強い提案」としてGoogleは受けとり、処理としては、「nofollow」と同様の効果があります。
リンクの否認ツールの正しい使い方 Q&A
日本のウェブマスター向け公式ブログでもリンクの否認ツールに関するQ&Aがありましたので、そちらもあわせてチェックしてください。以下は、Search Engine LandのDanny Sullivan氏と、GoogleのMatt Cutts氏がリンクの否認ツールの使い方についてQ&A形式で回答していますのでご紹介します。
元ソースの記事はこちらです。
どのリンクを取り除いたら良いか
不自然なリンク警告を送る際は、基本的にGoogleのスタッフによって2~3のスパムリンクとともに手動で送られています。
全てのスパムリンクを通知する事はないので、自力でリンクの精査をする必要があるようです。
スパムリンクを全て提供しない理由としては、スパマーに対して、スパムを行う手がかりとなる情報を出したく無いためのようです。
リンクの否認ツールの対象について
不自然なリンク警告を受け取った人、ペンギンの影響を受けた人、スパムリンクが張られていると思う人誰もが対象のようです。
リンクの否認ツールを使う前に、被リンクの元となるサイトの運営者に出来る限り自力でリンクの削除要請を出す必要があります。
Googleは「不自然なリンク警告」を送った際の被リンクに関するスナップショットをとっている為、スパムリンクが取り除かれているかどうか容易に確認できるようです。
「リンク否認ツール」使用後には、再審査リクエストを通知する必要があります。
※再審査リクエストは、「不自然なリンク警告」が通知されていなければ不要なようです。
インデックスされているURLに注意
「/」の有り、なし、index.htmlのありなしなど技術的には別URLとしてとらえているようですので、一つ一つ注意深く処理する必要があるようです。
例えば、「/」なしでリンクの否認ツールを使っても実際は「/」ありでGoogleが認識していればリンクの否認の効果は無いかもしれません。
ドメインのwwwあり、なしについては、wwwなしで登録すれば、wwwありも否認されるようです。
ウェブマスターツールで被リンクを一つずつチェックしていくと効率的だと思います。
同じ日にリンク否認ツールを複数使った場合
最後に送ったURLは時間を要する可能性はあるが、初めに送ったURLに影響は無いようです。
改善が見られるまでに要する期間
インデックスに要する期間やアルゴリズムのリフレッシュに要する期間を考えると数か月かかるとされています。
ネガティブSEOに利用される事はあるか?
リンクの否認ツールで品質の高いサイトからの被リンクを、スパムリンクとして送信する事でリンク元のウェブサイトの評価を下げるような使い方はできないようです。(実際はnofollow効果)
更に、リンク否認用のファイルには次のような制限があります。
リンク否認ファイルの制限
100,000 行(URL)以内、2MBのサイズが上限となります。
「Webmaster Central Help Forum」参照
ちなみにサイズの上限やURLの上限を超えそうになった場合には、制限の範囲内におさめる為に、古いURLで既に存在しないものを削除して、新しいスパムリンクのURLを追記すれば良いそうです。
Sure, if those links are no longer live. Consider using domain-level entries more, and focusing on the bigger problems (don't just list every URL you don't like).
— John ☆.o(≧▽≦)o.☆ (@JohnMu) 2018年1月31日
Googleはリンクの否認ツールで上がってくるリンク元のデータを幅広く見ていないようですが、仮に今後精査したとしてもサイトの良し悪しを判断する方法は他にも多くある為、ネガティブSEOに悪用する事はできないとの事です。
Googleは現時点ではリンク否認ツールで蓄積されたデータを他の評価に活用するという事はないと発言しています。
再審査リクエストの方法と注意点
再審査リクエストは、手動ペナルティによる通知を受け、その問題点を改善した後に「再審査リクエスト」からGoogleに報告します。
ペンギンアップデートにより評価が低くなった場合や、ネガティブSEOの疑いがある場合は再審査リクエストを使う必要はありません。
再審査リクエストの回答までどのぐらい時間がかかるか?
再審査リクエストから2ヶ月の間、Googleから何も回答が無いという質問に対する回答をMatt Cutts氏がコメントしています。
2ヶ月たっても回答が無いと言うのは普通ではないようです。このような時は、ウェブマスターフォーラムで質問するか、再度「再審査リクエスト」を送りましょう。
再審査リクエストのプロセス
一度再審査リクエストを送ると、再審査リクエストを受領した事を示す確認メッセージがすぐに届きます。メッセージが送られて来ない場合は、フォーム送信が失敗しているなどの問題があります。回答までには2ヶ月もかからず、大抵は一週間か数日かかる程度です。
回答のパターン
おおまかに三つあるようです。一つは問題が改善され、リクエストが受領された事を示す回答です。二つ目は、まだいくつか修正点があり、改良する必要があるという事を示す回答。警告文を受け取ってない場合に送信した場合などがあります。例えば一つは解決したとしもまだもう一つ他の問題がある場合のような複雑な問題が絡む場合は、「処理中」を示す回答があるようです。
もし1ヶ月以上経過している場合は、ウェブマスターフォーラムで確認しましょう。ちなみに手動ペナルティを受け、スパムレポートを通知された場合は、再審査の処理そのものよりも、その問題箇所を修正する事の方が手間と時間がかかります。
競合サイトの被リンクを調査
自然な被リンクを獲得していくには、質の高いコンテンツ作成が基本です。
現在の自身のウェブサイトと競合サイトの被リンク獲得状況を把握する事で、訪問者に評価されるコンテンツの傾向を調べる事もできます。
一般的には自社サイトの場合はSearch Consoleで確認する事ができますが、競合サイトの被リンク状況はわかりません。
以前はlink:コマンド(例: link:example.com のように使います。)を使用して、バックリンク獲得状況を把握できましたが、現在では利用できません。
自社サイトと競合サイトの獲得した被リンクをそれぞれ見ていくには、被リンク調査ツールが便利です。
競合サイトの被リンク獲得状況を把握する
競合サイトの被リンク獲得状況やその文脈を確認するには、被リンクチェッカーを活用します。
操作は単純で、競合サイトのドメインを入力する事で、競合サイトの被リンク獲得状況をリストで確認する事ができます。

コンテンツ作りの参考として、自身のウェブサイトの改善につなげていきましょう。
被リンクを獲得していく方法については、「被リンクを増やす外部SEO ペナルティを受けない自然被リンク獲得法」でも解説しています。
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