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ECサイトのSEOで考慮すべき重要な項目

本記事ではECサイト(ショッピングサイト)のSEO手順の中でも特に考慮すべきSEOについて、Googleのドキュメントや動画から抜粋した項目の他、当社独自の知見も含めて解説します。

SEOの手順のうち、キーワード選定やコンテンツ作成についての詳細については、特徴的な部分のみを扱い、それ以外の共通する手順については別記事にまとめていますのでそちらもご覧ください。

Search Times

ECサイトのキーワード選定

基本的なキーワード選定方法については、本記事では割愛します。
この方法はECサイトでももちろん通用する考え方ですので、SEOビギナーの方は「SEO・検索広告キーワードの選定方法とキーワードサジェストツール活用」の記事を確認しましょう。

ここではECサイト運用者がキーワードに関して注意すべき点のみ言及します。

商品名やブランド名までキーワードを意識しない

検索クエリまたは検索キーワードばかりに意識が向いてしまうと、ウェブサイト名や店舗名、自身の商品名まで比較的需要の高い検索キーワードを含めたくなるかもしれません。

例えば、デスクトップの通販サイトのサイト名が「PC通販ドットコム」であったとします。この場合には次のような注意点があります。

収益性の高いブランドクエリの集客を失ってしまう

一見すると、このようなキーワードを含む商品名サイト名が「PC通販」の検索クエリで上位表示されれば、自然と集客できると考えがちですが、実際は既に同じキーワードをターゲットにSEOを行うライバルサイトもあるわけですので、競争が熾烈であれば検索結果にも表示されないばかりか、ライバルが多すぎてその商品名やサイト名(ブランドキーワード)で検索されてウェブサイトの集客に結びつける事すら困難な状況になります。

Googleのアルゴリズムは、ウェブサイト名に検索クエリを含むページを優遇するわけではありません。検索ユーザーの意図に関連したコンテンツを関連度が強い順に表示します。

独自のブランド名や商品名、サイト名であれば、クチコミなどからその名前を知ったユーザーからの指名検索や、購入後にファンになってくれた利用者からの指名検索による集客も増えていきます。実際にブランドワードは購買意欲が最も高く、収益に結び付きやすい性質を持つクエリでもあります。

熾烈なキーワードを含むサイト名で運用していった場合、このような収益性の高いクエリからの集客機会を失ってしまいます。

ライバルサイトへのブランドスイッチの機会を与えてしまう

汎用的な検索クエリを商品名やサイト名に使用してしまうと、せっかくファンになってくれた顧客があなたのウェブサイトに訪れようとして「サイト名」で検索した場合、検索結果には他のライバルサイトも表示されてしまうかもしれません。そうなると、毎回ライバルサイトで取り扱う商品との比較の機会を提供してしまうことにもなり、乗り換えられてしまう可能性も増えてしまうでしょう。

コンテンツ作成の注意点

Googleは検索ユーザーの意図にマッチしたページを検索結果に関連度順に表示します。

ECサイトの場合には、クエリの種類を把握した上で、適切な施策を選択した方が良いでしょう。何でもかんでも インフォメーショナルクエリ 狙いで記事コンテンツを作成するのは非効率です。

トランザクショナルクエリをターゲットにしたコンテンツ作成

SEOの対象とするクエリが トランザクショナルクエリ であるのに、インフォメーショナルクエリ向けの長文記事コンテンツで最適化させようとしてもうまくいきません。

なぜならGoogleはページの内容を把握する際に、トランザクショナルクエリ向けのコンテンツなのか、それともインフォメーショナルクエリ向けのコンテンツなのかを見分けるからです。検索ユーザーにとっても、物を購入したいのに、ハウツー記事ばかりが上位表示されていればGoogleに不満をもつでしょう。

ECサイトであればトランザクショナルクエリで上位表示を狙いたいはずです。収益性が高く、もちろん競合サイトも同様の事を考えるはずですので競争は熾烈になります。

収益とのバランスも重要ですが、SEOよりは確実なリスティング広告から始める事がおすすめです。

トランザクショナルクエリでSEOを行うには検索ユーザーが必要な情報を突き詰め、現在の体制で対応できそうであればチャレンジしてみましょう。

例えば次の点を考慮する必要があります。

  • 安心して購入できる(返品ポリシー、特商法、FAQ、他の利用者のクチコミ)
  • 比較するのに充分な商品数
  • 選びやすく比較しやすいカテゴリ分類
  • ライバルサイトには無い有益な情報
  • ライバルサイトよりも多くの価値を提供

カテゴリページで考慮すべきポイント

比較のしやすさがポイントとなります。以下の点を考慮しましょう。

  • ユーザー視点で理解しやすいカテゴリ名
  • ユーザーが比較したい情報が提供されている
  • ユーザーに有益な絞込条件

同時にSEOを過剰に意識して、キーワードを詰め込んだり、ユーザーにとって価値のないテキストを追加したりは避けましょう。ユーザーにとっての使いやすさ、比較のしやすさなどが犠牲になってしまいます。

商品カテゴリは検索キーワードとその需要に沿って、検索されやすいカテゴリ名を作成するという方法は一般的ですが、競争が熾烈な分野の場合、例えば「携帯電話」から「スマートフォン」という言葉が一般に定着したように、カテゴリ名すらも独自の名称にしてしまうという方法もあります。新たな市場を作れそうな商品であれば、軸をずらしてカテゴリ名を独自の名称に設定することも検討しましょう。

商品ページで考慮すべきポイント

オリジナル商品ではない場合には、次のような点が重要となります。

  • ライバルよりも詳しい情報を提供
  • オリジナルの情報を提供
    • 購入者のクチコミ
    • 販売者としての商品のレビュー・解説

商品ページもカテゴリページ同様に、SEOを過剰に意識した無価値なテキストを追加しないようにしましょう。

有益な検索クエリを見つける

検索ユーザーが探している情報を調べるには、Search Consoleを使うと便利です。
検索ユーザーが使用しているクエリの中で、提供できそうな情報が無いか調べましょう。

例えば「○○ 評判」、「○○ 価格」、「○○ 使い方」といったクエリが一定数あれば、ユーザーが満足するコンテンツとなるように情報を追加する事も検討しましょう。

Search Console以外にも、SE Rankingのキーワード調査や競合調査ツールを使用して、ライバルサイトの対抗製品のページでオーガニック検索や有料検索の集客に貢献しているキーワードを調べる事もできます。ここで調査して発見した新たなクエリもキーワードリストのターゲットに含めていくと良いでしょう。

SE Rankingのキーワードサジェストツールでは、Googleのサジェストキーワードを調べる事ができます。以下の項目にキーワードを入力して「今すぐ開始」ボタンをクリックすると分析データのサンプルをご覧いただけます。または、競合調査ツールで競合サイトのURLを指定すれば、競合サイトのオーガニック・有料検索キーワードも調べることができます。

その他、一般的なコンテンツ作成手順や知識については以下の記事をお読みください。

Googleがクロール・インデックスできるようにする

大前提として、検索エンジンの クローラー が必要なページの全てを クロール して、 インデックス 出来る状態である必要があります。Search ConsoleのURL検査でチェックしましょう。

URL検査ツール

インデックス未登録な状態を把握する

Google Search Consoleの「カバレッジ」の「除外」ステータスでは次の2種類のインデックス未登録項目があります。それぞれの違いはこの表をご覧ください。

検出 – インデックス未登録クロール済み – インデックス未登録
該当箇所検出 - インデックス未登録検出 – インデックス未登録クロール済み - インデックス未登録クロール済み – インデックス未登録
URLのリスト作成完了完了
クロール 完了していない完了
インデックス 完了していない完了していない

それぞれ原因対策が異なりますので、以下のリンクからGoogleのメッセージに適した対応を行ってください。

GoogleのSearch Consoleのカバレッジは、「エラー」や「有効(警告あり)」以外も頻繁ではなくとも定期的に目を通しておきましょう。「除外」ステータスの項目の中にもクロールやインデックス処理に関する問題点が潜んでいる場合があります。

URL構造の注意点

フラグメント識別子

フラグメント識別子(#red や #blue のような#を使用した識別子)によって表示されるコンテンツが異なる場合は、Googleが正しく認識できません。技術的にGoogleはインデックス登録の際にフラグメント識別子を使用しません。

重複するURL

異なるURLパターン(例えば/product/red-t-shirt と /product?sku=143)で同じ商品ページが表示される場合にも注意が必要です。全ての商品でこのようなパターンで2種類のURLが生成された場合には、Googleがクロールに割り当てるリソースも2倍となります。

そして、しばらくすると重複するコンテンツとして認識されるようになるでしょう。このような場合は canonical 属性で正規URLを指定すると良いでしょう。

Googleの「URL のクエリ パラメータに関するベスト プラクティス」もご確認ください。

個人的な経験では、canonical属性で正規URLが指定されてはいるものの、アクセスする度に変化するセッションIDが自動で付与されるウェブサイトのSEO支援を行ったことがあります。
この場合、Googleから見れば毎回新しいURLを発見する事になり、クロール処理効率が低下します。当時はクロール後にcanonicalを検知して、URLが正規化されるまでにかなりの時間差があった為、新商品がなかなかインデックスされない事態となりました。
この時はカート内の処理を除いて、検索対象に含めたい全てのページに対してセッションIDの付与を停止した事でこの問題は解決しました。

各商品ページタイトルにはブランド名や色、商品種別を含める

忘れがちですが、商品のバリエーションがいくつかある場合には、各ページタイトルにブランド名や色、小品種別を含めておくことで、検索エンジンや検索ユーザーにとっての利便性が増します。

カテゴリページについても同様ですが、検索される機会がほとんどないカテゴリや該当商品が全くないカテゴリについてはGoogleのクロールやインデックスの対象とならないように、 noindexrobots.txt 、リンク設定を調整しましょう。

商品の在庫状況

こちらはGoogleのJohn Mueller氏のコメントによると、在庫状況が検索順位に影響を与えることはないようです。とはいえ、欠品の状況は出来れば避けた方が良さそうです。

過去の経験上では、大規模な欠品が発生した際に、重要なクエリで検索順位が落ちたケースもありました。もちろん原因を突き止める事はできませんが、このような事は大いにありうると感じます。

John Mueller氏のコメントは、在庫状況が直接的に検索順位影響を与えることは無いという意味であった可能性もあります。一方でユーザー体験の観点では異なるシグナルが使用されていると考えられます。当然ですが、品切れによって検索ユーザーは別の店舗へ流れてしまいます。ユーザー行動がランキングに影響する事も考えられます。重要なクエリほど、欠品の状態は避けた方が良いでしょう。

構造化データの追加

構造化データ を追加することで、Googleは商品に関する情報をより正確に理解できるようになり、 リッチリザルト に表示される機会が増えます。

詳しくはGoogleの「e コマース関連の構造化データを組み込む」をご覧ください。

構造化データのテストやリッチリザルト表示の確認方法については、「リッチリザルトとは?構造化データのマークアップ方法」をご覧ください。

複数のバリエーションを持つ商品をマークアップする際の注意点

色やサイズなど複数のバリエーションを持つ商品の場合には、次の点で注意が必要です。

  • 一つのページで複数バリエーションの商品を扱う場合には、構造化データは使用できません。
    一つの商品種別につき一ページが原則です。
  • 商品カテゴリや商品一覧ページではなく、固有の商品ページで構造化データを使用します。
  • 各バリエーションページは次の例のようにURLで区別できるようにします。
    • ディレクトリ区切り
      /t-shirt/green
    • クエリパラメータ
      /t-shirt?color=green
  • 検索結果に表示するために最も適切と思われる商品バリエーションのURLをcanonical属性で正規URLに指定する。
  • クエリパラメータで商品バリエーションを区別する場合は、パラメータを省略したURLを正規URLに指定します。
    例えば、色のクエリパラメータの標準値がブルーの場合、
    • Tシャツの全ての商品種別の正規URLを /t-shirt にします。
    • ブルーのTシャツの場合は、/t-shirt を使用し、 /t-shirt?color=blue とはしない。
    • グリーンのTシャツは /t-shirt?color=green を使用する。

英文ですが、詳しくは「How Google understands URLs for product variants」をご覧ください。

Google Merchant Center にフィードをアップロード

フィードを使用して商品データを送信する事で、ショッピング タブ、YouTube、Google 検索(.com)、Google 画像検索、Google レンズに掲載される機会が増えます。

詳しい手順については、「データ フィードを送信する」をご覧ください。

この他、カスタマーサポートの情報も詳しく追加しておきましょう。

Googleビジネスプロフィールに登録

ECサイトとともに、実店舗もお持ちの場合には、Googleビジネスプロフィールにも登録しましょう。店舗周辺の地域に関連するクエリで ローカルパック やマップ検索で表示される機会が増えます。

この場合はECサイトのSEOに加えて、対象地域に関連する検索機会を増やすためにローカルSEOも必要です。
詳しい手順については、「ローカルSEOとは?対策と効果」をご覧ください。

「商品」セクションに取り扱い商品を登録

このほか、Googleビジネスプロフィールの「商品」セクションに取り扱い商品の詳細情報を追加しておくこともお勧めします。以下のようにショッピング検索結果に表示される可能性もあります。

gbp登録商品のショッピング検索結果掲載

その分野の専門家に商品レビューをお願いする

プロモーション対象の商品のレビューをその分野の著名人や専門家に依頼する事で、商品やブランド関連のクエリはもちろん、そのカテゴリに関するクエリで上位掲載され、商品に興味を持つ人々を集める事ができます。

レビューは自身のウェブサイトと外部のウェブサイトのどちらの場合でも、Googleの「商品レビューを書く方法」を参考にしましょう。レビューに影響する「商品レビューに関するアルゴリズム」のアップデートが英語圏で既に実施されており、将来的には日本語にも適用される予定です。

詳しくは、「米国でプロダクトレビュー アップデートを実施 」をご覧ください。

ファセットナビゲーションの注意点

ファセットナビゲーションとは、検索結果やカテゴリのリストを更に色やブランド、価格帯など様々な条件で絞り込めるようにユーザー向けにあらかじめ用意したフィルタオプションです。

カテゴリ以外にもこのような細かいサブカテゴリやソート方法、色、ブランドのような絞込オプションが組み合わさると、重複するコンテンツが大量に生成されてしまい、クロールやインデックスが正常に行われなくなり、評価が分散することでランキングに悪影響を及ぼします。

過去に人気順やおすすめ順、価格順でソートされたページとカテゴリが組み合わされてしまい、これに ページネーション の要素も加わっていた為に、本来インデックスしたいページとは異なるバージョンのページがインデックスされてしまったり、インデックスされるURLが検索順位とともに不安定になったりした経験があります。

不要な絞り込み結果をクロールやインデックスから除外する

次のような方法で余分なページをクロール、インデックスしないように対応しましょう。

  • 不要なURLへのリンクには class=”external-link” を追加してクロールを制限し、不要なURLのページにはcanonical属性を使用してカテゴリや絞込の上位のURLを正規URLに指定しましょう。
  • カテゴリや絞込結果に該当商品が無い場合は、そのページへのリンクをクリックできないようにします。
  • サイトマップには正規URLのみを含めるようにしましょう。
  • フィルタや並べ替えのあるURLはインデックスされないように「noindex robots メタタグ」を使用するか、まだインデックスされていない状況であればrobots.txtでブロックしましょう。

他にも様々な対応方法がGoogleの「ファセット ナビゲーションのベスト プラクティスと 5 つのワースト プラクティス」のページに記載されています。

ページネーションの注意点

ページネーションについては以前は専用のタグが用意されていましたが、現在ではGoogleではサポートされなくなりました。
※他の検索エンジンではサポートしています。

ページネーションの詳細については「ページネーションとは?」をご覧ください。

Googleのページネーションの対応については「ページ分け、段階的ページ読み込み、それらの Google 検索に対する影響」をご覧ください。

URLの維持

時間とともにバージョンアップする商品や、定期的に繰り返すキャンペーンページの場合は、毎回新しいURLでページを作成せずに、既存のURL上でコンテンツを変更しましょう。
新規URLを作成してしまうと、Googleは毎回ページの内容を理解しなくてはなりませんが、既存URLで更新すれば、すでに蓄積されている評価をそのまま継続して利用できます。

過去の情報を残しておきたい場合には、要点をまとめた履歴ページを別に作成して、既存のページからリンクすると良いでしょう。

ページの表示速度

ページ表示速度や コアウェブバイタル はGoogleが使用する順位指標です。ページ表示速度の場合は、同程度の評価のライバルコンテンツがあった場合には、表示速度が早い方が検索順位を優遇してくれることもありました。
コアウェブバイタルについては「コアウェブバイタル改善でページの放棄率を抑える」をご覧ください。

ページ表示速度はウェブサイト内の回遊や コンバージョン 獲得など、ユーザー行動に大きな影響を与える指標でもあるため、表示速度が早い方がSEO以外にも多くの恩恵を得られるでしょう。

SEOのランキングシグナルの中には判断するまでに数か月を要するものもあるので、結果が出るまでは忍耐が重要です。


以上の方法で成果がなかなか上がらない場合は、自身のビジネス分野で成果を挙げた経験のあるSEOエキスパートに見てもらう (Googleのガイドラインに違反するような施策を提案する業者もある為、注意が必要です)ことも選択肢に含めても良いでしょう。

SEOを実施する際に、Googleのことばかりで神経を使う必要はありません。最も重要なことは利用者の利便性を高め、ライバルサイトよりも安心して購入できるような状況を整えていくことになるでしょう。

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この記事を書いた人

SEOは考え方はシンプルですが、いざ実践するとなかなか思うようにいきません。
当ブログでは、読者の方に成功も失敗も合わせて情報を共有し、同じような悩みを解決できればという思いで運営しています。
【著書】
分析が導く 最新SEOプラクティカルガイド」(2022年5月27日発売 技術評論社)
最強の効果を生みだす 新しいSEOの教科書」(2017年9月20日発売 技術評論社)

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