Googleは2026年10月1日から5日にかけて、Google検索セントラルの2つのドキュメントを相次いで更新しました。ひとつは「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」、もうひとつは「ウェブサイトで生成AIコンテンツを使用する場合のガイダンス」です。
前者には「メインコンテンツ」の定義と、品質評価の4つの軸(労力・独自性・技能・正確性)が新たに加わりました。後者には、AIで作った内容は公開前に人の手でファクトチェックとレビューを行うことが「不可欠(critical)」だと明記されました。
どちらも新しいランキング要因の発表ではありませんが、Googleが「良いページ」をどう捉えているかを、これまでより具体的な言葉で示した更新です。本記事では、変更点と、サイト運営者が見直すべきポイントを整理します。
更新の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 更新されたドキュメント | ①有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成 ②ウェブサイトで生成AIコンテンツを使用する場合のガイダンス |
| 更新日(ページ記載) | ①2026年10月5日 ②2026年10月1日(いずれもUTC) |
| ①の主な追加 | メインコンテンツの定義と、その品質を見る4つの評価軸 |
| ②の主な追加 | AI生成コンテンツは公開前の人手によるファクトチェックとレビューが「不可欠」 |
| ランキングへの直接の変更 | 発表なし(考え方を明確にしたドキュメント更新) |
「メインコンテンツ」とは何か
Googleは新しいセクションで、メインコンテンツを「ページがその目的を果たすことに直接役立つ部分」と定義しました。具体的には次の5つが挙げられています。
- 本文とメディア:ページ上のメインのテキスト、記事、画像、音声、動画
- インタラクティブ機能:計算ツール、オンラインツール、ゲーム、検索機能などの組み込み機能
- ユーザーの投稿:フォーラムの議論、カスタマーレビュー、コメント、ユーザーがアップロードしたメディア
- タブや展開部分:タブの切り替えや「もっと見る」の中にある情報
- ページタイトルと見出し:ページ全体に表示されるタイトルと見出し
ポイントは、文章だけがメインコンテンツではないという点です。たとえばSEOツールの紹介ページなら、無料のチェックツールそのものや、ユーザーのレビュー、タブの中の料金表もメインコンテンツに含まれます。逆に、ページの目的に役立たない装飾的な要素や、どのページにもある定型文は、量があっても評価の中心にはなりません。
ページの品質を判断するうえで最も重要な要素のひとつがメインコンテンツの品質であり、それはページが目的を果たすのにどれだけ役立っているかで決まる——というのが、新しいセクションの考え方です。Googleが品質をどう捉えてきたかの流れは、ヘルプフルコンテンツアップデートを実施もあわせてご覧ください。
品質を見る4つの評価軸(労力・独自性・技能・正確性)
あわせて追加されたのが、メインコンテンツの品質を見る4つの観点です。Googleの検索品質評価者(Search Quality Rater)がページを評価する際の基本的な属性として紹介されており、英語の頭文字からEOT/SAとも呼ばれます。
| 評価軸 | Googleの説明(要旨) | 見直しのヒント |
|---|---|---|
| 労力(Effort) | コンテンツや、それを支える仕組みづくりに、どれだけ人の手間がかかっているか | 独自の調査・検証・データ集計など、他社がすぐには真似できない作業が入っているか |
| 独自性(Originality) | 他では得られない独自の情報や視点をどれだけ提供しているか | 一次情報、自社の事例、実測データ、現場の判断基準を載せているか |
| 技能(Talent or Skill) | 満足できる体験を提供するのに必要な才能・技能・専門性が示されているか | 執筆者や監修者の専門性が伝わるか、説明や図表がわかりやすいか |
| 正確性(Accuracy) | 情報提供のページでは、内容が事実として正確であること | 数値・日付・仕様の出典を示し、古くなった情報を更新しているか |
なお、品質評価者の評価そのものが個別のページの順位を直接決めるわけではありません。Googleは評価者のフィードバックを、検索システムが意図どおりに機能しているかを確かめるために使っています。つまり4つの軸は「この基準を満たせば順位が上がる」というスコア表ではなく、Googleが目指している「良いページ」の姿を言葉にしたものと捉えるのが適切です。
独自性については、GoogleのDanny Sullivanが提唱する「コモディティコンテンツを公開しない」という指針も参考になります。
既存の考え方との関係でいえば、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が「誰が、どんな立場で書いたか」に重きを置くのに対し、今回の4つの軸は「そのページの中身に、どれだけの手間と独自の価値と正確さがあるか」を見る視点だといえます。両方をあわせて点検すると、改善点が見えやすくなります。
生成AIコンテンツ:公開前の人手ファクトチェックが「不可欠」に
もうひとつの更新は、生成AIの使い方に関するガイダンスです。今回、次の一文が明記されました。
AIで生成したコンテンツはすべて、公開前に正確性と信頼性を手作業でファクトチェックし、レビューすることが不可欠です(Google検索セントラルより、筆者訳)
理由としてGoogleは、生成AIのモデルは事実を取り出しているのではなく、学習データにもとづいて「もっともらしい単語の並び」を予測しているため、誤った内容(いわゆるハルシネーション)が含まれうることを挙げています。
同じページでは、ほかにも次の点が確認できます。
- 付加価値のない大量のページをAIで作ることは、スパムポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用(scaled content abuse)」に当たるおそれがある
- ファクトチェックの対象は本文だけでなく、タイトル、メタディスクリプション、構造化データ、画像の代替テキストなど、検索結果に表示されうる部分も含む
- ECサイトでは、AIで生成した商品画像にはIPTCの DigitalSourceType メタデータを付け、AIで生成した商品データはそれとわかるようにする
- 読者に向けて、コンテンツがどのように作られたかを説明することも検討する
生成AIの利用そのものが禁止されたわけではありません。問われているのは「AIを使ったかどうか」ではなく、「公開する内容に人が責任を持って確認しているか」です。
9月のスパムアップデートとの関係
今回の更新は、2026年9月24日に始まったスパムアップデート(最長2週間の展開)の期間中に行われました。展開中には、AIで大量に作られたページやテンプレートで量産されたページを持つサイトの順位下落が、海外のSEO関係者から多く報告されています。
ただし、Googleは今回のドキュメント更新とスパムアップデートの関係について説明していません。生成AIガイダンスの更新は、開発者向けイベントなどでの説明をドキュメントに反映したものとも報じられています。「時期が重なった」以上のことは断定できない点に注意してください。スパムアップデートの最新状況は、別記事「Google スパムアップデート 2026年9月:展開中の最新状況と対応策」で追いかけています。
サイト運営者が今見直したいこと
1. メインコンテンツの棚卸し
主要ページごとに「このページの目的は何か」「目的に直接役立っている部分はどこか」を書き出します。目的に役立たない長い前置きや、他ページと同じ定型文が本文の多くを占めていないかを確認しましょう。
2. 4つの評価軸での自己点検
上位表示を狙うページについて、労力・独自性・技能・正確性の観点で、他社のページにない要素を1つずつ挙げてみます。挙がらない場合は、自社の実測データ、事例、比較検証などの一次情報を加えることを検討します。
3. 生成AIを使う場合の確認手順を決める
AIで下書きを作る場合は、公開前に「数値・日付・固有名詞・仕様の出典確認」「タイトル・ディスクリプション・構造化データ・代替テキストの確認」を誰が行うかを決め、手順として残します。
4. 量産ページの見直し
地域名やキーワードを差し替えただけのページ、内容の薄い自動生成ページが大量にある場合は、統合・加筆・noindex・削除を検討します。
5. 情報の鮮度の管理
正確性は公開時点だけでなく、その後の更新でも問われます。料金・仕様・法令など変わりやすい情報には確認日を記載し、定期的に見直す仕組みを作りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 今回の更新で順位が大きく変わりますか?
A. ドキュメントの更新であり、新しいランキングシステムの導入は発表されていません。ただし、Googleが重視する品質の考え方がより明確になったため、中長期のコンテンツ改善の指針として活用する価値があります。
Q. 生成AIで記事を作るのはやめるべきですか?
A. Googleは生成AIの利用自体を禁止していません。重要なのは、公開前に人が事実関係を確認し、読者にとっての付加価値を加えることです。付加価値のない大量生成はスパムポリシー違反になりえます。
Q. 4つの評価軸(EOT/SA)とE-E-A-Tは何が違いますか?
A. E-E-A-Tが作り手の経験や専門性、サイトの信頼性に重きを置くのに対し、4つの評価軸はページの中身(メインコンテンツ)に注がれた労力、独自性、技能、正確性を見る観点です。どちらもGoogleの品質評価の考え方を表すもので、あわせて点検するのが効果的です。
まとめ
- Googleは2026年10月、コンテンツ品質と生成AIに関する2つのガイドを更新した
- メインコンテンツは「ページの目的に直接役立つ部分」で、本文だけでなくツール、レビュー、タブ内の情報、見出しも含まれる
- 品質を見る軸として、労力・独自性・技能・正確性の4つが示された
- AIで作った内容は、公開前に人手でファクトチェックとレビューを行うことが「不可欠」と明記された
- 順位を直接動かす発表ではないが、Googleの考える「良いページ」が具体的になったことで、自社ページを点検する物差しとして使える
アップデートごとの順位変動の見方は、Google順位変動の最新動向とコアアップデート別の対策ポイントでも解説しています。

