Googleの「AI Mode」がデスクトップに分割ビューを導入し、AIが検索ジャーニー全体に伴走する新しい検索体験と、それがSEOに与える構造的なインパクトを解説する。

Search Times

AI Modeとは何か:Google検索の新しい入口

AI Modeは、Googleが検索結果ページ(SERP)の隣に用意した「AIとの対話で情報を探す」ための新しいインターフェースです。従来のGoogle検索が、クエリに対して10本の青いリンクとスニペットを並べる「リスト型」の体験だったのに対し、AI ModeはGeminiをベースとした生成AIが質問の意図をくみ取り、要約・比較・追質問への回答までを一つの画面で完結させる「対話型」の入口として位置づけられています。

従来のSERPとの違いは、単に表示形式が変わったという話にとどまりません。AI Modeでは、ユーザーは最初のクエリを投げた後も同じ画面内で文脈を保ったまま追加の質問を重ねられ、必要に応じてWeb上の情報源へのリンクが提示されます。つまり「検索する→クリックする→戻る→検索し直す」というサイクルを、AI Modeは「対話しながら必要なときだけ外部ページを参照する」というフローに置き換えているのです。

従来のGoogle検索とAI Modeの主な違いを整理すると、次のようになります。

  • 応答の形式:従来は青いリンクとスニペットの一覧、AI Modeは生成AIによる要約と引用元リンクの組み合わせ
  • クエリの粒度:従来はキーワード中心の短いクエリ、AI Modeは自然言語の長文・複合質問に対応
  • セッションの連続性:従来は一問一答の都度検索、AI Modeは文脈を保ったまま追質問できる対話型
  • 外部サイトとの関係:従来はクリックして遷移するのが基本、AI Modeは「必要に応じて参照する」補助的な位置づけ
  • UI上の役割:従来は検索結果ページが目的地、AI Modeは検索ジャーニーに伴走するアシスタント

重要なのは、AI ModeがGoogle検索の「置き換え」ではなく「もう一つの入口」として設計されている点です。ユーザーは従来通りのキーワード検索を使い続けることもできますが、調べものや比較検討といった意図の強い場面ではAI Modeに流れていくと予想されます。今回デスクトップ版に導入された分割ビュー(Split View)は、このAI Modeを「外部サイトを閲覧している間も画面に残り続ける常駐型のアシスタント」へと進化させるアップデートであり、後の章で扱うランキングシグナルや計測の変化を理解するうえでの土台となります。

分割ビュー(Split View)の仕組み

デスクトップ版のAI Modeに導入された「分割ビュー(Split View)」は、検索結果からのリンク遷移の仕方を根本的に変えるインターフェースです。従来のGoogle検索では、SERP上のリンクをクリックすると画面全体が遷移先ページに切り替わり、検索結果に戻るには「戻る」ボタンを押す必要がありました。分割ビューでは、この「片道切符」のような遷移体験が、左右に並ぶ「並走型」の体験に置き換わります。

基本動作:左にAI Mode、右に遷移先ページ

分割ビューの挙動はシンプルです。AI Modeが提示した回答や引用元のリンクをクリックすると、画面が左右に分割され、左側にAI Modeの会話・回答画面がそのまま残り、右側のペインに遷移先のWebページが読み込まれます。ユーザーはAI Modeを閉じることなく、外部サイトの内容をその場で確認できるようになります。

画面左にAI Mode(質問・AI回答・引用リンク)、右に遷移先ページが並ぶ分割ビューのレイアウト図。従来のフルページ遷移では右側の領域が画面全体を占めていたのに対し、分割ビューでは左側のAI Modeが常時画面に残り続けることを示す。
画面左にAI Mode(質問・AI回答・引用リンク)、右に遷移先ページが並ぶ分割ビューのレイアウト図。従来のフルページ遷移では右側の領域が画面全体を占めていたのに対し、分割ビューでは左側のAI Modeが常時画面に残り続けることを示す。

従来のフルページ遷移との違い

分割ビューが画期的なのは、「検索する場所」と「読む場所」が同一画面上に共存する点です。これにより、ユーザーは右ペインで記事を読みながら、左ペインで追加の質問を投げたり、別の引用元リンクをクリックして右ペインだけを差し替えたりできます。複数のサイトを比較検討する際にも、ブラウザのタブを何度も切り替える必要がありません。

  • 左ペイン:AI Modeの会話・回答・引用リンク一覧が常時表示
  • 右ペイン:クリックしたリンクのWebページがそのまま表示
  • 別のリンクをクリックすると、右ペインの内容だけが差し替わる
  • 左ペインで追加質問や深掘りを行っても、右ペインの閲覧は維持される
  • 遷移先ページはiframe的に表示されるが、外部サイトとして通常通り読み込まれる

つまり分割ビューは、AI Modeを「検索の出発点」から「検索ジャーニー全体を伴走するハブ」へと格上げする仕組みです。ユーザーが外部サイトを読んでいる最中でも、AIは画面の左半分に居続け、いつでも次の質問やクリックを受け付ける状態にあります。この常時可視化された左ペインの存在こそが、次章以降で扱うUXや計測、ランキングシグナルの変化の起点となります。

検索ジャーニーに「伴走するAI」がもたらすUXの変化

分割ビューの最大のインパクトは、画面レイアウトそのものよりも「ユーザーが外部サイトを閲覧している間も、AI Modeが画面の左側に残り続ける」という点にあります。これまでの検索体験では、リンクをクリックした瞬間にSERPは視界から消え、ユーザーは遷移先ページと一対一で向き合う構造でした。分割ビューではこの前提が崩れ、AIが検索ジャーニー全体に伴走するパートナーへと役割を変えます。

「探す」から「相談しながら確かめる」へ

従来の検索行動は、SERPで候補を見る → クリックして読む → 戻って別の候補を見る、という直列的なループでした。分割ビューでは、ユーザーは右側で記事を読みながら、左側のAI Modeに「ここで言っている◯◯ってどういう意味?」「他社の料金と比べてどう?」と並行して質問できます。検索は単発のクエリ応答ではなく、AIと会話しながら外部情報を確かめていく「協調的な意思決定プロセス」へと変質していきます。

滞在パターンと離脱タイミングの変化

AIが常に隣にいることで、ユーザーは1ページに長く滞在する必要がなくなります。記事の冒頭だけ読んで要点をAIに要約させたり、特定の段落について追加質問を投げてから判断したりと、ページ滞在は「短く・浅く・並列に」シフトする可能性があります。一方で、AIの回答に納得できなければ別ページへの再遷移は容易になり、比較検討の回数自体は増えると見込まれます。

  • 再検索の動線:従来はブラウザバックでSERPに戻る必要があったが、分割ビューでは左側でそのまま追加質問・再検索が可能。検索の「やり直しコスト」がほぼゼロになる。
  • 比較行動:1サイトずつ開いて戻る直列比較から、AIに横断要約をさせつつ気になるページだけ右側で開く並列比較へ。
  • 離脱タイミング:「ページを読み切ってから判断」ではなく、「AIの回答で十分と感じた時点で離脱」が増える。ファーストビューと冒頭数百字の重要性がさらに高まる。
  • 意思決定プロセス:単独サイトの説得力よりも、AIが集約した複数ソースの整合性が判断基準になる。1記事完結型の説得から、引用されやすい部品提供型のコンテンツへ評価軸が移る。
  • セッションの粒度:1クエリ=1セッションではなく、1テーマについて長時間AIと対話しながら複数サイトを巡る「ジャーニー型セッション」が標準化する。

つまり分割ビューがもたらすのは、ユーザーが外部サイトを「単独で読む」状況の消滅です。コンテンツは常にAIと並んで評価され、AIに要約されたり、AIへの追加質問の材料として使われたりすることを前提に設計し直す必要があります。検索体験の主役は依然としてユーザーですが、その隣には常にAIという第二の読者が座っている――これが分割ビュー時代のUXの本質です。

トラッキングと計測への影響

分割ビュー(Split View)の登場で多くのSEO担当者がまず気にするのは、「アクセス解析は今まで通り動くのか」という点でしょう。結論から言えば、Googleの分割ビューにおいても従来のトラッキングは基本的に機能します。AI Mode内のリンクをクリックして右側のペインに遷移先ページが表示されるとき、そのページ自体は通常のWebページとして読み込まれるため、Google Analytics 4(GA4)や各種タグマネージャ、サーバーログなどの計測は従来通り走ります。ページビュー、イベント、コンバージョンといった指標が消えるわけではありません。

ただし「動く」ことと「これまでと同じ意味で読める」ことは別の話です。分割ビューは、ユーザー行動のパターンそのものを変えるため、計測値の解釈には注意が必要になります。同じ数字でも、その背景にあるユーザーの動きが従来のSERPクリックとは異なるからです。

流入経路・リファラの見え方

分割ビュー経由の流入は、リファラとしてはGoogle検索由来として記録されるのが基本です。つまりSearch Consoleや「google / organic」のチャネル区分には引き続き計上されますが、その中には「通常のSERPからの直接クリック」と「AI Mode内のリンクから分割ビューで開かれた閲覧」が混在することになります。両者を厳密に切り分けるのは、現時点では容易ではありません。AI Mode起点のセッションが増えるにつれ、オーガニック流入の中身が静かに変質していく点は意識しておくべきです。

セッション・滞在時間・直帰率の歪み

分割ビューでは、ユーザーは右側で自社ページを開きながら、左側のAI Modeで追加質問や別ページへの遷移を行います。この行動は、計測上いくつかの歪みを生みます。

  • 滞在時間が短く見える:ユーザーがページを「開いたまま」AI Mode側で別の操作をしているケースでも、タブのアクティブ状態によっては滞在時間として正確にカウントされないことがあります。
  • 直帰率の意味が変わる:分割ビュー内で次のアクションがAI Mode側で完結すると、自社サイトでは1ページだけ見て終わったように記録されます。離脱というよりは「参照されただけ」のケースが増える可能性があります。
  • セッションの連続性が切れやすい:AI Modeを軸にユーザーが複数サイトを並行閲覧するため、自社サイトへの再訪が同一セッションとして繋がらないことがあります。
  • コンバージョン経路が複雑化:最終的なCVに至る前に、AI Modeを介して複数の競合ページを横断するため、アトリビューションの解釈が難しくなります。

指標を見るときの心構え

重要なのは、PVやセッション数といった量的指標の絶対値を追うだけではなく、AI Modeを経由したユーザーが「何を確認しに来て、どこで意思決定したか」という文脈を読み取る視点です。Search Consoleの表示回数とクリック数の比率、ランディングページごとの行動の質、ブランド名での指名検索の推移などを組み合わせて、分割ビュー時代のオーガニック価値を多面的に評価していくことが求められます。計測ツールの設定変更よりも先に、まずは「数字の意味が変わりつつある」という前提を社内で共有することが、最初の備えになります。

ChatGPTら他AIチャットボットへの対抗策としての位置づけ

分割ビューを「便利になったUI」とだけ捉えると、その本質を見誤ります。Googleがこのタイミングでデスクトップ版AI Modeに分割ビューを実装した背景には、ChatGPTやPerplexity、Claudeといった外部AIチャットボットへ流出しつつある「検索需要」を、自社エコシステム内に押し戻すという明確な戦略意図があると考えられます。

「会話で完結するAI」 vs 「Webに開かれたAI」

ChatGPTをはじめとするAIチャットボットは、ユーザーの質問に対して会話の中で回答を完結させる体験を提供してきました。一方Googleは、長年積み上げてきた強みである「インデックスされた膨大なWebページへの送客」を捨てるわけにはいきません。分割ビューは、AIによる要約と外部Webページの閲覧を同一画面で両立させることで、「AIで答えを得る体験」と「一次情報にアクセスする体験」を切り離さずに提供するアプローチだと言えます。

ユーザーをGoogleの画面から離さない設計

従来のSERPでは、ユーザーがリンクをクリックした瞬間にGoogleの画面から離脱していました。AI Modeの分割ビューでは、外部サイトを開いてもAI Modeのペインが画面左側に残り続けます。これにより、追加質問・要約・比較といったAIアシスト機能が、外部サイト閲覧中も常に手の届く位置にあり続けます。「答えを得るためにChatGPTを開く」必要がなくなる構造を、Googleは検索体験そのものに組み込んだのです。

主要AIチャットボットとの体験比較

項目Google AI Mode(分割ビュー)ChatGPT(Web検索機能付き)Perplexity
外部リンクの参照右ペインで実ページをそのまま閲覧引用リンクを別タブで開く引用リンクを別タブで開く
AIとの併走左ペインに常時AIが残るページ離脱で会話と分断ページ離脱で会話と分断
Webインデックスの規模Google検索インデックスBing系+独自クロール独自+複数ソース
送客(パブリッシャーへの流入)分割ビュー経由で発生限定的限定的
主な狙い検索需要の囲い込みと送客の両立会話内完結型の体験引用付き回答に特化
Google AI Modeと主要AIチャットボットの「検索+外部リンク参照」体験の比較。Googleは“AIと併走しながらWebを読む”体験で差別化を図っている。

比較してわかるのは、Googleが狙っているのは「AIチャットボットとして勝つこと」ではなく、「AI時代における検索の入口とWeb送客のハブであり続けること」だという点です。分割ビューは、ChatGPT的なAI体験の良さを取り込みつつ、Googleが手放せないパブリッシャーエコシステムへの送客機能を維持する、極めて戦略的な落としどころと言えます。SEO担当者にとっては、この「囲い込みの中で送客される側」になり続けるための設計が、今後ますます重要になります。

NavboostからDriftBoostへ:ランキングシグナルの変質

分割ビューの登場は、UIや計測の話にとどまらず、Googleがランキングを決める際に参照する「行動シグナル」の質そのものを変えつつあります。ここでは、長らくランキングの裏側で機能してきたNavboostと、分割ビュー時代に立ち上がりつつある新しいシグナル(本記事では便宜的に「DriftBoost」と呼びます)の違いを整理します。

Navboostが前提としていた「クリックと帰還」の世界

Navboostは、米司法省の反トラスト訴訟の過程で存在が明らかになった、Googleのクリックデータを活用するランキングシステムです。検索結果のどのリンクがクリックされ、ユーザーがそこに留まったのか、それともすぐにSERPに戻って別の結果をクリックし直したのか(いわゆるpogo-sticking)といった行動を、長期間にわたって集約し、クエリごとの「良い結果」を学習してきました。

このモデルが成立していたのは、検索体験が「SERP → クリック → 着地ページ → SERPに戻る」という直線的な往復で構成されていたからです。クリックは明確な選択であり、帰還は明確な不満足のシグナルでした。シグナルの解釈がシンプルだったのです。

分割ビューが壊す「クリック=意思表示」の前提

分割ビューでは、ユーザーは左側のAI Modeを開いたまま、右側で複数の外部ページを次々と開いて見比べます。そこで起こっているのは、もはや一回きりの「選択」ではなく、AIの回答と外部ページのあいだを行き来しながら理解を組み立てる「漂流(drift)」に近い行動です。

このとき、従来のNavboost的な解釈はうまく機能しません。たとえば、

  • 右ペインで開いたページを数秒で閉じても、ユーザーは「不満」だったとは限らない(必要な一文だけ拾って次へ進んだ可能性がある)
  • 同じセッション内で複数ページを並列に開くため、どれが「最終的な答え」だったかが曖昧になる
  • SERPに戻る代わりに、左ペインのAI Modeへ追加質問を投げて深掘りする行動が増える

つまり、クリックも滞在時間もpogo-stickingも、これまでと同じ意味では読めなくなっているということです。

DriftBoost:並列閲覧前提の新しいシグナル群

分割ビュー時代のシグナルは、単一ページへの深いエンゲージメントではなく、ジャーニー全体のなかでそのページがどう「役立ったか」を捉える方向へシフトすると考えられます。具体的には、次のようなデータがより重要になります。

  • 右ペインで開かれた複数ページのうち、ユーザーがスクロール・選択・コピーなど能動的な操作を行ったページ
  • AI Modeが回答を生成・補強する際に引用元として参照したページ、およびそのクリック率
  • 外部ページを閲覧した直後にユーザーがAIに投げる追加質問の内容(満足したのか、疑問が残ったのか)
  • セッション全体での「漂流の収束」――最終的にユーザーが行動(購入、申込、ブックマークなど)を起こしたページ

これらは、単発のクリックではなく、ジャーニーの文脈のなかで初めて意味を持つシグナルです。Googleにとっては、AI Modeを画面に残し続ける分割ビューはこの種のデータを取得する絶好の観測装置でもあります。

SEOにとっての含意

NavboostからDriftBoostへの変質が意味するのは、「クリックを取って終わり」「滞在時間を稼げばよい」といった旧来のKPIだけでは評価されにくくなる、ということです。代わりに評価されるのは、並列閲覧のなかで一目で価値が伝わる構造、AIに引用される明快な記述、そしてジャーニーの最後にユーザーが戻ってきたくなるブランド力です。次章では、この前提を踏まえて、SEO担当者が今から備えるべき具体的なアクションを整理します。

SEO担当者が今から備えるべきこと

分割ビューの登場によって、検索ユーザーは「AI Modeを左に残したまま、右側で複数のサイトを並列に漂う」ようになります。これは、ファーストビューの設計、コンテンツの構造、そしてブランドの想起率といったSEOの基本要素に対して、これまでとは異なる重み付けを要求する変化です。ここでは、SEO担当者・コンテンツ責任者が翌日から着手できる備えを、コンテンツ設計・指標の見方・ブランド露出戦略の3つの観点から整理します。

1. コンテンツ設計:狭い右ペインで「3秒で価値が伝わる」構造へ

分割ビューでは、遷移先ページは画面の右半分に表示されます。横幅が狭く、ユーザーは左のAI Modeとの間を視線が往復するため、従来のような「スクロールしてじっくり読む」前提は崩れます。ファーストビュー内で結論・要点・固有の数値を提示し、見出しと太字だけで全体像が把握できる構造に作り直す必要があります。長文を否定する話ではなく、上から順に「答え→根拠→詳細」と圧縮していくピラミッド型の編集が有効です。

同時に、AI Modeに引用されやすい構造も意識すべきです。定義文・箇条書き・表・FAQなど、AIが回答生成時に抜き出しやすいブロックを意図的に配置することで、AI Modeの回答内に自社サイトが要約・引用される機会が増え、結果として右ペインへの遷移確率も高まります。

2. 指標の見方:クリックの「先」と「並列性」を測る

分割ビューではトラッキング自体は従来通り機能しますが、セッションの解釈は変える必要があります。ユーザーは右ペインを開いたまま左のAI Modeで追加質問をしたり、別のリンクを並列で開いたりするため、「直帰」「滞在時間」「離脱率」が従来と同じ意味を持たなくなるからです。短い滞在=低品質ではなく、AI Modeの回答を補強するために参照された「引用ソース型の訪問」かもしれません。

そのため、流入を単一ページ単位で評価するのではなく、検索クエリ単位・トピック単位で「自社が比較候補に入っているか」「再訪・指名検索につながっているか」を見るのが現実的です。Search ConsoleのクエリレポートやブランドクエリのCTR推移、リファラの変化を定点観測する運用に切り替えていきましょう。

3. ブランド露出戦略:指名で呼ばれる存在になる

分割ビュー時代に最終的に効いてくるのは、AI Modeの回答内で「ブランド名として言及される」かどうかです。ChatGPTなどへの対抗策としてGoogleがAI Modeを強化する以上、ユーザーはAIの要約をまず読み、興味を持った固有名詞だけをクリックする行動が常態化します。一般名詞での上位表示よりも、領域内で想起されるブランドであることの価値が上がります。

具体的には、独自データ・一次情報・専門家の署名・他媒体からの被言及といった「AIが引用したくなる根拠」を増やす施策が効きます。SNSやニュース、業界メディアでの露出も、AI Modeの学習・参照ソースとして間接的に効いてくるため、SEOチームの守備範囲を広げて連携することが重要です。

分割ビュー時代のSEOチェックリスト

  • ファーストビュー内に結論・固有の数値・独自視点を配置しているか
  • 狭い右ペインでも崩れないレイアウト(レスポンシブ・適切な行長)になっているか
  • 定義文・箇条書き・表・FAQなど、AIに引用されやすいブロックを配置しているか
  • 見出しと太字だけで論旨が追える「スキャン可能」な構造になっているか
  • 一次情報・独自データ・著者の専門性(E-E-A-T)が明示されているか
  • 直帰率や滞在時間ではなく、クエリ単位・トピック単位で評価する指標設計になっているか
  • 指名検索・ブランドクエリの推移を定点観測しているか
  • SNS・PR・業界メディアでの言及を増やし、AI Modeに引用される素地を作っているか
  • 競合と並べて開かれた際に、独自性が一目で伝わる差別化ポイントがあるか

これらは「分割ビューになったから新たに必要になった」というより、AI Mode時代のユーザー行動を前提にすると優先度が一段上がる項目群です。一気に全てを満たす必要はありませんが、主要ランディングページから順にチェックを進めていくことで、DriftBoost的な並列閲覧の中でも選ばれ・引用されるサイトへと近づけます。

よくある質問(FAQ)

Q. AIモードはどこから使えますか?無料で利用できますか?
A. AIモードはGoogle検索の機能の一つとして提供されており、対応地域・言語のユーザーであれば検索画面のタブから無料で利用できます。デスクトップ版では分割ビューに対応しており、モバイルとは挙動が一部異なります。利用可能な機能は段階的に拡大しているため、アカウントや地域によって表示が変わる場合があります。
Q. AIモードと従来のAI Overview(AIによる概要)は何が違うのですか?
A. AI Overviewは通常のSERP上部にAI生成の要約が差し込まれる機能であるのに対し、AIモードは検索体験そのものをAIチャット型に置き換える独立したモードです。AIモードでは対話的に質問を深掘りでき、デスクトップでは分割ビューで外部ページを閲覧しながらAIとのやり取りを継続できます。役割としてはAI Overviewが「補助」、AIモードが「主役」と整理すると理解しやすいです。
Q. 分割ビューから流入した場合、Google Analyticsではどのように計測されますか?
A. 分割ビューであっても通常のリンククリックと同様にリファラやUTMパラメータは引き継がれるため、原則としてGoogle検索からの自然流入として計測されます。ただし、ユーザーが分割ビュー内で短時間に複数ページを行き来する傾向が強まるため、直帰率やセッション時間といった指標の解釈には従来以上の注意が必要です。流入経路だけでなく、AIモード経由特有の行動パターンを別軸で見る運用が有効です。
Q. AIモードの普及でSEOはオワコンになるのでしょうか?
A. 結論から言えば「終わる」というより「評価軸が変わる」と捉えるのが適切です。分割ビュー時代はクリックされて終わりではなく、AIと並走する画面で何度も参照される情報源になれるかが重要になります。E-E-A-Tに沿った一次情報の充実や、引用されやすい構造化された記述が引き続き競争優位を生みます。
Q. DriftBoostとNavboostは何が違うのですか?
A. Navboostはクリックや滞在時間など、特定ページに対するユーザー行動を集約してランキングに反映させる仕組みとして知られています。一方、本記事で扱うDriftBoost的な発想は、分割ビューで複数ページを「漂うように」横断する行動データを評価する方向への変質を指します。単一ページのKPIだけでなく、検索ジャーニー全体の中での貢献度が問われるようになる点が大きな違いです。
Q. 分割ビュー時代に、サイト側で今すぐできる施策はありますか?
A. まずはファーストビューで結論や要点が伝わる構成にし、AIと並べて見られても情報密度で見劣りしないページにすることが重要です。加えて、見出しや箇条書きなどスキャンしやすい構造、ブランド名や著者情報の明示、内部リンクによる関連トピックへの誘導を整えるとAIモード内での再訪・再参照を狙いやすくなります。指標面ではAIモード経由のセッションを別途モニタリングする準備も進めておくとよいでしょう。

SEOに必要な全ての機能を備えた
総合的なSEOプラットフォーム

キーワード順位取得精度100%
競合SEO/PPC調査
詳細なウェブサイト検査

この記事を書いた人

SEOは考え方はシンプルですが、いざ実践するとなかなか思うようにいきません。
当ブログでは、読者の方に成功も失敗も合わせて情報を共有し、同じような悩みを解決できればという思いで運営しています。
【著書】
分析が導く 最新SEOプラクティカルガイド」(2022年5月27日発売 技術評論社)
最強の効果を生みだす 新しいSEOの教科書」(2017年9月20日発売 技術評論社)

>>著者情報の詳細

Search Times
閉じる