GoogleがAI検索の「リンクの見せ方」を再び変更
Googleは2026年10月15日(米国時間)、公式ブログ The Keyword で「More ways to connect with the web from Search」と題した記事を公開し、AIモードと「AIによる概要(AI Overviews)」におけるウェブサイトへのリンク表示を更新したと発表しました(出典:More ways to connect with the web from Search)。執筆者は Google 検索のプロダクト管理担当 VP、Hema Budaraju(ヘマ・ブダラジュ)氏です。
今回の更新は、回答文の中や末尾に表示されるウェブページへのリンクを「より多く・より上に・より視覚的に」見せる方向のものです。2026年10月19日時点で確認できた公式発表の内容と、報道で伝えられている周辺情報を分けて整理します。
公式ブログで発表された5つの変更点
Google の公式記事で述べられている変更は、次の5点です(出典:More ways to connect with the web from Search)。
| 項目 | 公式発表の内容 | 状態(公式記事の表現) |
|---|---|---|
| インラインリンク | 回答文中の語句に埋め込まれるリンクを「継続的かつ大幅に」増やし、回答のより上の位置に表示する頻度を高める更新を提供開始 | 提供中 |
| 公式サイト枠 | 公式サイトが1〜2件しかないタスクでは、回答の最上部に専用セクションを設け、そのリンクと「なぜ役立つか」の説明を表示 | テスト中 |
| ニュースカルーセル | 時事性の高いクエリで表示される記事カルーセルを、世界のより多くの地域・言語に展開開始。ユーザーの「優先ソース(Preferred Sources)」を強調表示 | 展開開始 |
| 関連記事リンク | 一部の回答末尾に表示される関連記事リンクに画像サムネイルを付け、よりクリックしやすいデザインに変更 | 実施(時期の明記なし) |
| クリエイター/パブリッシャー名 | AIモードの動画結果で、クリエイターやパブリッシャーの名前から Search プロフィールへ遷移できるようにする | テスト中 |
インラインリンクと「公式サイト枠」
インラインリンクとは、回答文の中の単語やフレーズ自体がリンクになっている形式です。Google は、このインラインリンクの存在感を「継続的かつ大幅に」高めてきたとし、回答の上部に表示する頻度を高める更新を提供開始したと説明しています(出典:More ways to connect with the web from Search)。
また、「特定のタスクを完了する」「必要な情報を正確に得る」ために参照すべき公式サイトがウェブ上に1〜2件しかない場合について、回答の最上部に専用のセクションを設け、そのリンクと「なぜ役立つか」の説明を表示する新しい表示をテストするとしています(出典:同上)。公式記事には具体的なタスク例や、どのクエリが対象になるかの基準は書かれていません。
ニュースカルーセルと優先ソース
時事性の高い質問に対して表示される記事カルーセルは、2026年5月にAIモードとAIによる概要へ導入されたもので、ユーザーが選んだ「優先ソース(Preferred Sources)」のサイトが「Preferred」ラベル付きで強調されます(出典:New ways to find your favorite sources and original content in AI Search)。今回、このカルーセルを「世界のより多くの地域と言語」に展開し始めたと発表されましたが、公式記事に具体的な国名や言語名は記載されていません(出典:More ways to connect with the web from Search)。日本語での表示状況は、2026年10月19日時点で公式には確認できていません。
あわせて Google は、優先ソース機能を利用する人の数が「年初から7倍以上に増えた」と述べています(出典:同上)。
関連記事のサムネイル化と Search プロフィール
回答末尾の関連記事リンクには画像サムネイルが付き、「よりクリックしやすいデザイン」になります(出典:同上)。公式記事ではこの項目を「Dive deeper with prominent links to related articles(関連記事への目立つリンクでより深く掘り下げる)」という見出しで説明しており、報道で使われている「Dive Deeper セクション」という呼び方はこれに由来します。
AIモードの動画結果では、クリエイターやパブリッシャーの名前をタップすると、2026年6月に発表された「Search プロフィール」へ遷移するテストを始めています(出典:A new profile to help publishers and creators highlight their work on Search)。Search プロフィールの作成には、YouTube・Instagram・X・TikTok のいずれかで1万人以上のフォロワーが必要で、2026年10月19日時点の提供国は米国・カナダ・インドです(出典:Create a new Search profile – Google Search Help)。
報道で伝えられている内容(公式には未確認)
Search Engine Roundtable は、Google 検索担当の Nick Fox(ニック・フォックス)氏が X で今回の更新を告知したこと、そしてクリエイター名のリンク先がパブリッシャーのサイトではなく Google の Search プロフィールページである点を指摘しています。さらに同メディアは、AI機能からのクリック数データの公開を Google に求めたところ、「どの情報がサイト運営者の戦略に役立つかをサイト運営者と引き続き検討し、今後さらなる指標を導入していく」趣旨の回答があったと報じています(出典:Google Updates Links In AI Mode & AI Overviews Again, Won’t Show Click Data)。
Search Engine Land も、Google が Search Console にこのデータを出すことをこれまで拒んできたと指摘したうえで、今回の変更で検索ユーザーが実際にクリックするようになるかについては懐疑的な見方を示しています(出典:Google updates AI Mode and AI Overview with more links, context, carousels and information on creators)。これらは報道・論評であり、Google が公式に述べたものではありません。なお、Nick Fox 氏の X 投稿は 2026年10月19日時点で直接取得できておらず、本記事では報道経由の情報として扱っています。
公式ドキュメントとの関係
今回の変更は表示面の更新であり、Search Central の「AI機能とウェブサイト」ドキュメント(最終更新 2025-12-10 UTC)に記載された基本方針に変更はありません。同ドキュメントは、AI機能に表示されるための追加の技術要件は「ない」こと、特別な schema.org 構造化データも「不要」であること、インデックス登録されスニペット付きで検索結果に表示できる状態であれば対象になることを明記しています(出典:AI features and your website)。
優先ソースについては、Search Central に専用ガイド(最終更新 2026-09-18 UTC)があります。対象はドメインまたはサブドメイン単位で、/blog のようなサブディレクトリは登録できません。また、AIモードやAIによる概要で「Preferred」ラベルが付くには、Search Console で自サイトが「検索の生成AI機能」に含まれている必要があります(出典:Guide to Preferred Sources in Google Search for Web Publishers)。
日本のサイト運営者が確認・実施すべきこと
1. Search Console の「生成AI パフォーマンス レポート」で表示回数を確認する
Search Console には、AIによる概要とAIモードでの表示回数(インプレッション)を確認できる「生成AI パフォーマンス レポート」があり、2026年8月31日時点で全世界のサイトに展開済みです。確認できるのはページ・国・日付・デバイス別の表示回数で、ヘルプページにクリック数や掲載順位の記載はありません。表示回数が十分でないサイトや、生成AI機能からの除外を設定しているサイトではレポート自体が表示されません(出典:Generative AI performance report (Search) – Search Console Help)。レポートの見方は「Search Consoleのプラットフォームプロパティ徹底解説と生成AIパフォーマンスレポートを強制表示する裏技」も参考になります。
今回の更新でリンクの位置や見た目が変わっても、このレポートではクリックの変化を追えません。AI検索経由の流入は、Google アナリティクスなどでランディングページ単位の訪問数を見ながら、表示回数の推移と突き合わせて判断する必要があります。
2. 優先ソースへの登録導線を用意する
ニュースサイトやメディア、頻繁に更新するブログであれば、読者に優先ソースとして登録してもらう導線を設けられます。Google は公式の JavaScript ボタン、または https://www.google.com/preferences/source?q=自社ドメイン 形式のリンクを提供しています(出典:Guide to Preferred Sources in Google Search for Web Publishers)。こうした導線の設置は任意で、優先ソースとして表示されるための必須条件ではない点も同ガイドに記載されています。
3. 画像と「誰が書いたか」を整える
関連記事リンクにサムネイルが付くようになったため、記事に適切な代表画像があるかどうかが見た目に影響します。公式ドキュメントも、テキストを補う高品質な画像や動画の活用を推奨しています(出典:AI features and your website)。構造化データは「表示されているテキストと一致していること」が条件で、AI機能向けの特別なマークアップは不要です(出典:同上)。パブリッシャー名の表示に関しては、Search プロフィールは日本では未提供のため、現時点では既存の組織情報(サイト名や Organization の構造化データ)を正確に保つことが現実的な対応です。
AIモードの日本語対応や過去のリンク改善の経緯は「日本語対応・新機能・リンク改善5施策まで急加速するGoogle AIモードの最新アップデートとSEOへの影響」で、Search プロフィールの概要は「Google検索の新機能「Search profiles」がパブリッシャーとクリエイターの発信をどう変えるのか」で整理しています。
まとめ
- Google は2026年10月15日、AIモードとAIによる概要のリンク表示に関する5つの更新(インラインリンク増加、公式サイト枠のテスト、ニュースカルーセル拡大、関連記事のサムネイル化、クリエイター名リンクのテスト)を公式に発表しました。
- 優先ソースの利用者は年初から7倍以上に増えたと Google は述べていますが、クリック数の変化については公式データがありません。
- Search Console の生成AI パフォーマンス レポートで確認できるのは表示回数のみです。クリックの変化はアクセス解析ツールと併せて見る必要があります。
- 日本語環境でのニュースカルーセルや公式サイト枠の表示状況は、2026年10月19日時点で公式に確認できていません。続報があれば追記します。

