SEO対策(Search Engine Optimization)とは、Googleなどの検索エンジンに対して上位表示を目的にコンテンツや被リンクといったサイト内外のランキングシグナルを最適化する事を意味します。検索エンジン最適化とも言います。検索される機会や集客、見込み客、売り上げを向上する取り組みとなります。
SEOは企業内の様々な部門との調整が必要となる為、検索広告やディスプレイ・バナー広告などと同じく販売や成約を増やす為のオンラインマーケティング施策の一つとして扱うのではなく、SEO自体を一つのプロダクトと同等に管理していく必要があります。
SEOを正しく理解してプロダクトの一つとして企業内で運営する事で、見込み客の獲得の促進や顧客維持に繋げていく事ができます。
SEO対策を初心者でもわかりやすく解説

日本で利用される主要な検索エンジンの種類
日本で使用される主要な検索エンジンは以下の3つです。
Yahoo!JAPANはGoogleのエンジンを採用していますので、実際の国内検索エンジンシェアの9割以上はGoogleとなっています。
検索順位を確認する際に考慮すべき事
検索ユーザーの利用環境によって検索結果は異なります。
- 国や言語設定
- 場所(IPアドレス)
- デバイス(デスクトップ or スマートフォン)
- 検索履歴
特に自身のウェブサイトの検索順位を調べる際には、検索履歴によって、自身のウェブサイトが優遇される事があります。目的のキーワードで上位表示されるものと勘違いしてしまう事もあります(パーソナライズド検索と言います)。
検索履歴の影響を受けずに検索順位を調べる場合には、ブラウザのシークレットモードを使用する事が一般的です。
Chromeを表示してキーボードで Ctrl + Shift + N を同時に押します。
正しいSEOによるベネフィット
- 特定のクエリ(キーワード)で検索するユーザーとの接点が増える
- 見込み客が増える(リード獲得)
- 売り上げが上がる
- 顧客が情報を調べやすくなる(問い合わせが減り、顧客のストレスも減ります)
SEOに対する取り組み方の変化

昔のSEO対策 | 検索エンジンアルゴリズムの隙間を狙ったテクニックで順位を向上させる | キーワードの調整 被リンク構築など |
今のSEO対策 | 検索ユーザーに対して優れた体験を提供する取り組み | エンゲージメント(行動)の改善 インテント(意図)への対応など ユーザー体験の改善 |
SEOに関しては、細かいテクニックばかりに注目してしまいますが、テクニックに意識を向けるのではなく、検索ユーザーという「ヒト」の感情を理解し、優れたウェブサイトやコンテンツの利便性を提供していかなくてはなりません。
簡単に言えば、テキストや画像のみでページを作成する事ではなく、サービスやアプリ、ダウンロードコンテンツ、動画など、これらに限らず今後実現されていく技術を使用して、本当に検索ユーザーの役に立つソリューションを提供するという発想が重要です。
検索上位表示による集客効果

BacklinkoのBrian Dean氏の分析から2019年8月に以下のような結果が公表されています。CTRとはクリック率の事を意味します。
The #1 result in Google’s organic search results has an average CTR of 31.7%.
Here’s What We Learned About Organic Click Through Rate
検索順位別のクリック率データ 2019年8月
順位 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CTR(%) | 31.73 | 24.71 | 18.66 | 13.60 | 9.51 | 6.23 | 4.15 | 3.12 | 2.97 | 3.09 |
わかりやすく言えば、キーワードで検索された回数のうち31.7%が1位のページを見に行くという事になります。
他にも面白い分析結果が出ていますので簡単に紹介します。
- 検索結果の7 – 10位のクリック率は同じくらい。
- 掲載結果のタイトル文にその質問のキーワードを含んでいる場合のクリック率は含まない場合のクリック率より14.1%高い
- 感情表現(ネガティブ、ポジティブに関わらず)をタイトルに含めると平均でクリック率が7%改善。
- 自然検索とは?
-
自然検索は検索結果ページで表示される内容のうち、広告を除いた部分です。オーガニック検索とも言います。
赤は有料検索結果枠 緑はオーガニック検索結果枠
キーワードの需要(検索規模)にもよりますが、顧客に変わる可能性のあるアクセス数として考えた場合、この数字はかなり大きな意味を持ちます。
検索結果1位表示の効果
例えば、「花 ギフト」のキーワードは月間平均で6,600回ほどの検索回数となります。
このキーワードで1位になれば、毎月およそ2100件のクリック数を獲得する可能性があるという事になります。(Yahoo!も含めると更に増えるでしょう。)
検索エンジンの仕組みを理解する

検索エンジンは検索結果にページを表示するまでに多くの処理を行っています。
Googleなどの検索エンジンは、ボットと呼ばれるツールを使って世界中のウェブページを巡回しています。
新しいウェブページはリンクを辿って見つけていきます。
既に見つけたページも定期的に巡回してページの内容の変化を把握していきます。

巡回の事をクロールと呼びます。
リンクで辿る事ができないページはクローラーに見つけてもらう事ができません。その為、Webサイト全体のページがきちんとクロールされるように設計しておく事はSEOの基本と言えます。
クロール後に品質をチェックし、検索ユーザーに役立つコンテンツであれば、検索結果で表示する為にウェブページの情報を保存します。単純に保存するのではなく、検索しやすいように索引を付けています。
この処理をインデックスと言います。
この索引の中には、フレーズや単語、その意味に関連するページの情報が含まれます。
ユーザーが検索結果にキーワードを入力して検索すると、複雑な計算処理によってユーザーが必要とする情報を理解し、ふさわしいコンテンツを自動的に評価した上で、関連度順に検索結果に表示します。
この複雑な計算処理はアルゴリズムとも呼び、ページの評価以外にも、様々な処理で使用されています。
Googleは200以上のシグナル(手がかり)をもとにページを評価して順位付けを行います。アルゴリズムは複数存在し、検索クエリの意図を把握するもの、ページの信頼性を評価するもの、コンテンツの新鮮さ、位置情報を判別するものなどがあります。
Googleはユーザーに焦点を当ててこれらのアルゴリズムを日々改善していて、改善のスピードは非常に速く、1日平均1.47件のペースと言われています。
検索ユーザーのためにならない施策やスパム行為は一時的に通用しても、アルゴリズムのアップデート(改善の為の更新)の速度の前には遅かれ早かれ通用しなくなります。Google同様にユーザーに焦点を当てた改善を心がけましょう。
検索上位表示は簡単ではない
正しい方法でSEOに取り組むなら、Googleのポリシーを理解しておきましょう。
Googleの目指す検索エンジンとは

Googleの収益源
Googleはリスティング広告の手数料が収益源です。広告がクリックされると、広告主からGoogleに手数料が支払われます。
Googleが短期的な収益を上げるのであれば、検索結果を広告で埋め尽くしたり、検索結果の各順位の間にそれとなく広告を含めたりすれば、検索ユーザーにたくさんクリックされるでしょう。
ですが、Googleはそのような事はしていません。
検索結果で多くの広告を表示させない理由としては、もし検索結果を多くの広告で埋め尽くしてしまった場合、クリックしても必要な情報に到達しにくくなり、逆に売り込みページばかりで検索ユーザーは不便だと感じるからです。結果的にGoogleを使う人は減っていくかもしれません。
Googleは検索ユーザーを第一に考え、ユーザーに使い続けてもらえるように、便利な検索エンジンとなるように日々改良を行っています。
Googleの方針
Googleの共同創設者のラリーページの言葉がGoogleの方向性を表しています。
完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである。
Lawrence Edward “Larry” Page
Googleは「ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返す」検索エンジンを目指し、アルゴリズムを日々改良しています。そしてGoogleに評価される為にコンテンツ作成者が行うべき事も、「ユーザーのニーズにぴったり一致するコンテンツ」を作成する事であり、最も有効な施策となり得ます。
既にAI(人工知能)の技術が一般でも利用されるようになっています。Googleも検索キーワードの意図を理解し、コンテンツを理解する為に既にAIを使用しています。
これからSEOに取り組むのであれば、検索エンジンに対して最適化するのではなく、「検索ユーザーに優れた体験を提供する」事を第一に考えましょう。Googleの考えに沿ったSEOで、検索ユーザーに対して素晴らしい体験を提供する事でアルゴリズムの影響を受ける事なく、安定した集客を確保する事ができます。
ロボットに向けた必要の無い最適化

昔の検索エンジンでは、順位を上げる為にそのコンテンツ内にキーワードを多く含めるという施策は確かにありました。
- キーワード詰め込み
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隠し文字などを使ってキーワードを過剰に詰め込むページが増えてくると、検索エンジン側もこれらをスパムとして対処していきます。
- ページの文字数は〇文字以上にする
-
コンテンツを作成する際に目安となる文字数について尋ねられる事は良くあります。これはライバルのコンテンツの質や、検索ユーザーの意図によって、多くの説明が必要であれば文字数は増えるでしょうし、そうではなければ少ない文字数でも上位表示される事はあります。
検索エンジンは文字数が多いからといって評価する事はありません。
検索ユーザーやライバルコンテンツを分析できていれば、文字数はさほど気にする必要はありません。 - キーワードバランス・含有率
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詰め込みがマズイとわかると、ある程度の割合を意識してキーワードを散りばめたサイトが増えます。当然Googleはアルゴリズムを改良しこのような施策は徐々に通用しなくなっていきます。
- 相互リンクやリンク購入
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かつて被リンクを集める事が評価に繋がるという事がわかると、サイト運営者による自作自演の被リンクで検索結果の順位は操作されるようになりました。現在のGoogleアルゴリズムではリンクの品質も判定する事ができ、自作自演のリンクも検知して無効化します。
- ページ数やインデックス数を増やす
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以前はページ数やインデックス数がランキングに影響すると考えられていましたが、現在ではWebサイトの総ページ数(インデックス数)が10ページ以内であっても、ビッグワードで上位表示される事はあります。
インデックス数がいくら多くても、それらがSEO目的で作成した質の低いコンテンツであれば全く評価されないでしょう。逆にリンク評価が分散し、各ページの評価が薄まってしまうこともあり得ます。 - 共起語を含める
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共起語はLSI(Latent Semantic Indexing)とも呼ばれる文章解析技術の一つです。
実際にコンテンツを書く際に大切な事は共起語を散りばめる事ではなく、検索ユーザーが知りたいトピックをわかりやすく説明して解決に導く事です。

Googleでは共起語のようなものは無いそうです。当然ながらAI技術が進んでいるGoogleのアルゴリズムは更に賢く、人間が読んで理解する能力に近づいています。
これまでの経緯と経験から、このような検索アルゴリズムの弱点を突くテクニックに偏った施策は、検索エンジンの進化によって順位への影響を受けやすい施策である事がわかります。
SEOはガイドラインを守って、検索ユーザーの為の施策を行いましょう。
品質に関するガイドラインは、以下のページから確認できますので、一度目を通しておく事をおすすめします。
検索ユーザーに対して誰よりも優れた体験を提供する取り組み
キーワードや、インデックスを数値や統計で分析し、検索エンジンに対して最適化を行っても、ヒトの体験を最適化できていなければ成果には結びつきません。
検索ユーザーもライバルも、そして自身もヒトです。ライバルが優れた体験を既に提供していれば、それを超える体験を考えなくてはなりません。
SEOは次のように言い換える事ができるでしょう。
SEOとは検索ユーザーに対して他の誰よりも優れた体験を提供する取り組み。
ロボットやプログラムではなく、ヒトにフォーカスした施策こそが、アルゴリズムの影響を受けずに、長期的に取り組む価値のあるSEOと言えます。
オーガニック検索と有料検索の違い

SEOはターゲットとする検索ユーザーに対してアプローチする手段の一つでしかありません。そして、その目標には、ECサイトであれば販売に、サービスであれば申し込みに繋げるなどそれぞれ異なります。
検索ユーザーとの接点を持つ手段としては、SEOの他にも検索広告があります。それぞれの手段の特性を正しく理解する事で効果的に活用していく事ができます。
SEOと検索広告の費用の違い
検索広告はクリックされると費用が発生しますが、オーガニック検索枠内のページではいくらクリックされても費用は発生しません。どちらも検索結果の上部に掲載されれば、検索ユーザーにクリックされやすくなり、多くの人にページを見つけてもらえます。
ユーザーの意図に適した施策を選ぶ
オーガニック検索と有料検索の使い分けは検索ユーザーの意図によっても異なります。
トランザクショナルクエリ
リスティング広告は、クリックされれば課金されます。
リスティング広告枠はオーガニック枠よりも上部に位置し、最大で3つまで表示され、「広告」ラベルが付きます。(オーガニック枠の下部にも広告枠があります。)
競争の激しいキーワードの場合には、ブラウザで表示される画面の大半が広告となる事もあります。

つまり、お金(成果)に結びつきやすいキーワードでは、広告が増えます。そして、広告の方がオーガニック枠より優先されて表示される仕組みとなっています。
このような成果に結びつきやすいクエリをトランザクショナルクエリと呼びます。
インフォメーショナルクエリ
一方、検索段階で購入意図はなく、ふとした情報収集を目的としたクエリの場合には、あまり広告が表示されません。

すぐに収益に結びつかないクエリに対して広告を出しても、無駄なクリックでコストばかり増えてしまいます。その為、このようなクエリの場合は広告表示が少なくなります。このような情報収集目的のクエリの事をインフォメーショナルクエリと呼びます。
リスティング広告は、明確な行動を意図した検索クエリ、その中でも購買意図の強いクエリに狙いを定めて広告を表示させるという事が効果的です。
SEOの場合は、情報収集段階から検索ユーザーとの接点を持ち、コンテンツを通して信頼を築き、購買まで結びつけるという事に向いています。
知りたい情報(ホワイトペーパーなど)を提供する代わりに、問合せフォーム経由で見込み客の連絡先情報を提供してもらうといった手法は一般的です。
獲得した見込み客に対して、定期的に有益な情報を提供し、質問に対して回答していく事で、見込み客との関係性を構築していく事ができます。
SEOとリスティング広告の特徴を比較してみましょう。
SEOのメリットを検索広告と比較
- クリックされても課金されない
- 情報収集段階の検索ユーザーとの接点を増やせる
- 企業での取り組みが難しい為、成功すれば競合と差別化を図れる
- ウェブサイトの利便性に意識が向く
SEOに取り組む事で以上のようなメリットがあります。
SEO | 検索広告 | |
---|---|---|
クエリ意図 | 情報収集 | 購入や申し込み |
対象ページ | まとめや解説コンテンツ ソリューション提供 | 商品ページ、カテゴリ一覧、専用LP |
施策の意図 | 情報収集目的のユーザーに価値ある情報を提供して信頼を獲得する | 購買意欲の高いユーザーに自社商品のメリットを訴求しクロージングする |
費用 | 無料 | クリック課金 |
掲載ページ | コントロールが難しい | 指定できる |
反映されるまでの期間 | 巡回ロボットがインデックスする事で検索結果に表示。時間がかかる。 | 広告費用を払えば数日以内に広告が掲載される。 |
掲載のコントロール | 難しい。評価を蓄積していくイメージ。 | 時間帯、地域指定可。効果的でなければすぐに広告を停止できる。入札単価や広告品質を上げれば順位はコントロールしやすい。 |
順位決定要素 | キーワードの意図、コンテンツの質、ページランクなど200以上のシグナル。詳細は公開されていない。 | 入札単価、広告の品質、広告フォーマット |
コストをかける分、リスティング広告はコントロールしやすいというメリットがあります。一方でSEOはクリックに費用がかからないというメリットが大きいでしょう。
どちらの施策においても、競争の激しいマーケットでは消耗戦に陥りやすい為、一般的なマーケティング戦略同様に、自身のプロダクトやサービスのターゲットを競争の少ない市場に定めるか、新たな市場を作って先行者利益を獲得する戦略が必要となってくるでしょう。
検索ユーザーの意図を理解する
SEOに適したページ
トップページに集客を集中させたいので、SEOもトップページに対してのみ集中する。
これはSEOでよくある誤った認識です。
トップページ、商品ページのような特定の自社の商品の売り込みを行うページでは、ブランド名や商品名のキーワードで上位表示されます。あらゆる検索キーワード(検索ユーザーの意図)にマッチするコンテンツを作成する事はそう簡単ではありません。
例えばあなたがスポーツシューズのメーカー直販サイトを運営していたとします。検索ユーザーの立場になって考えてみましょう。

最初の段階から検索ユーザーは特定のブランドのトップページや単一の商品、特定のメーカーに絞って調べているわけではありません。次のような手順を踏みながら検索意図も変化していきます。
- 「フットサルシューズ 軽い」で検索。
- 検索結果のページをクリックして選定の役に立つ情報を収集(例えば比較や購入者のコメント、プロの視点による選び方)。
- 様々な情報を参考にして自分に合いそうなシューズを見つけたら、その商品について詳しく調べる為に型番やブランド名、メーカー名指定で検索。
或いは、1つのページで比較と購入まで対応できるショッピングサイトがあれば検索結果で有利に働く事でしょう。
「フットサルシューズ 軽い」というクエリでSEOを行うのであれば、まずはユーザーが満足する様々な商品を扱う必要があり、トップや商品ページを対象に最適化するのではなく、選定基準の解説や、商品の特徴を比較でき、購入まで対応できるコンテンツに仕上げるのが理想です。
検索クエリ、ユーザーの意図、売り手の視点、検索エンジンの視点を整理してみましょう。
検索クエリ・視点別で意図を比較
検索クエリ | フットサルシューズ 選び方 | フットサルシューズ 安い | フットサルシューズ 軽い |
売り手目線で 考えがちなコト | 自社商品の中でお客様にぴったりのフットサルシューズの選び方を説明しよう | 自社商品の中で一番安価なフットサルシューズをすすめよう | 自社商品の中で比較的軽いフットサルシューズで、利益の高いものをすすめよう |
検索ユーザーの意図 | 自分にあったフットサルシューズの選び方のポイントを知りたい | 遊びで使うので、全てのメーカーの中で一番安いシューズを選んで購入したい | 部活で使う為、パフォーマンスに優れた軽いフットサルシューズを探して購入したい |
検索エンジン側の視点 | 様々なメーカーのシューズの特徴を比較した解説ページは検索ユーザーの判断の手助けになる | 様々なメーカーのシューズを安い順に比較したページは検索ユーザーの判断の手助けになる | 様々なメーカーのシューズの中でも軽さが特徴のシューズに関して、やわらかさ、フィット感、通気性などの機能性を含めて比較できるページは検索ユーザーの判断の手助けになる。 |
売り手目線のページの特性
売り手目線だと視点が自社商品に偏ります。自社商品のページは基本的には広告向きで、トップページや、商品ページ、広告用のランディングページなどはこのようなグループに分類されます。購買意欲が高いユーザーに対しては、商品のメリットを伝えて速やかに購買に結びつける事ができます。
SEO対策の手順・方法
SEO対策の基本的な手順
商品やサービスを導入して欲しい顧客像を具体化します。年齢や性別、企業向けの商品であれば部門や役職など他にも様々な属性が考えられます。既存顧客のデータや既存顧客への直接のヒアリング、アプローチしたい層へのヒアリングを行い、現在抱える悩みや問題点、商品選定基準などを洗い出します。
顧客像から検索に使用しそうなクエリを選定します。
「キーワード調査 & サジェストツール」を使い、軸となるキーワードとともに使用されるサジェストキーワードのリストや検索ボリュームを調べてリスト化します。
独自のカテゴリ名や機能名、ブランド名は検索ボリュームがゼロでも、プロダクトやサービス次第でユーザーの需要を作り出す事ができます。新しい市場を作り出すプロダクトは、最初は検索需要はありませんが、ユーザーの潜在的なニーズを満たすプロダクトであれば、自動的に購入者のクチコミや参照が増えていき、徐々に検索需要が増えていきます。(例 「〇〇 レンタル」、「○○ サブスク」など)
プロダクトが優れていれば、熟練のSEO担当者やコンサルタントは以下のような手法で検索需要を生み出していきます。
- 検索結果のオーガニック掲載枠に表示されるタイトルやスニペット文
- 検索広告の紹介文やサイトリンク
- ディスプレイ広告
- YouTube広告
- その他の広告や認知施策
- ウェブサイト上のCTA
- ウェブサイト内の関連する記事内での言及
- 見込み客に対するメールや電話、対面での接客
- 顧客への価値の提供とプロダクトへの理解を促進する
このタイミングでSERPチェッカーを使用してこれらのキーワードを登録しておくと現在のSEOの状況を把握できます。※SERP(Search Engine Result Page)はサープと読み、検索結果ページを意味します。
キーワードに対応するコンテンツを作成します。はじめのうちはキーワードごとにコンテンツを作成する「ロングテールSEO」がおすすめです。キーワードによって、購買に近いユーザーなのか、そうでないのかを判断し、各コンテンツには適したCTA(問い合わせや資料ダウンロードなどへのボタン)を配置しましょう。

このような手法を通して、質の高いコンテンツ作成と検索順位への影響を感覚的に掴んでいくことができます。さらに継続的な取り組みによって、Webサイトの信頼性や専門性について時間をかけて検索エンジンに理解してもらうことができます。
キーワードの意図に対してソリューションとなるコンテンツを作成します。場合によってはウェブサービスやアプリなどのコンテンツが必要となります。または、解決方法の手順や、用語の解説などを提供する縦長のコンテンツを作成する場合もあります。
後者の場合はコンテンツページでカバーするトピックを調査し、章立てを考えます。以下の手順に沿って調べましょう。
- 扱うトピックを自分で考え、Wordなどを使ってトピックリストを作ります。
- 「キーワード調査 & サジェストツール」を使って対象のキーワードと関連するキーワードを再度リストアップし、トピックに追加します。
- 目的のクエリで実際に検索し、上位10位の競合ページに目を通し、1.のリストで不足しているトピックを見つけ、トピックリストに追加します。
- Yahoo知恵袋でも対象のキーワードで検索し同様に不足しているトピックを見つけて、トピックリストに追加します。
- 自身の専門性を活かしたオリジナルのトピックを考え追加します。
- これらのトピックリストをもとに章立てを行います。
作成した章に沿ってページで扱う一つのテーマを複数のトピックに分けて論理立てて説明しましょう。トピックとはWebページの場合は、Hタグという見出しタグとそれを説明するパラグラフ、画像、動画、参照リンクなどの要素の塊です。

説明書や、論文などの構成に近い書き方です。例えば、「SEO」を説明する場合には、「SEOの意味」、「SEOのメリットデメリット」、「SEOの効果」、「SEOの方法」といったトピックに分ける事ができます。
ユーザーにとって有益な情報を提供する事に加え、競合がいるという点も考慮して優れたコンテンツを作成しましょう。
- ライバルよりも広い範囲のトピック(情報の幅)
- ライバルよりも専門的で詳しい(情報の深さ)
- ライバルには無いオリジナルの情報を含む(独自性)
第三者の視点でコンテンツをチェックしてもらい、アドバイスをもらい、コンテンツを改善します。
特に医療・健康系の分野では専門家のレビューを通して、専門的な記事に仕上げていく事が重要です。

文字校正も別途必要ですが、ここではきちんと対象の読者に伝わるかどうかを確認します。
分析は定期的に行います。作成したコンテンツが順位にどのように影響しているか、検索エンジン経由でのセッションが増えているか、目標に直接、間接的に結びついているかなど、それ以外にも分析を行う事で課題や改善すべき点が見えてくるでしょう。

作成したコンテンツが10位以内にランクインしていない場合には、コンテンツ改善の余地があれば、既存コンテンツを見直し、ライバルよりも優れたコンテンツにしていきます。
更に対象とするキーワードの範囲を広げてコンテンツを作成するか(コンテンツの数を増やす)、それとも既存コンテンツの改善に注力するか(質を高める)判断し、改善・強化のサイクルを回していきましょう。
以上のようなプロセスでWebサイトを改善し、パフォーマンスを向上させていきます。
SEOの取り組みは筋力トレーニングやダイエットに似ているかもしれません。
基礎的な知識をつけ、正しい方法で継続的に行わなければ成果に結びつきません。継続できなければ、筋力が落ち、元の状態に戻ってしまいます。状態をチェックし、目標に向かって日々改善していきましょう。
この他にもこの記事ではカバーできていないSEOの細かい取り組みはたくさんありますので他の記事も参考にご自身でSEOに取り組んでみてください。