GoogleがURLをテーマにした新シリーズの第1回を公開
Google Search Central の公式 YouTube チャンネルは2026年10月14日(米国時間)、Gary Illyes(ゲイリー・イリーズ)氏と Cherry Prommawin(チェリー・プロムマウィン)氏が出演する新シリーズ「The Non-Canonical Cabinet」の第1回(動画説明に「premiere」と記載)として、動画「What can you actually put in a URL 🐔?」(12分57秒)を公開しました(出典:What can you actually put in a URL 🐔? – YouTube)。番組の説明によると、このシリーズは「標準的な FAQ ページには載らないが、検索や生成 AI 機能で役に立つ、興味深い質問」をイベントや SNS で集めて取り上げる非公式のコーナーです(出典:同上 0:06〜0:38)。
本記事は、2026年10月19日時点で YouTube に公開されている英語字幕をもとに発言内容を整理し、Google の公式ドキュメント「Google 検索における URL 構造のベスト プラクティス」(最終更新日 2025-12-31 UTC)と照らし合わせたものです。以下の時刻は動画内の位置を示します。
ドメイン名の規則を決めているのはGoogleではない
第1回のテーマは「URL には何を入れられるのか」で、ドメイン名と URL パスを分けて説明しています。
ドメイン名については、「インターネットの警察はいないが、ICANN がいる」として、ドメイン名に使える文字の技術的な規則は ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)と IETF が定めていると説明されました。Google はこの標準の上で動いており、「まずインターネットで動くようにし、それから検索で動くようにする」という順序です(出典:What can you actually put in a URL 🐔? – YouTube 2:05〜3:46)。
具体的には RFC 1035 と RFC 1123 に従い、使えるのは英字(A〜Z)・数字・ハイフンです。これに加えて国際化ドメイン名(IDN)の仕組みがあり、中国語やアラビア語など英字以外の文字も使えます。IDN は裏側で「xn--」で始まる Punycode という文字列に変換されますが、ブラウザが元の文字に戻して表示するため、利用者はほとんどの場合、自分の言語の文字で見ることになります(出典:同上 3:46〜4:43)。
絵文字はドメインに使えない、紛らわしい文字も避ける
番組内で取り上げられた「鶏の絵文字をドメインに使えるか」という質問に対しては、「絵文字も Punycode には変換されるが、ドメインのインターネット標準が絵文字を許していないので不可能」という回答でした。あわせて、英語の「P」に見えるキリル文字の「р」のような紛らわしい文字は、人間もブラウザも混乱させるので「分別をもって使うように」と述べています(出典:同上 4:43〜5:56)。
一方で IDN そのものは否定されておらず、地域に根ざしたビジネスなら、利用者が読めて綴れるドメインはブランド認知に役立つとしています。「人がドメインを綴れなければ、あなたを見つけられない」というのが Illyes 氏の言い方です(出典:同上 5:00〜5:17)。
URLのキーワードは「極めて小さなシグナル」
「URL に『ロンドンで一番おいしい安いグリルチキン』と入れたら、すぐに1位になれるか」という質問への答えは「ノー。少しも」でした。Illyes 氏は、URL 内のキーワードは「極めて小さなシグナル(an incredibly small signal)」で、サイトができて2秒しか経っておらず内容が何もない、といった「ほかに手がかりが全くない」場合にしか意味を持たないと説明しています。そして、ページに内容が置かれた瞬間に「ドメインや URL 全般のキーワードは基本的に無関係になる」と言い切りました(出典:同上 6:04〜6:40)。
動画の締めくくりでも「キーワードを詰め込んだ長い URL で検索結果をハックしようとするのはやめよう。2026年だ」と述べています(出典:同上 12:06〜12:18)。
URLパスには各国語の文字も絵文字も「技術的には」入る
ドメインの後ろ、URL のパス部分については、インターネット標準(STD 66)の範囲で各国語の文字・数字・感嘆符や括弧などの記号が使えると説明されました。鶏の絵文字を含むパスであっても、Googlebot はクロールし、Google のシステムは処理します。「Google に鶏のテーマ検出器はなく、ただの文字として扱う」というのが Illyes 氏の表現です(出典:同上 7:06〜8:12)。
技術的な違いとして、ドメイン部分は古いシステムの制約から Punycode を使うのに対し、パス部分はパーセントエンコーディングを使う点が挙げられました。絵文字の UTF-8 の値は「%F0%9F…」のようなパーセント記号と16進数の並びに変換されます。「同じ鶏でも、技術的な変換はまったく別物」で、URL の前半はドメインネームサーバーのため、後半はウェブサーバーのためにある、という整理です(出典:同上 8:12〜9:03)。
問題は人に見せたときです。すべてのブラウザや SNS アプリが絵文字を元どおりに表示するわけではなく、パーセント記号だらけの文字列で表示される場合があります。URL は検索結果・アドレスバー・リンクのプレビューなど利用者の目に触れる場所に出るため、「ヤギがキーボードの上を歩いたように見えたらクリックされないかもしれない」。結論は「技術的にできるからといって、やるべきではない。人が読める言葉を使う」です(出典:同上 9:03〜10:07)。
公式ドキュメントも、リンクの href に非 ASCII 文字を書く場合は「ASCII 以外の文字はパーセント エンコードを行う必要があります」とし、https://example.com/gem%C3%BCse のようにエンコード済みの形を推奨しています(出典:Google 検索における URL 構造のベスト プラクティス)。
区切りはハイフン、アンダースコアは「1つの長い単語」
ハイフンとアンダースコアの違いについては、ドメイン名でアンダースコアが使えないのは「Google が決めたことではない」と前置きしたうえで、URL パスでは「Google はアンダースコアでつながった単語を1つの長い単語として扱う」と説明されました。分けなくても使える場合もあるとしつつ、ハイフンは「ウェブ全体で通用する単語の区切り」で、システムにも人にも読みやすいため推奨する、とのことです。「chicken-gear であって chicken_gear ではない」が例に挙げられました(出典:同上 10:42〜11:21)。
公式ドキュメントも同じ方針で、「URL 内の単語を区切るにはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使うようおすすめします」と明記し、推奨例として https://example.com/summer-clothing/filter?color-profile=dark-grey、非推奨例として summer_clothing の形を示しています。また「可能であれば、長い ID 番号ではなく意味のある単語を URL に使用します」とし、読者が使う言語の単語を使うことも勧めています(出典:同上)。
動画のまとめは次の3か条でした(出典:What can you actually put in a URL 🐔? – YouTube 11:33〜12:18)。
| ルール | 内容 |
|---|---|
| 1 | ドメイン名は ICANN と RFC 1035 が定める標準に従う。利用者に響くなら英語以外の文字も使ってよい |
| 2 | URL パスは STD 66 の範囲で UTF-8 の文字(絵文字・非英語の文字)を扱える。Google は処理できるが、場所によっては文字化けのように見える |
| 3 | できるからといってやるべきではない。説明的な単語とハイフンを使った、簡潔で読みやすい URL が利用者のためになる |
日本語サイト運営者が実務でどう読むか
1. URLのキーワードに期待しすぎない
「URL に狙ったキーワードを入れると有利」という考えは、今回の発言で改めて否定されました。効くのは内容が何もない一瞬だけで、内容を置けば無関係になります。URL は順位対策ではなく、利用者と運営者が「どこのページか」を読み取れるようにするための設計、と捉えるのが現実的です。
2. 日本語URLは「使える」が、見え方の確認を
日本語を含む URL は標準の範囲内で、Google も処理します。ただし動画で指摘されたとおり、SNS やメール、一部のアプリでは %E3%83%9A… のような長いエンコード文字列で表示されることがあります。共有されたときにどう見えるか、CMS や解析ツールが日本語パスを正しく扱えるか、内部リンクやサイトマップではエンコード済みの形で書いているかを確認してください。共有のしやすさを優先するならローマ字や英単語のスラッグも選択肢で、どちらにしてもサイト全体で形式をそろえることが大切です。
3. 日本語ドメイン(Punycode)は「xn--」が正常
「.jp」などで日本語ドメインを使っている場合、ツールやログに「xn--」で始まる文字列が出るのは Punycode に変換された正常な状態です。ブラウザは元の日本語に戻して表示します。ブランド名を正確に綴ってもらえるかどうかで判断する、という動画の考え方は日本語ドメインにもそのまま当てはまります。
4. 区切りはハイフン、大文字小文字は統一
新規に設計する URL では、英単語やローマ字の区切りをハイフンに統一します。すでにアンダースコア区切りで運用しているページを、この動画を理由に変更する必要はありません。URL を変えると 301 リダイレクトや内部リンクの更新といった作業が発生するため、新規ページやリニューアルの設計時に推奨に沿った形を採用するのが現実的です。大文字と小文字を含む URL が同じ内容を返す場合は、canonical やリダイレクトで正規化しておきましょう(「URLの正規化方法 canonical属性の使い方」参照)。
まとめ
第1回の結論は「ドメインの規則は標準(ICANN・RFC)が決め、URL パスには技術的にほぼ何でも入るが、URL 内のキーワードは極めて小さなシグナルで、読みやすさこそが価値」というものでした。日本語サイトでは、日本語 URL や日本語ドメインを使うこと自体は問題なく、共有時の見え方とサイト内での一貫性を確認したうえで、新規設計ではハイフン区切りの説明的な URL を選ぶのが公式の推奨に沿った対応です。次回は robots.txt を取り上げると予告されています(出典:What can you actually put in a URL 🐔? – YouTube 12:18〜)。本記事は2026年10月19日時点の動画と公式ドキュメントに基づいています。

