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2026年のスパムアップデートはなぜ多い?Google担当者が「新規コンテンツの急増」とAIによる検出に言及(参加者レポート)

2026年は、Googleのスパムアップデートが前年より多く実施されています。2026年10月11日時点で、Google検索ステータスダッシュボードに記録されている2026年のスパムアップデートは3月・6月・8月・9月の4回です。2025年は8月の1回だけでした(出典:Google 検索ステータスダッシュボード「ランキングの履歴」)。

なぜこれほど多いのか。バルセロナで開かれたGoogleのイベント「Search Central Deep Dive Europe 2026」で、Googleの担当者がこの点に触れたと、参加者のレポートが伝えています。レポートによると、理由は「新しいコンテンツが非常に増えたこと」で、Googleのチームは「より多くのスパムを捕捉するためにAIを活用している」とのことです(出典:ROAST「Google Search Central Live Deep Dive Barcelona: Day 3 Recap」英語版、筆者訳)。

この記事では、イベントでの発言として報じられた内容と、Googleの公式ドキュメントに書かれている内容を分けて整理します。そのうえで、日本のサイト運営者が今確認しておきたいポイントをまとめます。


Search Times

何が報じられたのか

もとになっているのは、イベントに参加したROASTのJohn Campbell氏が2026年10月2日に公開した3日目のレポートです(出典:ROAST「Google Search Central Live Deep Dive Barcelona: Day 3 Recap」英語版)。Search Engine Roundtable(SER)も2026年10月5日、このレポートを引用してスパム関連の話をまとめています(出典:Search Engine Roundtable「Google Search Spam Updates Use AI To Find AI Spam & More」英語版)。

Googleは2026年7月、検索セントラルブログでバルセロナでのDeep Dive開催を告知していました(出典:Google検索セントラル ブログ「Search Central Deep Dive Europe 2026: Apparently we’re going to Barcelona」英語版)。

以下の内容はGoogleの公式発表ではなく、参加者のレポートを通じて伝えられたものです。ROASTのレポートは各担当者の話をレポート筆者が要約して書いており、話した言葉をそのまま書き起こしたものではありません。録画や公式の書き起こしは確認できていません。

報じられた主な発言

ROASTのレポートでは、次の内容が担当者ごとに紹介されています(以下、ROASTの記述より筆者訳)。

  • Duy Nguyen氏(Google、Search Quality Analyst):「コンテンツのかなりの割合がスパムであり、スパムアップデートはそれを対象としている」「新しいコンテンツが非常に増えたため、最近はスパムアップデートが増えている」「チームは現在、より多くのスパムを捕捉するためにAIを活用している」という趣旨の話をしたと伝えられています。同氏の話として「重要なのは品質であり、誰が書いたかではない」という記述もあります。
  • Eric Murillo氏(Google、Discover担当のTrust and Safety Analyst):Discoverの文脈で「AIスロップ(AI slop=AIで量産された低品質コンテンツ)が増えており、フィードに低品質なコンテンツが増えている」と話したと伝えられています。「ユーザーのフィードバックは非常に重要で、新しいスパムフィルターはそこから作られる」という記述もあります。
  • Gary Illyes氏(Google):「Googleは1日あたり400億件のスパムページを除外している」と話したと伝えられています。また、スケールされたコンテンツ(量産コンテンツ)がリンクスパム以上に大きな問題になりつつある、と警告したとまとめられています。

(出典:ROAST「Google Search Central Live Deep Dive Barcelona: Day 3 Recap」英語版)

「400億件」は新しい数字ではない

SERは、400億件という数字は新しいものではなく、Googleの「How Search Works」ページですでに公表されていると指摘しています(出典:Search Engine Roundtable「Google Search Spam Updates Use AI To Find AI Spam & More」英語版)。実際にこのページには、次のように書かれています。

当社のシステムは、毎日400億件のスパム的なページを検出しています。(Googleより、筆者訳)

(出典:Google「How Search Works: Detecting spam」英語版)

注意したいのは、公式ページの表現が「検出(find)」である点です。一方、ROASTのレポートでは「除外(filter out)」と書かれていました。そのため本記事では、この数字を「Googleが公表している1日あたりのスパム検出規模」として扱います。

「今後もスパムアップデートが増える」は誰の見解か

ROASTのレポートには「より多くのスパムアップデートと新しいスパムのしきい値を予想しておくべき」(筆者訳)という一文があります。ただしこれは、特定の担当者の発言としてではなく、レポート筆者がサイト運営者向けにまとめた部分に書かれています(出典:ROAST「Google Search Central Live Deep Dive Barcelona: Day 3 Recap」英語版)。SERも、この一文を「John(Campbell氏)が要約に加えた」ものとして紹介しています(出典:Search Engine Roundtable英語版)。

2026年10月11日時点で、Googleが今後のスパムアップデートの回数や「新しいしきい値」について公式に発表した事実は確認できませんでした。


2026年のスパムアップデート一覧(公式記録)

Google検索ステータスダッシュボードに記録されている、2026年のスパムアップデートは以下のとおりです。日付は米国太平洋時間です(出典:Google 検索ステータスダッシュボード「ランキングの履歴」)。

アップデート名開始完了所要期間(ダッシュボード表示)
March 2026 spam update2026年3月24日2026年3月25日19時間30分
June 2026 spam update2026年6月24日2026年6月26日2日1時間
August 2026 spam update2026年8月18日2026年8月21日2日16時間
September 2026 spam update2026年9月24日2026年10月8日13日16時間

(出典:各アップデート名のリンク先の、Google 検索ステータスダッシュボードのインシデントページ)

4回とも、ダッシュボードで「全世界・全言語に適用される(applies globally and to all languages)」と案内されています(出典:同上)。ランキングの履歴を見ると、2025年のスパムアップデートは8月の1回だけでした(出典:Google 検索ステータスダッシュボード「ランキングの履歴」)。2026年は回数がはっきり増えています。

8月・9月のアップデートの詳しい経緯と影響の確認方法は、過去記事で解説しています。

関連記事:Google スパムアップデート 2026年9月:10月8日に展開完了、影響の確認と対応策


論点の整理:公式ドキュメントと報じられた発言

論点公式ドキュメントで確認できることイベントでの発言として報じられた内容(ROAST)
スパム検出にAIを使っているかSpamBrainは「AI をベースにした Google のスパム防止システム」。機械学習と大規模言語モデルを使っている「AIを活用してより多くのスパムを捕捉している」
スパムの規模毎日400億件のスパム的なページを「検出」「1日400億件のスパムページを除外」
量産コンテンツの扱い「大量生成されたコンテンツの不正使用」としてスパムポリシーに明記量産コンテンツがリンクスパム以上の問題になりつつある
AI生成コンテンツそのもの生成AIの利用自体は禁止されていない。価値を加えずに大量のページを生成することはポリシー違反になりうる「重要なのは品質であり、誰が書いたかではない」
今後のアップデート公式発表なし(2026年10月11日時点)「さらに増える」はレポート筆者のまとめ

(出典:Google検索セントラル「Google 検索のスパム アップデートとお客様のサイト」日本語版、Google「How Search Works: Detecting spam」英語版、Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」日本語版、Google検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」日本語版、ROASTのレポート英語版)


「AIで書いた記事がペナルティを受ける」わけではない

今回の話題では「AIスロップ」という言葉が目立ちます。ただし、Googleの公式な立場は「AIで作ったコンテンツは評価を下げる」というものではありません。

Googleのスパムポリシーは「大量生成されたコンテンツの不正使用」を次のように定義しています。

大量生成されたコンテンツの不正使用とは、ユーザーをサポートすることではなく、検索ランキングの操作を主な目的として大量のページを生成することを指します。

違反例の一つとして「生成 AI ツールまたはその他の同様のツールを使用して、ユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すること」が挙げられています(出典:Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」日本語版)。英語版では、こうしたコンテンツは「どのように作られたかにかかわらず(no matter how it’s created)」問題になると書かれています(出典:Google Search Central「Spam policies for Google web search」英語版)。問題にされているのは制作手段ではなく、「価値を加えない大量生成」です。

生成AIの利用に関するガイダンスも同じ立場です。生成AIはトピックの調査や、オリジナルコンテンツに構成を加えるときに特に役立つとしています。そのうえで、公開前の人による確認について次のように書いています。

AI 生成コンテンツを公開する前に、手動でファクト チェックを行い、正確性と信頼性を確認することが重要です。

(出典:Google検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」日本語版、2026年10月6日(UTC)更新)

英語版(2026年10月1日(UTC)更新)では「It is critical to manually factcheck and review all AI-generated content for accuracy and trustworthiness before publishing.」と書かれています(出典:Google Search Central「Google Search’s guidance on using generative AI content on your website」英語版)。

このガイダンス更新の詳しい内容は、過去記事を参照してください。

関連記事:Googleがコンテンツ品質ガイドを更新:メインコンテンツの定義と4つの評価軸、生成AIは人手のファクトチェックが「重要」に


サイト運営者がやるべきこと

1. 量産ページの棚卸し

テンプレートに地名やキーワードだけを差し替えたページが、価値を加えずに作られた量産ページになっていないか確認しましょう。他サイトの情報を言い換え・翻訳しただけのページや、複数のページをつなぎ合わせただけのページも点検の対象です。こうした行為は、スパムポリシーで違反例として示されています(出典:Google検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」日本語版)。

Search Consoleで表示回数やクリックがほとんどないページ群を洗い出し、統合・加筆・削除・noindexを検討するのが現実的な進め方です。

2. AIを使う場合は人の確認を必ず入れる

生成AIで下書きを作る場合は、公開前に人が事実確認と内容の見直しを行う工程を決めておきましょう(出典:Google検索セントラル「ウェブサイトで生成 AI によるコンテンツを使用するための Google 検索のガイダンス」日本語版)。「何本作るか」ではなく「1本ごとに読者にとって新しい情報や経験が加わっているか」を基準にすると、量産コンテンツのリスクを抑えやすくなります。

3. Search Consoleの「手動による対策」を確認する

スパムアップデートは、自動システムの改善によるものです。一方、スパムポリシーへの違反は、必要に応じて人による審査を経て「手動による対策」になることもあります(出典:Google Search Central「Spam policies for Google web search」英語版)。手動による対策が行われているかどうかは、Search Consoleの「手動による対策」レポートで確認できます(出典:[Search Console ヘルプ「[手動による対策] レポート」](https://support.google.com/webmasters/answer/9044175?hl=ja))。

対策を受けていたら、影響を受けたすべてのページで問題を修正してから「審査をリクエスト」します。ヘルプでは「一部のページでのみ問題を解決しても、検索結果は変わりません」と案内されています(出典:[Search Console ヘルプ「[手動による対策] レポート」](https://support.google.com/webmasters/answer/9044175?hl=ja))。

4. 順位が下がったときは「数か月単位」で考える

Googleによると、ポリシーに沿って改善した場合でも、自動システムがそれを認識するまでに数か月かかることがあり、その後に順位が改善する可能性があります。ただし、リンクスパムのアップデートでは、スパム的なリンクから得ていた評価は失われ、サイトを改善しても戻らないとされています(出典:Google検索セントラル「Google 検索のスパム アップデートとお客様のサイト」日本語版)。

アップデートの直後に慌てて大量のページを削除するのは避けましょう。まず影響範囲を特定し、原因と考えられるページ群から順に手を入れるのが基本です。

5. 公式情報を定点観測する

スパムアップデートの開始と完了は、Google検索ステータスダッシュボードで確認できます(出典:Google 検索ステータスダッシュボード「ランキングの履歴」)。順位の変動を日次で記録しておくと、アップデートの期間と自社サイトの変化を照らし合わせやすくなります。


まとめ

  • 2026年10月11日時点で、2026年のスパムアップデートは3月・6月・8月・9月の4回が公式に記録されています。2025年は1回でした。
  • バルセロナのSearch Central Deep Diveで、Googleの担当者は「新規コンテンツの急増」と「AIを使ったスパム捕捉」に触れたと、参加者のレポートが伝えています。Googleの公式発表ではありません。
  • 「1日400億件」は以前から公表されている数字で、公式ページの表現は「検出」です。
  • 「今後さらにスパムアップデートが増える」という見通しは、Googleの公式発表ではなく、レポート筆者のまとめです。
  • AIの利用自体は問題とされていません。問われているのは、価値を加えない大量生成です。
  • 量産ページの点検、AIコンテンツの人によるファクトチェック、手動による対策の確認を、定期的な運用に組み込むことが大切です。

参考リンク

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この記事を書いた人

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【著書】
「分析が導く 最新SEOプラクティカルガイド」(2022年5月27日発売 技術評論社)
「最強の効果を生みだす 新しいSEOの教科書」(2017年9月20日発売 技術評論社)

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