SEOとはライバルよりも優れた検索体験をユーザーへ提供する取り組み

2016年10月20日
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SEO(エス・イー・オー)とは検索エンジンの順位向上目的でウェブサイト全体の構造や、ページの記述の調整、被リンク獲得等の施策で最適化する取り組みが主流”でした”


Googleの技術が進化した現在のSEOでは、「優れた検索ユーザー体験を提供する取り組み」へと移り変わっています。


はじめに

この記事は、SEOという施策を検討されている経営者のかた、企業ブログ担当者のかた向けの解説記事です。
検索エンジンに関しては、国内のシェアの9割以上はGoogleの為、GoogleのSEOのみにフォーカスした内容にしています。


この記事のトピック目次

※ページ内の該当箇所にジャンプします。




Googleの目指す検索エンジンとは

SEOの特徴を掴むには、まずGoogleのビジネス方針を理解する事が大切です。


Googleの収益源

Googleはリスティング広告の手数料が収益源です。広告がクリックされると、広告主からGoogleに手数料が支払われます。


Googleが短期的な収益を上げるのであれば、検索結果を広告で埋め尽くしたり、検索結果の各順位の間にそれとなく広告を含めたりすれば、検索ユーザーにたくさんクリックされるでしょう。
ですが、Googleはそのような事はしていません。


なぜでしょうか?

もし検索結果を多くの広告で埋め尽くしてしまった場合、クリックしても必要な情報に到達しにくくなり、逆に売り込みページばかりで検索ユーザーは不便だと感じるからです。結果的にGoogleを使う人は減っていくかもしれません。


Googleは検索ユーザーを第一に考え、ユーザーに使い続けてもらえるように、便利な検索エンジンとなるように日々改良を行っています。


Googleの方針

Googleの共同創設者のラリーページの言葉がGoogleの方向性を表しています。


「完璧な検索エンジンとは、ユーザーの意図を正確に把握し、ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返すエンジンである。」
https://www.google.co.jp/intl/ja/about/company/products/


Googleのポリシーに関するページでは以下のように記述されています。


「Google は Google 検索を通じてみなさんが見つける情報について、いつも気を配っています。そのため、ユーザーを第一に考えた一貫性のある取り組みを目指しています。」
https://www.google.com/intl/ja_ALL/insidesearch/howsearchworks/policies.html


そして、検索ユーザーが必要とする最適な答えを提供する頭脳と呼ぶべきプログラムがアルゴリズムです。


「必要なのは答え。数兆にも及ぶウェブページではありません。アルゴリズムは、必要とされている情報を精度高く提供するための手がかりを探すコンピュータ プログラムです。」
https://www.google.com/insidesearch/howsearchworks/algorithms.html


Googleはいくつものアルゴリズムの組み合わせで検索結果の順位を導き出します。
ページごとのリンク評価を算出する「ページランク」、コンテンツの質を判断する「パンダ」、ウェブスパムを取り締まる「ペンギン」、情報の鮮度を判断する「QDF」など多くのアルゴリズムが存在します。


このようにGoogleは「ユーザーのニーズにぴったり一致するものを返す」検索エンジンを目指し、アルゴリズムを日々改良しています。そしてGoogleに評価される為にコンテンツ作成者が行うべき事も、「ユーザーのニーズにぴったり一致するコンテンツ」を作成する事です。


もし、これからSEOに取り組むのであれば、検索エンジンに対して最適化するのではなく、「検索ユーザーに優れた体験を提供する」事を第一に考えましょう。Googleの考えに沿ったSEO、検索ユーザーに価値を与えるコンテンツ作成を行う事でアルゴリズムの影響を受ける事なく、安定したトラフィックを獲得していく事ができます。




Googleの進化とともに変わりつつあるSEOというコトバの意味

昔の検索エンジンの技術は、ヒトが文章を読んで理解する能力とは大きくかけ離れたものでしたが、最近ではSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)という言葉がロボットを対象とした施策と誤解されがちな為、ヒトを対象としたSXO(Search Experience Optimization:検索体験最適化)という言葉が使用されるようになってきています。


“From SEO To SXO: Search Experience Optimization”
http://searchengineland.com/seo-sxo-search-experience-optimization-223812


SEOとSXOの違い

SEOは簡潔に表現すると、検索エンジンに最適化する事ですが、ともすれば検索エンジンに向けた施策と考えてしまいがちです。


実際には、SEOという言葉が生まれた時代と比べて、現在の検索エンジンはかなりヒトに近い形でコンテンツの中身や、検索ユーザーが入力するクエリ(キーワード)を理解できるようになっています。


現在のSEOでは、検索エンジンの進化により昔のロボットに向けた最適化で意識すべき項目は減り、逆にヒトに向けた体験の最適化が最も効果のある施策となっています。体験とは、検索ユーザーが必要とする答えとなる情報を提供し、検索ユーザーに満足してもらう事です。
その情報の質にこだわったコンテンツを作成していきましょう。


質の高いコンテンツについては、Googleのヘルプにも説明があります。
※体験は英語でエクスペリエンスと言います。


魅力的なウェブサイトを作成する鍵となるのは、オリジナリティに溢れた質の高いコンテンツによって、ユーザーにとって最良のエクスペリエンスを提供することです。ユーザーはサイトが有益でユニークだと感じると、再びアクセスしたり、自分のサイトからそのコンテンツにリンクしたりします。それによって、時間の経過とともにより多くのユーザーがサイトに引き付けられるようになります。
質の高いコンテンツを作成する


ロボットに向けた必要の無い最適化

昔の検索エンジンでは、順位を上げる為にそのコンテンツ内にキーワードを多く含めるという施策は確かにありました。


キーワード詰め込み

次第に隠し文字などを使ってキーワードを過剰に詰め込むページが増えると、検索エンジン側もこれらをスパムとして対処していきます。


キーワードバランス・含有率

詰め込みがマズイとわかると、ある程度の割合を意識してキーワード散りばめたサイトが増えます。当然Googleはアルゴリズムを改良しこのような施策は徐々に通用しなくなっていきます。


相互リンクやリンク購入

その後被リンクを集める事が評価に繋がるという事がわかると、サイト運営者による自作自演の被リンクで検索結果の順位は操作されるようになります。


これもまた、アルゴリズムの改良で改善されていきました。
スパムを行ったサイトは、ペンギンアップデートにより評価を下げられてしまい、質の低いコンテンツを量産したサイトは、パンダアップデートにより検索結果から表示される機会が減りました。


これまでの経緯と経験から、このような検索アルゴリズムのギャップを突く施策は、検索エンジンの進化によって順位への影響を受けやすい施策である事がわかります。


昔はGoogleの理想とは大きなギャップがあったわけですが、下記のような施策はその頃の名残かもしれません。


「キーワードバランス」、「キーワード含有率」、「キーワードの位置」、「メタキーワード」、「相互リンク」といったものが上げられますが、これらは検索エンジンの進化によって既に意味の無い施策となっています。


そもそもロボットに対する最適化を行うという発想は、行き過ぎればスパムとみなされます。SEOはガイドラインを守って、検索ユーザーの為の施策を行いましょう。
品質に関するガイドラインは、以下のページから確認できますので、一度目を通しておく事をおすすめします。


ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)
https://support.google.com/webmasters/answer/35769?hl=ja


SXOとは検索ユーザーに対して誰よりも優れた体験を提供する取り組み

キーワードや、インデックスを数値や統計で分析し、検索エンジンに対して最適化を行っても、ヒトの体験を最適化できていなければ成果には結びつきません。


検索ユーザーもライバルも、そして自身もヒトです。ライバルが優れた体験を既に提供していれば、それを超える体験を考えなくてはなりません。


SEOは次のように言い換える事ができるでしょう。


現在のSEOはSXOへ。SXOとは検索ユーザーに対して誰よりも優れた体験を提供する取り組み。


ロボットやプログラムではなく、ヒトにフォーカスした施策こそが、アルゴリズムの影響を受けずに、長期的に取り組む価値のあるSEOと言えます。




SEOの活用 SEOは目標を達成する為の手段の一つ

SEOを行うとすぐに順位が上がり、売上げや問い合わせが増えると過剰に期待されるケースが多いのですが、この認識は誤りです。


SEOはターゲットとする検索ユーザーに対してアプローチする手段の一つでしかありません。そして、その目標には、ECサイトであれば販売に、サービスであれば申し込みに繋げるなどそれぞれ異なります。


検索ユーザーとの接点を持つ手段としては、SEOの他にもリスティング広告があります。それぞれの手段の特性を正しく理解する事でベストな選択を行う事ができます。


検索結果に表示されるオーガニック検索枠と広告枠

リスティング広告はクリックされると課金されますが、オーガニック検索枠内のページではクリック課金は発生しません。
※オーガニック検索枠は、広告に影響せず、ユーザーの検索意図にマッチしたコンテンツが表示される場所です。


検索結果の上部に掲載されれば、検索ユーザーにクリックされやすくなり、多くの人にページを見つけてもらえます。


検索クエリとは検索の際にユーザーが入力する語句

検索ユーザーが情報を探す際に入力する語句やフレーズの事を検索クエリと呼びます。この検索クエリについては興味深いデータがあります。


「検索の意図は何か?」という設問では、半数近くの48%が特定の目的ではなく「ふと気になったから」検索したと回答しました。「何かをしたいから」や「どこかへ行きたいから」といった目的を持った検索を大きく上回りました。
NHK NEW WEBの記事内、Googleが行った「生活者検索行動調査」より


Googleの調査では、「買いたい」という意図を持った検索が全体の9%と少なく、一方で「行動を考えておらず、習慣以外で、ふと気になったこと」が48%もあります。
自分に置き換えてみても、ネット検索をする場合にはふとした瞬間に情報を調べる意図が多いはずです。


この意図によって、SEOとリスティング広告のどちらが適しているか判断する事ができます。


SEOとリスティング広告の役割

リスティング広告は、クリックされれば課金されます。
リスティング広告枠はオーガニック枠よりも上部に位置し、最大で4つまで表示され、「広告」ラベルが付きます。(オーガニック枠の下部にも広告枠があります。)
競争の激しいキーワードの場合には、ブラウザで表示される画面の大半が広告となる事もあります。


トランザクショナルクエリ

つまり、お金に結びつきやすいキーワードでは、広告が増えます。そして、広告の方がオーガニック枠より優先されて表示される仕組みとなっています。


一方、検索段階で購入意図はなく、ふとした情報収集を目的としたクエリの場合には、あまり広告が表示されません


インフォメーショナルクエリ

すぐに収益に結びつかないクエリに対して広告を出しても、無駄なクリックでコストばかり増えてしまいます。その為、このようなクエリの場合は広告表示が少なくなります。


リスティング広告は、明確な行動を意図した検索されるクエリ、その中でも購買意図の強い(データでは9%)クエリに狙いを定めて広告を表示させるという事が効果的です。


SEOの場合は、情報収集段階(データでは、48%)から検索ユーザーとの接点を持ち、コンテンツを通して信頼を築き、購買まで結びつけるという事に向いています。


ここで一つ疑問が出て来ます。


検索ユーザーは広告とわかってわざわざクリックするのでしょうか?

少し古いデータとなりますが、検索ユーザーの傾向としては、圧倒的に自然検索の方をクリックしています。


検索結果をクリックするユーザーの8割は自然検索をクリックし、2割は検索連動広告をクリックする
Web担当者Forum 検索順位ごとのクリック率データ最新版 など10+2記事(海外&国内SEO情報)


誤ってクリックするユーザーは少なく、購入の意図があってクリックしているのではないかと推測しますが、そうであればなおさらリスティング広告も、SEOもクエリの意図を理解して活用する事が重要という事になります。


SEOとリスティング広告の特徴を比較してみましょう。


SEO リスティング広告
ターゲット・クエリ 情報収集 購入や行動
適したページ まとめや解説コンテンツ 商品ページ、カテゴリ一覧ページ、専用のLP
施策の意図 情報収集目的のユーザーに価値ある情報を提供して信頼を獲得する 購買意欲の高いユーザーに自社商品のメリットを訴求しクロージングする
課金方法 無料 クリック課金
ランディングページ 完全にはコントロールできない 指定できる
ページが表示されるまでの期間 巡回ロボットがインデックスする事で検索結果に表示。時間がかかる。 広告費用を払えば数日以内に広告が掲載される。
順位のコントロール 難しい。評価を蓄積していくイメージ。 時間帯、地域指定可。効果的でなければすぐに広告を停止できる。入札単価や広告品質を上げれば順位はコントロールしやすい。
順位決定要素 キーワードの意図、コンテンツの質、ページランクなど200以上のシグナル。詳細は公開されていない。 入札単価、広告の品質、広告フォーマット

コストをかける分、リスティング広告はコントロールしやすいというメリットがあります。一方でSEOはクリックに費用がかからないというメリットが大きいでしょう。




検索ユーザーの意図を理解しましょう

SEOのメリットを最大限活かすには、ターゲットとする潜在顧客が検索しそうなクエリを対象に、価値を提供できるコンテンツを作ります。「価値」とは、ユーザーの調べたいものにマッチし、ユーザーが満足する「情報」の事を指します。そうして作成したコンテンツがライバルよりも価値を提供できていれば、検索エンジンからも評価されるようになります。


コンテンツを作成する際には、予め以下の点を考慮にいれておきましょう。


  • ライバルよりも広い範囲のトピック(情報の幅
  • ライバルよりも専門的で詳しい(情報の深さ
  • ライバルには無いオリジナルの情報を含む(独自性

独自性の部分は非常に重要で、独自性が無い場合には、ライバルと似たようなコンテンツとなり、評価されません。


検索結果に似たようなコンテンツばかりが表示されても検索ユーザーは満足しません。
その為Googleは検索結果の多様性を保つ為に、類似コンテンツを見つけた場合は最初に見つけたコンテンツを優遇します。


ここでまた疑問が出てくるかもしれません。


これらの情報は、ウェブサイトのどの場所に公開したら良いのか?トップページや商品ページに追記?

SEOが難しいページ:トップページや商品ページ

トップページに集客を集中させたいので、SEOもトップページに対してのみ集中する。
これはSEOでよくある誤った認識です。


実際の所はトップページ、商品ページやリスティング用のランディングページのような自社の商品の売り込みを行うページでオーガニック検索上位を確保する事は至難の技です。オーガニック枠の上位を獲得するには、検索ユーザーの意図を理解し、ライバルよりも詳しく価値のある情報を提供する必要があります。


例えばあなたがフットサルシューズのメーカー直販サイトを運営していたとします。検索ユーザーの立場になって考えてみましょう。


検索ユーザーが軽いフットサルシューズについて検索する場合は、「フットサルシューズ 軽い」などのクエリで、選定の役に立つ情報(例えば比較や購入者のコメント、プロの視点による選び方)を探します。Googleもこの検索ユーザーの意図を理解して、比較コンテンツや素材の違い、用途の違いなどの解説コンテンツを優遇しています。


この段階では、検索ユーザーは特定のブランドのトップページや単一の商品、特定のメーカーで調べているわけではありません。


検索ユーザーは様々な情報を参考にして自分に合いそうなシューズを見つけたら、その商品について詳しく調べる為に型番やブランド名、メーカー名指定で検索します。


トップページや商品ページ、商品カテゴリ一覧ページでは、どちらかと言えばメーカー名、ブランド名、型番指定での検索に向いています。
「フットサルシューズ 軽い」というクエリでSEOを行うのであれば、トップや商品ページなどではなく、選定のポイントを解説した記事や、各メーカーの商品を詳しく比較したコンテンツで対応しなくてはなりません。


検索クエリ、ユーザーの意図、売り手の視点、検索エンジンの視点を整理してみましょう。


検索クエリ

  • 「フットサルシューズ 選び方」
  • 「フットサルシューズ 安い」
  • 「フットサルシューズ 軽い」

売り手目線で考えがちなコト

  • 自社商品の中でお客様にぴったりのフットサルシューズの選び方を説明しよう」
  • 自社商品の中で一番安価なフットサルシューズをすすめよう」
  • 自社商品の中で比較的軽いフットサルシューズで、利益の高いものをすすめよう」

売り手目線だと視点が自社商品に偏る。上記のようなページは広告向きで、トップページや、商品ページ、広告用のランディングページが該当します。購買意欲が高いユーザーに対しては、自社商品のメリットを伝えて速やかに購買に結びつける事ができます。一方SEOでオーガニックの上位を獲得することには適していません。これは検索ユーザーの意図にマッチしたページではないからです。


検索ユーザーの意図

  • 「自分にあったフットサルシューズの選び方のポイントを知りたい」
  • 「遊びで使うので、全てのメーカーの中で一番安いシューズから選んでみよう」
  • 「部活で使う為、パフォーマンスに優れた軽いフットサルシューズを探したい」

検索エンジン側の視点

  • 様々なメーカーのシューズの特徴を比較した解説ページは検索ユーザーの判断の手助けになる」
  • 様々なメーカーのシューズ安い順比較したページは検索ユーザーの判断の手助けになる」
  • 様々なメーカーのシューズの中でも軽さが特徴のシューズに関して、やわらかさ、フィット感、通気性などの機能性を含めて解説したページは検索ユーザーの判断の手助けになる。」

検索エンジンは検索ユーザーの意図にマッチしたコンテンツを優遇します。
売り手の視点ではなく、検索ユーザー視点で価値ある情報を提供しなければなりません。実際に対象のクエリで検索し、上位表示されているページの内容に目を通すと、ユーザーに必要とされているコンテンツの傾向がわかります。


トップページや自社の商品ページにSEOを意識してライバルとの比較解説を載せるという事は、購入への誘導が弱くなる事を意味しますので施策としてはおすすめできません。(購買意欲の高い訪問者をわざわざライバルサイトに誘導する事にもなります。たまに見ますが・・。)
また下手にライバルの商品をけなせばビジネス上のモラルが無い企業としてブランドを傷つけるかもしれません。


売り手視点で商品のメリットを伝え、購買へ誘導するページはビジネス上もちろん必要ですが、このようなページはオーガニック枠で上位を狙うという事には向いていません。


オーガニック枠で上位表示を狙うコンテンツを公開する場所は、WordPressなどを活用してサイト内部に設置するブログがおすすめです。
ただし、芸能人ではありませんので、日記のようなブログはSEOでは意味がありません。


ブログに専門家としての立ち位置で、ユーザーに対して価値ある情報を記事として投稿する事で、ヒトを魅きつけ、企業のブランドにも貢献していく事に繋がります。


SEOに適していないクエリ:自社の専門性を活かせないキーワード

「フットサルシューズ ナイキ」、「iPhone」といったブランド名などのクエリに対してSEOを行う場合には、メーカーサイトや品揃え豊富で選びやすいECサイトが有利となるでしょう。
例えば「フットサルシューズ ナイキ」で検索するユーザーの意図としては、ナイキのブランドの中からフットサルシューズを選びたい、調べたいというものが考えられます。


実際にGoogleで検索してみると、ページ上部にGoogleショッピング検索結果が表示され、オーガニック検索枠にはメーカー直販のECサイト、サッカーショップのECサイトがあり、楽天市場が上位表示されています。
もっと詳しく見てみると、ナイキのフットサルシューズに関する取り扱い商品一覧ページが上位表示されています。


「iPhone」というクエリの場合、AppleのiPhoneに関するページか、自分の契約しているキャリアのiPhoneに関するページを見たいという意図があります。
検索結果にはまずAppleが表示され、次に各キャリアのiPhoneに関するページが表示されます。
このようなブランド名のクエリの場合には、ユーザーの意図が「そのウェブサイトに行く」という事の為、販売権もなく、キャリアでも無い企業がオーガニック枠で上位表示を狙うことは難しいでしょう。


他にも「パソコン 価格 ノート」などのクエリに対して最適なコンテンツを提供するのであれば取扱商品点数とリアルタイムに近い価格比較を行う必要があるでしょう。


検索ユーザーの意図にマッチしたページで、品揃えや価格、レビュー、新製品などの情報などでライバルよりも役に立つ情報を提供できそうもなければ、このようなクエリでオーガニック検索の上位を狙うことは難しいと言えます。




SEOで考慮すべき要素は減って来た。その分コンテンツの質に注力すべき

Googleは200以上のシグナルをもとにランキング付けを行っています。この200のシグナルが憶測を呼び、人々の中で多くの都市伝説的な施策が編み出されてきました。


例えばキーワードの位置や、キーワード含有率見出しの数を最適化するといった手法などです。以前の検索エンジンであれば、効果があったかもしれませんが、コンテンツを理解できるようになりつつある現在のGoogleにとって、数値や割合、キーワードの配置を意識するような施策で大きな効果は見込めません。それよりも情報の質を高めるという事の方に時間をかけるべきです。


Googleや、ウェブ関連のニュースメディアが「テクニック論ではなく、ユーザー体験を優先しろ」と繰り返し啓蒙しているのは、検索ユーザーの目線で考えずに、テクニック論のみに走ってしまうサイト運営者が多いからです。


現在のSEOで考慮すべき要素は次のようなものです。
※ここから専門用語が少し増えますが、気にせずに読み進めてください。
下の方にチェックリストをまとめたページを紹介しています。


検索ユーザーが快適に使用できるウェブサイト

直接的な順位への影響は小さいですが、スマホ対応やページの表示速度改善、SSL対応などは考慮すべき要素です。
検索ユーザーが安心して閲覧でき、回線の速度や使用するデバイスの違いを気にする事なく、快適にウェブサイトを利用する事ができます。


ページ表示が遅ければ、読むのを途中でやめてしまうかもしれませんし、スマホで表示されたウェブサイトの文字が小さければ、わざわざ拡大するよりも別のサイトに移動してしまうかもしれません。訪問者にじっくりページを見てもらえる事で、その後訪問者が行うアクションに対して間接的に影響します。
アクションとは、購入であったり、SNSのシェアであったり、リンクを張るなどの行為です。


検索エンジンの巡回を手助けする要素

XMLサイトマップやリンク構造、robots.txtの設置、URLの正規化、わかりやすいURLなどの要素があります。これらは順位への影響は無いものの、Googleがウェブサイトの全体像を把握する為の手助けになり、検索結果に正しく表示されるようになります。規模の大きなウェブサイトは意識した方が良いでしょう。


訪問者と検索エンジンがページ内容を理解する事を助ける要素

alt属性や、タイトルタグ、メタディスクリプション、見出し、アンカーテキストなどの要素があります。検索エンジンは、これらの要素を手がかりにコンテンツを理解します。そしてわかりやすいレイアウトや、見出し構成は訪問者にとって読みやすいコンテンツになります。


信頼度を示す指標

良いコンテンツは、ブックマークやシェアなどを通して多くの人に活用され、リンクで参照されます。自然な被リンクを獲得できるコンテンツは、検索エンジンから見るとそれだけ信頼度が高い、質が高いと評価されます。


ただし、被リンクの購入や相互リンクはGoogleのガイドラインに違反する行為となり、ペナルティを受けるリスクがあります。検索結果から排除され、Googleの信頼を回復する為に費やす労力がコストも馬鹿になりません。


Googleは質の高いコンテンツから集まる自然な被リンクを評価します。そのような被リンクを集めるにも検索ユーザーが満足する質の高いコンテンツを作成していくという事が基本です。
被リンクを獲得するには、コンテンツに書かれている内容だけでなく、読みやすさ、SNSで拡散するような仕掛けや工夫も必要です。


これらの個別の施策については、SEOのチェックリストでまとめています。
基本的なSEOチェックリスト一覧 ウェブ・システム担当者向け


最も重要な要素 質の高いコンテンツ

Googleが大きく評価する要素はコンテンツの質です。
自社の得意な分野で、検索ユーザーに向けて優れたコンテンツを作成する事ができれば、ライバルと差を作りだす事ができ、検索ユーザーとの接点を増やす事ができます。


ただし、SEOで決定的な差をつける事ができる、「質の高いコンテンツ作成」に取り組む事ができる企業は限られてくるでしょう。


専門知識をそれ程必要としない領域は、敷居が低いのでSEOにおけるライバルは増えます。
専門知識を必要とする領域は、敷居が高くなりSEOを行うライバルも少なくなるでしょう。


質の高いコンテンツ作成に取り組める企業は限られる

コンテンツを作るという事はただ書けば良いというわけではありません。既にウェブ上にあるコンテンツをコピーし、言い換える事でもありません。辞書や用語解説ページを作って当たり前の事を書いても検索エンジンや検索ユーザーは評価しません。


競争力のある質の高いコンテンツを作成するには、顧客ニーズの理解、ビジネスにおける自社の優位性専門性が必要です。
検索ユーザーが調べたい事に対して、トピックに関する専門家の知見を活かしたコンテンツを作成する事は、他には無い価値のある情報を提供する事にもつながります。


そしてそれを詳しくわかりやすく伝える姿勢も必要となります。


はじめのうちは、誰がコンテンツを書くべきかで躓くかもしれません。多くの人に指示されるコンテンツを作る事は簡単ではありませんが、出来れば上記の条件にふさわしい方を担当者としてアサインする事が理想です。社長自らコンテンツを書くというケースも実際には多くあります。


もちろん選択肢の中にはライターに依頼するケース、SEOコンサルや制作会社に相談するケースやトレーニングを受けるといったケースもあります。この場合には、誤った選択をしないように、次の点に注意しましょう。




SEOは外注するべきか、内製化するべきか

Googleのヘルプに外注する際の注意点が書かれています。


一部の非道徳的な SEO 業者による非常に強引な宣伝や、検索エンジンの検索結果を不正操作しようとする試みが業界の信用を損なってきました。Google のガイドラインに違反する行為は、Google 検索結果でのサイトの表示方法に悪影響を及ぼし、場合によっては Google インデックスからサイトが削除されることもあります。
SEO が必要なケース:Search Console ヘルプ


SEOの知識がない段階では非道徳なSEO業者かどうかを見極めることが難しい為、安易に選択すると思わぬ被害を受ける事がありますので注意が必要です。


コンテンツを作成するには、そのトピックにおける専門知識が必要で、だからこそ検索ユーザーに価値を提供できるわけです。そしてそのコンテンツから自社の商品やサービスの認知につなげていく為には、ライバルと比較した自社の優位点を把握しておかなければなりません。これらは、外部におまかせしてできるものではありません。


SEOの知識を習得する上で、トレーニングを受ける事や、コンサルのアドバイスが役に立つ事はあります。
初期の段階では外部サービスを利用して知識を習得する必要があったとしても、将来的には自社で行う事を目標に取り組む事をおすすめします。
そうする事でより素早く、コンテンツ作成や改善に取り組んでいけるようになります。




SEOの手順 調査と計画は初期の無駄を省く

SEOはすぐに効果が出るということは稀です。あせらずに長期的に取り組む心構えが必要です。


SEOの成果とは?

ビジネスに関するウェブサイトであれば、直接、間接的にビジネスに貢献するものでなければ意味がありません。その為、売り上げや問い合わせにつなげるという事は目標の一つとなるでしょう。
そして売り上げや問い合わせにつなげる為に、検索結果の露出を増やし、訪問者の接点を増やしていく事が理想的です。


以下のような項目は、SEOの影響を測る際にGoogleアナリティクスや、専用ツールで見ていくデータです。


CV、PV、セッション、直帰率、滞在時間、順位、獲得被リンク、シェアの数など


CVはコンバージョンと読み、「申込み」や「問い合わせ」などのアクションをGoogleアナリティクス上で目標として設定します。


コンテンツの質が高ければ、順位や獲得被リンク、シェアの数が増えます。
検索ボリュームの多いキーワードで上位表示されればPVやセッション数が増えます。
コンテンツが読みやすく、ページ内のサイト内リンクがユーザーの興味をひくものであれば、直帰率が低くなり滞在時間が増えます。
作成したコンテンツを通して、信頼を獲得できればCVにも結びついていきます。


これらのデータは単独で見るのではなく数と質の両方を分析して改善に役立てていきましょう。


順位至上主義の場合

調査を行わずにSEOを行った場合には、無意味な検索キーワードを選定してしまうかもしれません。
順位が一位でもほとんど検索されないキーワードである場合もあります。
また検索順位は、ある程度ボリュームがあるキーワードの場合でも、10位以内にランクインしなければ検索ユーザーに見つけてもらえません。


PV至上主義の場合

人を多く集めることができても、コンテンツ内の文脈が目標とする商品とかけはなれていれば成果に全く貢献しない事もあります。
場合によっては、商品やサービスのターゲット層からの問い合わせではなく、それ以外の検討違いの問い合わせが増えるといったデメリットもあるでしょう。


SEOに関しては、「PV」や「順位」至上主義とならないように注意しましょう。


SEOの効果が出てくるようになるまでの期間

SEOは時間がかかる取り組みです。ウェブサイトで扱うテーマにおける専門性とSEOの知識を持っていれば、その期間はいくらか短縮できるでしょう。早ければ1ヶ月、長いと3ヶ月以上経過してからその成果に繋がっていくケースもありますが、ライバルの取り組み方や自身のコンテンツの質次第でこの期間は大きく変わってくるでしょう。


時間がかかる要因としては、以下のようなものが考えられます。


現在のウェブサイトのテーマが専門的だと認識されていない

検索エンジンはウェブサイト全体の専門性や過去の取り組みもコンテンツ理解に活用しています。現時点でライバルよりも専門性が低ければ、質の高いコンテンツを徐々に増やしていく必要があります。Googleにウェブサイトの専門性を理解してもらうことで、コンテンツの評価も徐々に向上していくでしょう。


ライバルが多く専門性が高い分野

ライバルサイトがその分野の専門家として知られている場合には、既に多くのサイトから信頼を示す被リンクを集めています。圧倒的な差がある場合には長期的な取り組みとなる事もあります。競争が激しいクエリの場合には、それだけSEOに注力して質の高いコンテンツ作成に取り組んでいるライバルの数も増えます。そのような場合には、ライバルサイトが扱っていないニッチなトピックからコンテンツ作成する事をおすすめします。


放置ぎみのウェブサイト

しばらく放置していた状態のウェブサイトは、検索エンジンにとって見ればそれ程巡回する必要が無いウェブサイトと判断されます。 巡回促進の施策とセットで質の高いコンテンツ作成を継続していくことでGoogleの巡回頻度も上がっていきます。


スパムを行った事のあるウェブサイト

手動ペナルティを受けているケースでは、ペナルティを解除しなくてはなりません。
考えられるスパムの原因を排除しない限りは、マイナスからのスタートとなる場合もあるでしょう。


Googleのガイドラインを確認し、身に覚えのある過去の過ちについては出来る限り排除しておきましょう。


効率良く成果につなげる為には、キーワードの調査とコンテンツ作成計画が鍵を握るでしょう。そして、長期的な取り組みを行うには、SEOに関連するアクセス解析や順位、被リンクなどのデータを計測できるようにしておきましょう。


コンテンツ作成における調査と手順

  • ターゲットの明確化

    商品やサービスを導入して欲しい顧客像を具体化します。年齢や性別、企業向けの商品であれば部門や役職など他にも様々な属性が考えられます。既存顧客のデータや既存顧客への直接のヒアリング、アプローチしたい層へのヒアリングを行い、現在抱える悩みや問題点、商品選定基準などを洗い出します。


  • キーワード選定

    上記の顧客像から検索に使用しそうなキーワードを選定します。関連キーワード取得ツールやAdwordsのキーワードプランナーを使い、一定のボリュームのあるキーワードに絞込み、Excel等でリスト化します。


    キーワード選定方法については以下のページで解説しています。
    SEOキーワード選定のコツと1ページで意識するキーワード数


  • 各キーワードに対応するコンテンツ作成計画

    キーワードごとにコンテンツを作成するか、ビッグワードを対象に複数のキーワードに対応する網羅型のコンテンツを作成するか決めます。はじめのうちはキーワードごとにコンテンツを作成する「ロングテールSEO」がおすすめです。


    ロングテールseo

    ロングテールSEOは、複合キーワードを対象にしたコンテンツ作成方法です。ニッチなキーワードを対象とする為、検索ボリュームは少ないのですが、ライバルも少なく、比較的成果につながりやすい方法です。
    ロングテールSEOとは?戦略的メリットと複合キーワード集客法


    このような手法を通して、質の高いコンテンツ作成と検索順位への影響を感覚的に掴んでいくことができます。さらに継続的な取り組みによって、ウェブサイトの信頼性や専門性について時間をかけて検索エンジンに理解してもらうことができます。
    ※ビッグワードのSEOは、感覚をつかんでからでも遅くは無いでしょう。


  • コンテンツを作成する

    ページで扱う一つのテーマを複数のトピックに分けて論理立てて説明しましょう。トピックとはウェブページの場合は、Hタグという見出しタグとそれを説明するパラグラフ、画像、動画、参照リンクなどの要素の塊です。


    トピックの説明

    説明書や、論文などの構成に近い書き方です。例えば、「SEO」を説明する場合には、「SEOの意味」、「SEOのメリットデメリット」、「SEOの効果」、「SEOの方法」といったトピックに分ける事ができます。


    「検索ユーザーの意図」に関する章でも説明しましたが、コンテンツを書く際には、次の点を意識しましょう。


    • ライバルよりも広い範囲のトピック(情報の幅
    • ライバルよりも専門的で詳しい(情報の深さ
    • ライバルには無いオリジナルの情報を含む(独自性

    そして、ページ内で扱うトピックを決めるには、次のような調査を行うと良いでしょう。


    • まず扱うトピックを自分で考え、Wordなどを使ってトピックリストを作ります。

    • 関連キーワード取得ツールを使って対象のキーワードと関連するキーワードを再度リストアップし、トピックに追加します。

    • 目的のクエリで実際に検索し、上位10位のライバルサイトに目を通し、1.のリストで不足しているトピックを見つけ、トピックリストに追加します。

    • Yahoo知恵袋でも対象のキーワードで検索し同様に不足しているトピックを見つけて、トピックリストに追加します。

    • 自身の専門性を活かしたオリジナルのトピックを考え追加します。

    • これらのトピックリストをもとに章立てを行い、自身の言葉で解説し、コンテンツを仕上げます。

    • 第三者の視点でコンテンツをチェックしてもらい、アドバイスをもらい、コンテンツを改善します。

  • 効果測定

    Googleアナリティクスや、Search Console、被リンクや順位計測ツールを導入します。
    弊社のツールで恐縮ですが、Spresseo(エスプレッセオ)はわかりやすいデザインが特長のツールで、順位や被リンクの計測を自動化でき、複数人でデータを共有することができます。企業がSEOを行う際に必要な機能を一通り搭載し、お手頃な価格で提供しています。


    Spresseo CTA

    Spresseoのトライアル版は2週間無料で使えますので、この機会にお試しください。
    Spresseo シンプルで使いやすいクラウドSEOツール


  • 次のアクションの検討

    分析は定期的に行います。作成したコンテンツが順位にどのように影響しているか、検索エンジン経由でのセッションが増えているか、目標に直接、間接的に結びついているかなど、それ以外にも分析を行う事で改善すべき点が見えてくるでしょう。


    作成したコンテンツが10位以内にランクインしていない場合には、コンテンツ改善の余地があれば、既存コンテンツを見直し、ライバルよりも優れたコンテンツにしていきます。


    更に対象とするキーワードの範囲を広げてコンテンツを作成するか(コンテンツの数を増やす)、それとも既存コンテンツの改善に注力するか(質を高める)判断し、改善・強化のサイクルを回していきましょう。


    pdcaサイクル

順位が下がってきたらどう対処する?

一度作ったコンテンツで上位表示されたとしても、時間の経過とともにライバルコンテンツが出現や、コンテンツの情報が古くなる事で徐々に順位が落ちてくるようになります。


情報が古いコンテンツ

このような場合は、そのコンテンツに関して、ライバルコンテンツとの比較や含めるべきトピックを見直し、最新の情報も加えてリライトを行いましょう。


古くなったコンテンツの改善方法は以下のページで解説しています。
コンテンツの更新頻度と順位 記事見直しによるSEO効果と関連性


稚拙な言い方かもしれませんが、SEOの取り組みは筋力トレーニングやダイエットに似ているかもしれません。 正しい方法で継続的に行わなければ成果に結びつきません。継続できなければ、筋力が落ち、元の状態に戻ってしまいます。状態をチェックし、目標に向かって日々改善していきましょう。



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野澤洋介
野澤洋介

この記事を書いた人

アレグロマーケティング代表

SEOツールのプロジェクト担当者でもあり、自社のSEO担当でもあります。
SEOは考え方はシンプルですが、いざ実践するとなかなか思うようにいきません。
当ブログでは、読者の方に成功も失敗も合わせて情報を共有し、同じような悩みを解決できればという思いで運営しています。




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