Search profilesとは何か
「Search profiles(サーチプロフィール)」は、Googleが新たに発表した、パブリッシャーやクリエイターがGoogle検索上で自分自身の存在感を形作れるようにするための新機能です。従来、検索結果はあくまで「個別のページ単位」で評価・表示されるものでしたが、Search profilesの登場によって、発信者そのものを軸にした情報のまとまりが検索体験の中に組み込まれることになります[1]。
具体的には、パブリッシャー(ニュースメディアやブログ運営者)やクリエイター(YouTuber、ライター、専門家など)が自身のプロフィールをGoogle上に持ち、そこにアバターや自己紹介、最新の記事・動画・SNS投稿などを集約して表示できる仕組みです。ユーザーは検索結果やDiscoverを通じてこのプロフィールに到達し、気に入った発信者をフォローすることで、その後もDiscoverなどを介してコンテンツに触れやすくなります。
これまでGoogle検索におけるブランディングは、ナレッジパネルや著者情報(E-E-A-T)といった間接的な要素に頼る部分が大きく、発信者が自らコントロールできる領域は限定的でした。Search profilesはこの構図を変え、発信者自身が「検索上の顔」を能動的にデザインできる場を提供する点に大きな意味があります。著者情報を含むE-E-A-Tの重要性が増す中で、プロフィールという形で発信者の実在性・専門性を可視化する動きの延長線上にある機能とも捉えられます。
また、Search profilesは単なる「静的な自己紹介ページ」ではなく、フォロー機能を通じてユーザーとの継続的な接点を生み出すハブとして設計されています。検索から一度きりの流入を得るのではなく、ファンとの関係性を検索プラットフォーム上で育てていく——そうした新しい発信の形を、Googleが公式に後押しし始めたと言える機能です。
プロフィールに表示される情報
Search profilesの大きな特徴は、パブリッシャーやクリエイターがこれまで別々のプラットフォームに散らばって発信していた情報を、Google検索という一つの入口に集約できる点にあります。ユーザーが発信者の名前を検索したとき、あるいはナレッジパネルや関連する検索結果からプロフィールに到達したとき、その人物や媒体の「今」がまとめて把握できるように設計されています。[1]
Googleが公式ブログで示した内容によると、プロフィール上には基本的な自己紹介情報に加え、最新のコンテンツやSNSでの発信までもが一覧できる形で並びます。従来、著者情報はナレッジパネルの小さな枠に断片的に表示されるにとどまっていましたが、Search profilesではより主体的に、発信者自身が「見せたい姿」を組み立てられるようになる点が新しいところです。
プロフィールに集約される主な情報
- アバター画像:発信者の顔となるプロフィール写真やロゴ。検索結果上での第一印象を左右します。
- プロフィール情報:氏名・肩書き・所属媒体・専門領域といった、発信者の背景を示す基本情報。
- 最新記事:自身が執筆・公開した記事のうち、直近のものが一覧表示されます。
- 動画コンテンツ:YouTubeなどで公開している動画も、プロフィール内で紹介できます。
- SNS投稿:X(旧Twitter)やInstagramなど、外部プラットフォームでの発信もまとめて確認可能です。
注目すべきは、記事・動画・SNS投稿という異なるフォーマットのコンテンツが、同じプロフィール画面で並列に扱われる点です。これは、発信者を「特定サイトの著者」ではなく「マルチチャネルで活動する一人のクリエイター」として位置づけるGoogleの姿勢を反映しています。E-E-A-Tにおける著者情報の重要性が繰り返し強調されてきた文脈とも整合しており、発信者本人の実績や専門性を検索上で示す新しい器と捉えることができます。
ユーザー側から見ると、気になった書き手や媒体の全体像を一画面で俯瞰できるようになり、単発の記事だけでなく継続的な発信の質までを判断材料にできます。パブリッシャー・クリエイター側から見れば、単一記事のパフォーマンスに依存せず、自分の活動全体をブランドとして提示できる場が検索結果内に生まれるということになります。
ユーザーとの接点を広げるフォロー機能
Search profilesの中核となる価値のひとつが、検索結果上でユーザーとパブリッシャー・クリエイターを直接つなぐ「フォロー機能」です。従来、検索エンジン経由の訪問はワンショットの関係になりがちで、記事を読んだユーザーが発信者を継続的に追いかける導線は限られていました。Search profilesは、この一度きりの接点を、能動的なフォロー関係へと引き上げる仕組みを提供します[1]。
プロフィール上でフォローが完結する
ユーザーは、検索結果から表示されたSearch profilesの画面上でそのままフォロー操作を行えます。外部SNSへ遷移する必要はなく、Google検索という慣れ親しんだ環境の中でクリエイターとの関係性を築ける点が特徴です。これは検索を「情報を探す場」から「発信者と継続的につながる場」へと拡張する動きだと言えます。
フォローがDiscoverでの露出につながる
フォローの最大のメリットは、フォロワーのDiscoverフィードにそのクリエイターのコンテンツが表示されやすくなる点です。Discoverはユーザーの興味関心に基づいてコンテンツを配信するパーソナライズドフィードであり、能動的な検索を伴わないタッチポイントを生み出します。つまりフォローを獲得することで、検索クエリに依存せずに新着記事や動画を継続的に届けられる導線が確保できるわけです。

クリエイター側にとってのメリット
この仕組みは、SEO順位変動やアルゴリズム更新に左右されやすい流入構造を補完する意味でも重要です。Google検索の順位変動やコアアップデートによる一時的なトラフィック減少があっても、フォロワー基盤があればDiscover経由の安定した流入を維持しやすくなります。加えて、フォローという明示的なアクションは発信者への信頼シグナルでもあり、E-E-A-Tの観点でもブランド価値の蓄積につながると考えられます。検索を通じて「読まれる」だけでなく「選ばれ、追いかけられる」存在になれるかどうかが、これからの発信者に問われる視点になっていくでしょう。
プロフィールへのアクセス経路
Search profilesを活用するうえで押さえておきたいのが、ユーザーが実際にどの画面からプロフィールにたどり着くのかという「導線」の設計です。Googleの発表によれば、Search profilesは検索結果の中で独立して存在するのではなく、既存の複数のサーフェス(表示面)と接続する形で提供されます[1]。ここでは、代表的な3つのアクセス経路(ナレッジパネル経由、Discover経由、直接URL経由)を整理します。
ナレッジパネル経由でのアクセス
1つ目の経路は、検索結果に表示される「ナレッジパネル」からのアクセスです。人物名やパブリッシャー名で検索すると、画面の右側(モバイルでは上部)に、その対象を紹介するナレッジパネルが表示されるケースがあります。Search profilesが有効化された発信者の場合、このナレッジパネル上にプロフィールへの導線が組み込まれ、ユーザーはワンタップでプロフィール画面に遷移できるようになります。指名検索を行った潜在的なファンを、そのままフォロー行動に繋げられる強力な入口です。
Discoverフィード経由でのアクセス
2つ目の経路は、モバイル向けのパーソナライズドフィードであるDiscoverからのアクセスです。Discoverに表示された記事や動画カードから、その発信者のプロフィールに直接飛べる導線が用意されます。ユーザーは、興味を持ったコンテンツの著者・パブリッシャーをその場で確認し、他の投稿を一覧したり、フォローしたりできるようになります。Discoverはコンテンツとの偶発的な出会いを生む場ですが、Search profilesの登場によって「気に入った発信者を継続的にフォローする」というアクション導線が明確になったといえます。
2つの経路が意味すること
ナレッジパネルは「指名検索」つまり既に発信者を知っているユーザーからの流入経路であり、Discoverは「未知の発信者との出会い」を生む流入経路です。この2つが揃うことで、認知獲得から継続的な関係構築までを検索エコシステムの内側で完結させられる仕組みが整いつつあります。パブリッシャーやクリエイターにとっては、著者情報やE-E-A-Tを整えナレッジパネルに正しく認識されることが、Search profilesを最大限活かすための下準備になります。
提供開始の対象と今後の展望
Search profilesは、まず米国のユーザーおよび発信者を対象に段階的な提供が始まります。Googleは公式ブログの中で、対象を「米国内で一定規模のフォロワーを持つパブリッシャーやクリエイター」に絞ってスタートすることを明らかにしており、初期段階では既に一定のオーディエンス基盤を築いている発信者から順次利用可能になる形です[1]。
この「フォロワー数のしきい値」はGoogleの公式ヘルプページで公表されており、YouTube・Instagram・X では10万フォロワー以上、TikTok では30万フォロワー以上が必要とされています、Discoverのフォロー機能とも接続する仕組みであることを踏まえると、Google側で発信の継続性や一定の読者基盤を確認できることが前提になると考えられます。まずは信頼できる発信者から慎重に対象を広げるという、Googleが新機能導入時に取ってきた「限定ロールアウト」の流れを踏襲しています。
現時点で明らかになっている提供条件
- 提供エリア:米国からのスタート。他地域は現時点で未定
- 対象者:一定以上のフォロワーを持つパブリッシャー・クリエイター
- 提供形態:段階的な展開(一斉ではなく順次拡大)
- 接続先:Google検索・Discoverとの連動を前提
日本を含むグローバル展開への期待
日本を含む米国以外の地域について、Googleは現時点で具体的なロードマップを示していません。ただし、Discoverのフォロー機能自体は既に日本でも利用可能であり、検索結果に発信者のプロフィールを表示する土壌は整いつつあります。過去のGoogleの新機能展開を振り返ると、米国での運用実績と改善を経てから他言語・他地域に広がるケースが一般的で、Search profilesも同様の道筋をたどる可能性が高いと見られます。
日本のパブリッシャー・クリエイターにとっては、「すぐ使える機能」ではないものの、「近い将来必ず備えるべき機能」として認識しておくことが重要です。特に、検索上での存在感がドメインやページ単位から「発信者そのもの」へと重心を移しつつある流れは、Google全体の方向性とも合致しています。E-E-A-Tにおける著者情報の重要性を意識してきた読者にとっては、その延長線上にある自然な進化と捉えられるでしょう(YMYLとE-E-A-Tの概要と著者情報の重要性もあわせて参照ください)。
パブリッシャー・クリエイターが今から準備すべきこと
Search profilesは現時点では米国の一部発信者から順次提供される機能ですが、Googleがパブリッシャーやクリエイターの「発信者としての存在」を検索上で明示的に扱おうとしている流れは、今後日本を含むグローバルにも波及する可能性が高いと考えられます[1]。展開を待ってから慌てて整備するのではなく、今のうちから「発信者としての情報基盤」を整えておくことで、機能が開放されたタイミングでスムーズに恩恵を受けられます。
発信者情報とE-E-A-Tの整備
Search profilesはアバターや自己紹介、代表的なコンテンツを検索面に集約する仕組みです。つまり「誰が発信しているのか」がこれまで以上に検索体験の中で可視化されるということです。著者ページやプロフィールページの充実、経歴・専門領域の明記といったE-E-A-Tと著者情報の整備は、Search profilesの前提となる基盤づくりと重なります。まずは自社サイト側の著者情報を、第三者が見て信頼できる粒度に引き上げておくことが出発点になります。
SNS・動画・記事の発信チャネルを揃える
プロフィールには最新の記事・動画・SNS投稿が集約表示されます。逆に言えば、集約されるだけの「更新され続けているチャネル」が存在していなければ、プロフィールは空箱になってしまいます。自社メディアの記事、YouTubeなどの動画、X(旧Twitter)やInstagramといったSNSアカウントを同一の発信者ブランドの下で運用し、それぞれが継続的に更新されている状態を作ることが重要です。
今から取り組むチェックリスト
- 著者ページ・運営者情報ページを整備し、経歴・専門領域・実績を明記する
- プロフィール画像(アバター)を統一し、各SNS・自社サイトで同じビジュアルを使う
- X・Instagram・YouTubeなど主要SNSアカウントを発信者ブランドで統一し、定期的に更新する
- 自社サイトとSNSを相互にリンクし、同一人物・同一メディアであることを機械的にも判別可能にする
- 構造化データ(Person / Organization / Article)で著者情報や発信者情報をマークアップする
- Google検索でのナレッジパネル表示に備え、Wikipedia以外の一次情報(自社About、公式SNS)を整える
- Discoverを意識した高品質なサムネイル画像とタイトルの運用ルールを決める
- 記事・動画の更新頻度をコントロールし、休眠状態を作らない編集カレンダーを設計する
- フォロワー数や継続的発信の実績を、米国先行提供の対象条件も念頭に着実に積み上げる
Search profilesは「サイト単位のSEO」から「発信者単位のブランディング」へと、検索最適化の重心を少しずつ動かす可能性を秘めた機能です。従来の技術的SEOや構造化データによるリッチリザルト対策と並行して、「発信者としての一貫性」を高める運用を今のうちから始めておくことが、日本での展開が始まった際に先行者利益を得るための最も現実的な準備と言えるでしょう。
参考リンク
- [1] Google公式ブログ
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