SEO評価項目を含む基本的なSEOチェックリスト
本格的にSEOを行う企業のウェブ担当者の方・システム開発担当者が抑えておくべきSEOの基本事項をチェックリストとしてまとめました。
キーワードを単純に含める事やページ数を増やせば良いと認識されている方は、はじめに「SEOとはライバルよりも優れた検索体験をユーザーへ提供する取り組み」をお読みください。
※現在のGoogleでは検索クエリやコンテンツを理解する能力が大きく進歩しています。
Googleは200以上のシグナルを活用していますが、その内容の全てを公開しているわけではありません。
全ての要素が順位向上に結びつくわけではありませんが、検索結果の視認性向上であったり、ウェブサイト全体の設計、ユーザビリティなども含め、基本的なSEO知識を身につけておきましょう。
手間がかかり成果に結びつかないような要素、現在では通用しない古い施策などは排除しています。
(例 メタキーワード、有料ディレクトリ登録など)
ウェブサイト全体のSEO要素
ウェブサイト全体に関わる要素は、コンテンツ作成者というよりは、ウェブのシステム担当者と協力して改善に取り組む項目です。
次のような項目が該当します。
- Google botがアクセスできるようにする
スパム防止で国外からのアクセスを制限している場合には、Googlebotのアクセスも制限してしまわないように注意しましょう。Googlebotはほとんどの場合USベースでクロールしている為です。 - XMLサイトマップの定期更新
新規コンテンツや既存コンテンツの修正を検索エンジンに効率よく伝える事ができます。
「sitemap.xml作成・更新の必要性とGoogleクローラの巡回効率化」 - robots.txtの設置
サーバーへの負荷の軽減や自動生成されるパラメータ付URLへの余分なクロールをブロックする目的でrobots.txt設置する事が多いかもしれません。
検索エンジンのクローラーは、ウェブサイトごとに割り振られた頻度と規模(状況によって変動します)であなたのウェブサイトを巡回しますが、規模の大きなサイトの場合はrobots.txtを設置する事でクローラーの巡回を効率化する事ができます。
「robots.txtの作成と記述方法 使い方と注意点」 - 訪問者が使いやすいナビゲーション
ウェブサイトの運営期間が長くなれば、使いやすいナビゲーションも変わります。
グローバルメニュー、サイドメニュー、フッターメニューでほとんど使われなようなメニューがある場合は、訪問者に使いやすい配置に修正します。
分かりやすいアンカーテキストによるナビゲーションにしましょう。 - パンくずナビ設置
訪問者が見ているページがウェブサイトのどの階層にあたるかをパンくずナビで示す事で、訪問者にとっても検索エンジンにとってもわかりやすい設計となります。 - リンクとURL階層構造
ウェブサイト内のコンテンツページをツリー階層で考えたリンクの階層構造に設計します。パンくずナビとセットで考えます。
重要なページはトップページからのリンクを設置します。
「サイト内での階層とSEO」 - URLの正規化
wwwあり/なし、http/httpsなど重複コンテンツによる評価の分散を避ける為にcanonical属性と301リダイレクトを活用してURLを正規化します。
「canonical属性とは?URLの正規化方法とlink rel=”canonical”タグの使い方」
「301リダイレクトとは?」 - RSS/Atomフィードの登録
XMLサイトマップとともに検索エンジンのインデックスを素早く行う為にRSSフィードもSearch Consoleに登録します。
「XMLサイトマップとRSS/Atomフィードの組み合わせ」 - モバイルフレンドリサイト
Googleのモバイル検索では、モバイルフレンドリサイトを優遇します。
モバイルユーザーのユーザビリティを改善する事で、SEOの面だけでなく直接的なユーザー行動(例えば滞在時間や直帰率、CVRなど)にも影響します。
「モバイル検索順位に影響するユーザビリティ・モバイルフレンドリ」
※Googleはデスクトップコンテンツをもとに評価していましたが、今後はモバイルコンテンツをもとに評価するようになります。
「モバイル ファースト インデックスに向けて」
既に検索の半分以上がモバイルから行われている為、将来的にはどのウェブサイトでもモバイルフレンドリサイトの取り組みは一般的となるでしょう。早めに準備して対応するようにしましょう。 - ウェブサイトの高速化
大きな要素ではありませんが、ページ表示スピードもGoogleの順位指標の一つです。
こちらもSEOだけでなく、直帰、離脱、コンバージョンにも関わる指標です。
「ECサイト必須のウェブサイト高速化」 - 常時SSL
- Flashは使わない
フルフラッシュサイト、フラッシュコンテンツを含むページは、検索エンジンにとって内容が理解できない場合もあるようです。
また、モバイルフレンドリのチェックされる要素にも含まれます。
「Flash(フラッシュ)を使用したウェブサイトはSEOに不向き」 - コメントスパムを避ける為にnofollow属性を活用
ECサイトの商品レビューや、ブログのコメント欄など、第三者が投稿できる仕組みにしている場合には、埋め込まれたリンクに自動的にnofollowを付ける仕組みにしましょう。コメントスパムを放置するとGoogleの評価にも影響します。
ちなみにこのようなスパムへの対応が煩わしい為か、ニュースサイトやブログでコメント投稿機能を表示させているケースはあまり多くなく、TwitterやFacebook上でのコメント投稿を活用しているケースが多いと思います。
しかしSEOにおけるエンゲージメントのシグナルという意味では、コメント投稿におけるやり取りは(SNS上ではなく)サイトのコンテンツ内で行った方が良いそうです。
「Google: Comments Better On Your Site Then On Social Networks」参照。 - リンク切れをなくす
リンク切れ自体は検索エンジンの評価に大きく影響するものではありませんが、正しくリンクを張り直すことでページランクも流れます。
もちろん訪問者にとっても親切なページになります。リンク切れのチェック方法は、以下のページをご参照ください。
「クロールエラーでリンク切れチェック」 - リッチリザルト 構造化データのマークアップ
商品やレシピなど特定の分野のコンテンツであれば、特殊なタグでマークアップを行うと検索結果の表示に価格やサムネイルなどを追加する事ができ、検索結果の視認率向上に繋がります。
構造化データ マークアップ支援ツールを活用しましょう。
検索結果にあなたのウェブサイトが表示されると、ページに記述したサイトタイトル、URL、メタディスクリプションが表示されます。
リッチリザルトに対応した場合は、検索エンジンは上記の情報に加えてレビューや人、商品、ビジネスなど更に詳しい情報を表示する事ができるようになります。 - Search Consoleの導入
Search Consoleを導入する事で、検索クエリを詳しく調べる事ができ、ウェブサイトの状態も詳しく把握する事ができます。 - アクセス解析ツールの導入
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールはSEOの効果や訪問者の動向を分析する為に必須のツールです。
Googlebot is mostly US-based, but we also sometimes do local crawling. https://t.co/9KnmN4yXpe
— Google Webmasters (@googlewmc) 2017年11月13日
ちなみにUSベース以外でクロールするケースとしてUSユーザーのアクセスをブロックしているウェブサイトが多い韓国を例に挙げていますが、このような場合にはGooglebotもアクセスできない為、その地域ベースのクロールを行うようです。ただしこのようなケースは稀な為、基本的にはGooglebotがアクセスできるようにしておいた方が良いでしょう。
Search Engine Roundtable
Google: We Didn’t Find Crawling From Outside Of The United States Useful
ウェブサイト全体のSSL対応もGoogleの順位指標の一つです。
競争の激しい分野で、評価が同等の場合には順位が優先されるようです。
「HTTPSがGoogle検索順位のシグナルに」

「1」に関しては、XMLサイトマップの自動生成・アップロード・検索エンジンの通知はSitemap Creatorで自動化できます。
また、「2」に関するrobots.txtもこのソフトで作成する事ができます。
検索エンジンにウェブサイトの現状を素早く伝える

Sitemap Creatorは、検索エンジン向けのXMLサイトマップを自動管理するツールです。
一度スケジュール設定をしておけば、定期的にウェブサイトの状態を調べ、XMLサイトマップの作成から検索エンジンへの通知を自動化する事ができます。
Googleのガイドラインに違反する行為
ブラックハットSEOとも呼ばれるテクニックです。
以下のような施策はGoogleのガイドラインに違反する行為で、最悪インデックスから削除される事もあります。
絶対に行わないようにしましょう。
- コンテンツの自動生成
- リンクプログラムへの参加
- クローキング
- 不正なリダイレクト
- 隠しテキスト
- 隠しリンク
- ドアウェイページ
- コンテンツの無断複製
- キーワード詰め込み
※正しい被リンク獲得の方法については、「被リンクと外部SEO ペナルティを受けない自然被リンク獲得法」で解説しています。
※隠しテキストにリンクを設定、CSSを利用した隠しリンク、小さな文字に隠しリンク
ページ単位で行う内部SEO要素
ページごとにターゲットとする検索キーワードで最適化する方法です。
基本的にはページごとに異なるキーワードで最適化します。
キーワード選定は、SEOの出発点でもあり、多くの方が誤って認識されている部分です。
各ページ異なる複合キーワードでSEOを行う事の具体的な解説やメリットについては、以下の記事が参考となるでしょう。
「SEOのキーワード選定と1ページで意識するキーワード数」
「ロングテールSEO実施の効果・メリット 複合キーワードでウェブ集客UP」
以下の要素はページ単位で行うSEOチェックリストです。
- サイトのテーマ・検索キーワードのトピックに沿ったコンテンツ作成
日常的なランチを掲載するブログではなく事業の専門性を活かしたテーマでサイトを運営します。Googleは専門性の高いウェブサイトを評価します。 - 質の高いコンテンツとトピックの最適化
質の高いコンテンツは、専門際が高く、訪問者が満足するようなオリジナルのコンテンツを指します。
以下のページが参考になるかもしれません。
「Googleのアルゴリズムの解釈 順位などSEOに影響するコンテンツの質とは?」
トピックの最適化は、検索ユーザーが検索するキーワードの意図を汲み取り、検索ユーザーが満足するようなコンテンツにしていく事を指します。 - タイトルタグの最適化
タイトルタグは比較的に簡単に修正でき、順位への影響も大きい要素です。
「ページのタイトルタグをSEO Google検索結果で適切な文字数(長さ)、キーワード数」 - メタディスクリプションの最適化
メタディスクリプションは順位には影響しませんが、検索結果にスニペットとして表示される事が多い部分です。
魅力的な紹介文にする事でクリックされる可能性が高まります。
「メタディスクリプションは重要 スマホとPCの文字数(長さ)とSEO」 - タイトルタグ・メタディスクリプションの重複を避ける
コンテンツが異なっているのに複数のページで同じタイトルにしている場合は、各ページ異なるキーワード文を設定しましょう。
重複を確認する方法については、「HTMLの改善で表示される短い・重複するメタデータやタイトルタグ」で解説しています。 - 見出しの最適化
H1~H6を使用して本文コンテンツを読みやすくレイアウトします。
訪問者にとって読みやすく、検索エンジンが理解しやすい見出しを設置します。
「H1タグとは?大見出しの使い方とGoogle向けSEO」 - アンカーテキストリンクの設置
Googleは共通メニューのアンカーテキストリンクよりも、本文内のアンカーテキストリンクを評価します。
適切な記事同士でわかりやすいアンカーテキストリンクを設置します。
「アンカーテキストリンク効果とサイト内リンク設計」 - alt属性
画像を設置する際にはimgタグを使用しますが、imgタグにはalt属性を使って簡潔に画像の中身を説明します。
「alt属性に含めるテキスト・文言とSEO効果 HTMLのimgタグ」 - わかりやすいURL
コンテンツの中身がわかるように分かりやすいURLを設定します。
検索エンジンのコンテンツの理解にも役立ち、訪問者にも扱いやすいURLとなります。
Googleと相性の良いURLとファイル名
URLは以下の二種類があります。
静的(スタティック):
www.yourwebsite.com/category-type/product-page
動的(ダイナミック):
www.yourwebsite.com/category-type/?p=0254007
検索エンジンはどちらのタイプでも認識できますが、人間の場合は判読しにくいURLとなり、検索ユーザーは明確のそのページの情報が何についてなのかを判断する事が難しいでしょう。ダイナミックのURLは、場合によっては訪問される機会をいくらか失ってしまうかもしれません。 - フレーム構造のページにしない
Googleはフレームを使ったページでは問題が発生する可能性があるという記述があります。
「フレーム」 - コンテンツ内に検索されそうなキーワードを含める
基本的な施策です。コンテンツ内に少なくとも検索されそうなキーワードを1つ含めます。
含めすぎるとキーワード詰め込みとなってしまったり、訪問者に読みにくいコンテンツとなります。 - CTAの設置
CTAはコールトゥーアクションと呼びます。訪問者に対して何らかのアクションを促す効果があります。
失敗から学ぶCTAの注意点7つ - リンクを設置しすぎない
リンクを設置しすぎると、訪問者にとっても読みにくいコンテンツとなります。
検索エンジンにとっては、リンクを張った分だけページランクは薄まると言われています。
詳しくは、「サイト内部、外部への発リンク数」をご参照ください。 - 更新頻度 定期的に良質なコンテンツを作成する
ウェブサイトを作っても、それ以降放置してしまうと検索エンジンのクローラーも来なくなり、ウェブサイトの評価も徐々に落ちていきます。
それが質の高いコンテンツでも時間の経過とともに情報が古くなり順位が下降していきます。定期的なメンテナンスや新規コンテンツの追加は継続的に行っていきましょう。
「サイト内コンテンツの更新頻度(ページ追加)の影響と有効性」

当ブログでは、SE Rankingを活用してトラフィックを生んでいるキーワードや、ランクインしていて強化したいキーワード、これからコンテンツを作成して注力したいキーワードなどの順位をチェックしています。

また、サイトの構造のチェックは「サイトSEO検査機能」、キーワードの最適化のチェックについては「ページSEO検査機能」を使用して、問題点があればそれを検知して修正しています。


コンテンツの順位を効率的に計測して管理する
SE Rankingは企業向けのSEO管理ツールです。
作成したコンテンツの順位推移を表示し、競合サイトと比較する事ができます。
また、作成したコンテンツが獲得している被リンクの詳細、ページやサイト構造のチェックも可能です。
外部SEO要素
外部SEOと言うと、以前はカテゴリ登録や有料のリンクに手を出してしまう方が多かったのですが、現在はGoogleによる有料リンクの取り締まりが強化され、そのメリットよりもリスクの方が大きいという事がわかっています。
最近では、質の高いコンテンツを作成する事が自然な被リンクを獲得できる第一歩と考えて施策を行う企業が増えています。
- 魅力あるコンテンツ
質の高いコンテンツを作成する事で訪問者がブックマークやTwitter、Facebookなどで共有する機会が増えます。 - SNSを積極的に活用
Facebookファンページ、Twitterの公式アカウントなど、魅力あるコンテンツを発信するメディアを活用します。定期的な発信が重要ですが、多すぎるとファンが減ります。 - SNSボタン設置
はてなブックマークやTwitter、Facebookの共有ボタンを各コンテンツごとに設置します。
コンテンツが拡散し、共有が増えると検索順位も向上されます。 - 外部からの被リンク
リンクは検索エンジンや外部ウェブサイトを通して露出を高める基礎部分です。
ニッチな分野で外部の信頼できるサイトからの被リンクを受ける事は、検索エンジンで露出を高める事に繋がります。
また、外部サイトのリンクを通ってあなたのウェブサイトの商品やサービスを購入するというケースは良くあります。
このように購入につながるようなバックリンクを増やし続けていく事ができれば効果的です。
SEOでなぜバックリンクが重要なのか?その理由は、検索エンジンがウェブサイトの信頼性をバックリンクの数や質によって判断しているからです。
下の図はアレグロマーケティングが獲得しているバックリンクのリストの一部です。

被リンクに関する注意点や、獲得方法、調査方法については、「被リンクを増やす外部SEO ペナルティを受けない自然被リンク獲得法」で解説しています。
その他特殊なケース
以下の施策は、一部の特殊なウェブサイトで注意すべき要素です。
- 多言語対応のSEO
各言語に対応するコンテンツを作成し、ウェブサイトを多言語対応させる場合の設定方法については「一つのドメインで複数の地域ターゲットを設定」をご参照ください。 - 無限スクロール対応
TwitterやFacebookのような仕組みで、無限スクロールでコンテンツを表示させる場合には、「検索エンジンとの相性を考慮した無限スクロールのベストプラクティス」をご参照ください。但し一般的なブログや、ショッピングサイトの場合には、利便性が本当に改善されるかどうかについて、注意深く検討する必要があります。
コンテンツの質は直接、関節効果も含めてSEOでは最も重要な要素となります。
ウェブサイトの規模が大きくなると、管理も大変になっていきますが、コンテンツの質には充分時間をかけ、それ以外の要素はなるべく効率的にチェックする事を心がけましょう。
当ブログでは、SEOツール屋ですのでSitemap Creatorや、SE Rankingなどのツールで管理を効率化してコンテンツに時間をかけるようにしてトラフィックを向上させています。

ツールを導入するだけで順位が上がるわけではありませんが、必要な作業の自動化や、管理の効率化により作業の優先順位を付けることができ、その為の時間を確保する事に繋がります。
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